2016年8月17日(水) 「ドル円一時99円台半ばに」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は1カ月半ぶりに99円台半ばまで急落。東京時間で株価が大幅に下落し、NYではPPIが伸びていなかったことでドル売りが進んだ。NY連銀総裁が9月の利上げもあり得るとの認識を示したことが伝えられると、100円台半ばまで急速に値を戻し100円25−35銭で引ける。
- ドル売りが進み、ユーロドルも約1カ月半ぶりに1.13台まで上昇。
- 株式市場は9月利上げの可能性が意識されたことから反落。ダウは84ドル下げ、他の主要株価指数も下げる。
- 債券相場は続落。NY連銀総裁の発言が意識され売り物が優勢に。長期金利は1.57%台まで上昇。
- 金は続伸し1356ドル台に。原油価格も9月会合への期待から続伸。46ドル58セントで引ける。
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7月住宅着工件数 → 121.1万件
7月建設許可件数 → 115.2万件
7月消費者物価指数 → 0.0%
7月鉱工業生産 → +0.7%
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ドル/円 99.55 〜 100.54 ユーロ/ドル 1.1247 〜 1.1323 ユーロ/円 112.36 〜 113.25 NYダウ −84.03 → 18,552.02ドル GOLD +9.40 → 1,356.90ドル WTI +0.84 → 46.58ドル 米10年国債 +0.017 → 1.575% 本日の注目イベント
- 英 英7月失業率
- 米 FOMC議事録(7月26、27日分)
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
上値の重い展開が続いていたドル円は昨日のNY市場で99円55銭まで売られ、6月24日のあの「Brexit」以来の円高水準を記録しました。NY株が最高値を更新し続ける中でも、昨日は日経平均株価が273円も売られ、夏休みで市場参加者が 少ない状況で一気にドル売りが進みました。7月の米消費者物価指数もインフレを示唆するものではなく、これが利上げ観測の後退につながりドルを押し下げた面もあったようです。
ただその後はドルが急速に値を戻し、100円台半ばまで買い戻されています。きっかけはダドリーNY連銀総裁の「9月利上げもあり得る」と語ったことが伝えられたことでした。総裁はFOXビジネス・ネットワークとのインタビューで、「追加利上げが適切となる時期がじわじわと近づいている」と述べ、FOMCが9月20−21日の会合で利上げを決定する可能性はあるかとの問いに、「あり得ると思う」と答えています。
ダドリー総裁は他の地区連銀総裁とは異なり、常にFOMCメンバーであり、投票権も有しています。他の地区連銀総裁は「輪番制」ですが、NY連銀総裁は「別格」として扱われ、イエレン議長など執行部にも近いと見られています。そのため、NY連銀総裁の発言は他の総裁よりも重みがあり、昨日のドル円も底値から約1円も反発するなど、その影響も「別格」と言えます。インフレ率についても同総裁は「経済は完全雇用に極めて近く、インフレ率は向こう2年間に2%に上昇すると考えている」と述べています。(ブルームバーグ)
昨日はアトランタ連銀のロックハート総裁も利上げに関して発言しており、「現段階ではいかなる政策の立場にもとらわれていないが、経済に対する私の自信が正当化されるのであれば、年内に少なくとも1回の利上げが適切になるかもしれないと考える」と語っています。利上げに対するトーンはNY連銀総裁ほど強くはないものの、「タカ派的」だと受け止められます。
問題はこの認識がFOMCメンバーの総意に近いものなのかどうかです。来週26日のイエレン議長の講演でも同じような認識が示されれば、市場の利上げに対する見方は悲観的過ぎることになり「修正」を迫られることになります。9月会合ではイエレン議長の記者会見は予定されておらず、ここからも「政策変更はない」という見方が強まっていました。もし9月利上げが実現したら、年内2回の利上げの可能性も排除できないことになります。ジャクソンホールでのイエレン発言と、9月の雇用統計がその答えを示してくれそうです。
ドル円はこれで100円以下を3度試し、全て押し戻されています。まだ100円以下が定着する地合いではなさそうですが、上値の重さは依然として優勢な状況です。相場観で迷うのは、3度の100円割れを全て押し戻していることで、100円以下が底堅いのか、あるいは95円を目指す過程にすぎないのかという点です。どちらかと言えば後者に近い印象ですが、これも利上げを過小評価している表れかもしれません。本日のレンジは99円50銭〜100円80銭程度を予想しています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 -------- 7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 -------- 7/19 FOMC声明文 「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」 -------- 8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 -------- 8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 -------- 8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 -------- 8/11 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「緩和策を解除する緩やかな軌道、アクセルの踏み込み具合を極めてゆっくりと緩めることが適切だ」ワシントンポストとのインタビューで。 -------- 8/16 ダドリー・NY連銀総裁 「追加利上げが適切となる時期がじわじわと近づいている」「9月利上げもあり得る」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円99円台半ばから→100円台半ばまで反発



