2016年8月18日(木) 「FOMC議事録ドルを下押し」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京タイムに101円台前半まで上昇したドル円は、FOMC議事録の内容に反応して100円割れ目前まで反落。連日値幅の大きい展開が続く。
- ユーロドルは1.13台では上値が重いものの、明確な方向性は見られず。
- 株式市場はFOMC議事録で、9月利上げの可能性がやや後退したことから3主要指数とも揃って反発。ダウは21ドル高と小幅に上昇。
- 債券相場も反発。FOMC議事録で早期利上げを巡り意見が分かれていたことから買いが優勢に。長期金利は1.54%台と若干低下。
- 金は反落。原油価格は、原油・ガソリンの減少が報告され5日続伸。
ドル/円 100.04 〜 100.73 ユーロ/ドル 1.1240 〜 1.1316 ユーロ/円 112.82 〜 113.53 NYダウ +21.92 → 18,573.94ドル GOLD −8.10 → 1,348.80ドル WTI +0.21 → 46.79ドル 米10年国債 −0.025 → 1.549% 本日の注目イベント
- 豪 豪7月雇用統計
- 日 7月貿易収支
- 欧 ECB議事要旨
- 英 英7月小売売上高
- 欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(確定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 8月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 7月景気先行指標総合指数
- 米 ダドリー・NY連銀総裁記者会見
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
前日99円台半ばまで売られたドル円は、昨日の東京タイム夕方には101円17銭近辺まで反発し、100円以下では底堅いかと思われたが、昨日のNYでは再び100円割れを試すような動きになっています。「利上げの時期を巡る思惑」が相場を主導しており、現時点ではどちらにも決定打が不足しており、まだ明確なトレンドは見い出せない状況です。個人的には9月利上げは難しいとの印象を持っています。
101円台まで上昇したドル円を再び押し戻したのは公表されたFOMC議事録の内容でした。議事録では「幾人かは、インフレが当局の現在の予想よりも早いペースで上昇した場合でも、当局には反応する十分な時間がある可能性が高いことを示唆したほか、インフレ率が継続的に2%に近づきつつあるとの確信を強められるまでフェデラルファンド(FF)金利の追加引き上げを遅らせるのが望ましいとの考えを示した」と記されていました。
前日FOMCの重要メンバーの一人であるダドリーNY連銀総裁が、「9月利上げもあり得る」とFOXテレビのインタビューに答え、利上げ観測が盛り上がったばかりだったところに冷や水を浴びせられた格好となり、ドル円を押し下げたものです。また一方では「他の一部参加者は、最近の経済情勢について、労働市場の環境が最大限の雇用確保と整合するか、もしくはそれに近い状態を示していると評価したほか、金融政策緩和の段階的な解除をさらに進めた場合でも委員会のインフレ目標達成に向けた最近の進展が今後も続くと予想した」とも記され、(ブルームバーグ)7月26−27日に開催されたFOMCでは早期利上げが必要かどうか、意見が分かれたことが明らかになっています。
昨日のFOMC議事録で明らかになったように、9月利上げだけではなく、年内利上げについてもまだ多くのメンバーが確信を持てていないようです。確かに住宅市場はまずまずの水準を見せてはいますが、製造業全体をみると、再び鈍化傾向を見せています。鍵は、やはり9月2日に発表される8月の雇用統計が握っていると考えられます。2カ月連続で25万人を超えた非農業部門雇用者数が「3カ月連続」を示すようだと、当局者も自信を深め、アトランタ連銀総裁が指摘したように、「最低でも年1回の利上げ」はありそうです。
ドル円はこれまでに3度100円割れを示現しましたが、全て反発しており「100円割れは底堅い」との印象があります。振り返って見れば、2011年の75円台から昨年6月の125円台までの「半値戻し」が概ね100円です。ここからも100円が単に三桁を維持できるのか、あるいは二桁の相場定着するのかというだけではなく、テクニカル上でも重要なレベルであることが理解できます。さらに言えば長い「月足チャート」でも、重要な「120カ月線」が100円前後に位置し、2カ月連続でドルの下落をサポートしています。言い換えれば、このレベルを明確に下抜けするようだとドル円はさらに下落する可能性が高いと思われます。
本日のレンジは99円00銭〜100円30銭程度を予想し、下方リスクの方がやや高いと思われます。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 -------- 7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 -------- 7/19 FOMC声明文 「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」 -------- 8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 -------- 8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 -------- 8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 -------- 8/11 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「緩和策を解除する緩やかな軌道、アクセルの踏み込み具合を極めてゆっくりと緩めることが適切だ」ワシントンポストとのインタビューで。 -------- 8/16 ダドリー・NY連銀総裁 「追加利上げが適切となる時期がじわじわと近づいている」「9月利上げもあり得る」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円99円台半ばから→100円台半ばまで反発



