2016年8月30日(火) 「ドル円102円台を維持できず」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間に102円台まで乗せたドル円は、NYでは上値が重く101円86銭まで押し戻される。長期金利の低下がドル上昇の重石になった。
- ユーロドルは1.11台半ばから後半でもみ合い。
- 株式市場は大幅に反発。利上げは好調な米景気の表れだとの見方からダウは107ドル上昇し、他の2指数も揃って買われる。
- 債券相場は大幅に反発。前日の急落から買い物を集め、長期金利は1.55%台まで低下。
- 金は反発し、原油は小幅に反落。
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7月個人所得 → +0.4%
7月個人支出 → +0.3%
7月PCEコアデフレーター → +1.6%
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ドル/円 101.86 〜 102.31 ユーロ/ドル 1.1158 〜 1.1193 ユーロ/円 113.96 〜 114.28 NYダウ +107.59 → 18,502.99ドル GOLD +1.20 → 1,327.10ドル WTI −0.66 → 46.98ドル 米10年国債 −0.070 → 1.559% 本日の注目イベント
- 豪 豪7月住宅建設許可
- 日 7月失業率
- 独 独8月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏8月景況感指数
- 欧 ユーロ圏8月消費者信頼感(確報値)
- 米 6月ケース・シラ−住宅価格指数
- 米 8月消費者信頼感指数
先週末のイエレン議長の講演に続き、フィッシャー副議長も利上げを支持する発言を行い、さらに黒田日銀総裁はマイナス金利の限界を否定する発言を行ったことを好感し、昨日の東京株式市場では日経平均株価が400円を超える上昇を見せる場面もありました。株価の上昇に呼応するかのように、ドル円は102円台を回復し、一時は102円39銭までドル高が進みました。一方NYではドルの上値が重く、米長期金利の低下がドルの上昇を押さえ、101円台後半までドルが押し戻されています。
ジャクソンホールでの一連の講演を終えて、9月利上げはまだしも、年内の利上げはほぼ確実な状況になっています。利上げは本来、株式市場にとっては「逆風」となり、株価のマイナス要因ですが、昨日は大幅な反発を見せ、ダウは107ドル高と、最高値に迫る水準まで買われています。利上げは景気の良さの証左であり、景気拡大はかならずしも株価にとってはマイナスではないといった見方が株価を支えました。
株価の上昇はドル高につながる傾向がありますが、昨日のドル円は米金利の低下に反応し売られたものと見られます。これは、まだ安心してドル買う状況ではないことを示唆しています。今後は先ず、今週末の米雇用統計の結果を見極め、さらに9月20−21日に開催される日米の金融会合でどのような政策変更があるのかを確認する必要があります。目先の動きは101−103円前後での推移を予想していますが、上記会合での内容を経て、上下どちらかに振れると見ています。9月のFOMCで利上げに踏み切り、さらに日銀の追加緩和という「連携プレー」があれば、105円の方向へと舵を切るのではないかと見ています。
その鍵を握っているのが8月の雇用統計です。8月の非農業部門雇用者数は18万人を見込んでいますが、7月は25万5000人でした。増加ペースが緩やかになると見られています。それでも20万人を維持できれば、市場はまずまずの結果と受け止め、9月利上げを意識することになるでしょう。
9月利上げは雇用統計の結果次第という状況になっていますが、ブルームバーグがまとめたデータによれば、9月利上げの確率は1週間前の24%から36%に上昇しています。また、12月利上げの確率は約60%になっています。8月は明日で終わりですが、9月はこのように重要なイベントが多くあり、年末に向けてある程度、ドル円の方向性が決まって来るのではないかと予想しています。本日の予想レンジは101円50銭〜102円50銭程度を見ています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 -------- 7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 -------- 7/19 FOMC声明文 「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」 -------- 8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 -------- 8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 -------- 8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 -------- 8/11 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「緩和策を解除する緩やかな軌道、アクセルの踏み込み具合を極めてゆっくりと緩めることが適切だ」ワシントンポストとのインタビューで。 -------- 8/16 ダドリー・NY連銀総裁 「追加利上げが適切となる時期がじわじわと近づいている」「9月利上げもあり得る」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円99円台半ばから→100円台半ばまで反発 8/18 グリーンスパン・元FRB議長 「金利は上昇し始めるはずで、そうなった場合は、その速さで我々を驚かせる可能性がある」ブルームバーグとのインタビューで。 -------- 8/18 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「より早期の利上げ開始が一段と円滑で緩やかな正常化プロセスを可能にするだろう」講演で。 株価が下落し、債券も売られる 8/24 カプラン・ダラス連銀総裁 「労働市場の改善などが続けば、利上げが適切だ。タイミングは明示しないが、利上げの時期は近づいている」日経新聞とのインタビューで。 -------- 8/25 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「米経済は完全雇用に近づいており、インフレは当局の目標に向って上昇してる。利上げは正当化されると」ブルームバーグとのインタビューで。 -------- 8/26 イエレン・FRB議長 「労働市場の堅調さが続いていることや、経済活動とインフレに対する当局の見通しを考慮すると、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠はここ数カ月で強まったと考えられる」ジャクソンホールでの講演で。 ドル円100円台前半から→101円台後半に



