今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年8月15日(月) 「ドル円レンジを抜けず」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 102円前後で推移していたドル円は、小売売上高やPPIが予想を下回り、さらに米長期金利も低下したことで軟調に。一時は101円台を割り込んだが、101円10−20銭まで戻して取引を終える。
  • ユーロドルは反発。1.11台半ばから1.12台にに乗せ、再びレンジを形成する。
  • 株式市場はまちまち。ダウは37ドル下落したが、ナスダックは小幅に続伸。
  • 債券相場は上昇。PPIが予想を下回ったため、年内の利上げ観測がやや後退し価格が上昇。
  • 金は続落。原油は国際エネルギー機関(IEA)が、今年は需給不均衡の是正が続くとの見通しを示したことを好感し、44ドル台まで続伸。

    ******************************
    7月小売売上高               → 0.0%
    7月生産者物価指数             → −0.4%
    8月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 90.4
    ******************************
    ドル/円 100.82 〜 102.01
    ユーロ/ドル 1.1150 〜 1.1227
    ユーロ/円 112.72 〜 113.86
    NYダウ −37.05 → 18,576.47ドル
    GOLD −6.80  → 1,343.20ドル
    WTI +1.00  →  44.49ドル
    米10年国債 −0.046 → 1.514%

    本日の注目イベント

    • 日   4−6月GDP(速報値)
    • 日   6月鉱工業生産
    • 中   中国マネーサプライ
    • 米   8月NY連銀製造業景気指数
    • 米   8月NAHB住宅市場指数

    100−103円で膠着感が強まってきたドル円ですが、先週末のNYでも経済指標の発表をきっかけにドルが売られて101円を割り込む場面もありました。100円台半ばからは下値も堅く、100円割れの可能性は一時ほどは高まってはいないものの、上値も重く、インパクトのある材料がないとどちらも抜けるのに時間がかかりそうな展開です。

    102円前後で推移していたドル円は、小売売上高が市場予想の+0.4%に対して、0.0%だったことを受け、101円台半ばまでドル売りが進み、さらにその後の経済指標も低調だったことから100円台後半までドル安が進みました。100円台ではドルに対する需要もあるとみえ、すぐに101円台には戻したものの、上値の重さは払拭できていません。次の材料待ちといったところですが、来週26日のジャクソンホールでのイエレン議長の講演がその材料になることが予想されます。

    「日足」チャートでは昨年末からローソクが雲の下方で推移し、これまでに3回「雲抜け」を試していますが、ことごとく失敗しています。このチャートを基本にする限り下落トレンドは鮮明で、雲が「抵抗帯」として機能していることが見てとれます。既に8カ月の間この雲の下方で推移し、上昇を抑えられてはいますが、この雲の上限は足元では105円台半ばまで下がってきています。従って、105円台後半までドルが上昇すれば、雲抜けが完成することになります。足元の101円台から上記水準まではかなり距離もありますが、8月の雇用統計がさらに上振れし、米利上げ観測が高まれば不可能な距離ではありません。

    このところのドル円の動きは100円台の攻防とみています。100円をしっかりと割り込むようだと、今度は100円が上値の上限になり、徐々にドルが値を下げる展開も予想されます。一方、100円以下が底堅いことが確認できれば現在のレンジが上方へシフトし、105−110円のレンジを形成することも予想されます。その意味で、上記ジャクソンホールから、9月の雇用統計の発表、さらには9月の日米金融会合が大きな節目になろうかと思います。特に、日銀会合は「総括的な検証」を経て、どのような新たな対策を講じてくるのか、あるいは量的緩和を縮小してくるのかが注目されます。

    本日は日本の4−6月期GDP速報値と、夜にはNY連銀製造業景況指数が発表されます。今週は市場参加者が最も減少すると見られ、相場の変動には主意したいところです。予想レンジは100円70銭〜101円70銭程度と見ます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 --------
    7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 --------
    7/19 FOMC声明文 「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」 --------
    8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 --------
    8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 --------
    8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 --------
    8/11 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「緩和策を解除する緩やかな軌道、アクセルの踏み込み具合を極めてゆっくりと緩めることが適切だ」ワシントンポストとのインタビューで。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和