2016年9月5日(月) 「雇用統計を受けドル円104円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 8月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が15.1万人と予想を下回ったことからドル円は102円80銭まで売られた。ただそこからは米長期金利の上昇と、株価の上昇を好感し104円32銭までドル高が進む。ショートの買いしなども誘い、7月28日以来のドル高水準を記録。
- ユーロドルは売られたものの、1.11台は抜けず。ユーロ円の買い戻しなどにも支えられ1.1115で下げ止まる。
- 株式市場は揃って上昇。雇用統計を受け、9月利上げ観測が後退したことで安心感が広がる。ダウは72ドル上昇。
- 債券相場は下落。9月利上げを巡っては専門家の間でも意見が分かれる。長期金利は1.60%台まで上昇。
- 金は上昇し、原油価格も大幅に上昇。
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9月失業率 → 4.9%
9月非農業部門雇用者数 → 15.1万人
7月貿易収支 → −395億ドル
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ドル/円 102.80 〜 104.32 ユーロ/ドル 1.1115 〜 1.1255 ユーロ/円 115.45 〜 116.36 NYダウ +72.66 → 18,491.60 GOLD +9.60 → 1,326.70 WTI +1.28 → 44.44 米10年国債 +0.034 → 1.602% 本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏7月小売売上高
- 英 英8月サービス業PMI
- 米NY休場(レーバーデー)
8月の雇用統計を受けてドル円は約1カ月ぶりに104円台を回復して来ました。非農業部門雇用者数は事前予想の18万人に対して15.1万人と、予想を下回り一時は102円80銭までドルが売られたものの、そこからの切り替えしには目を見張るものがありました。ドル円はその後104円台に乗せ、104円32銭まで上昇する場目がありました。
ドルショートの買い戻しが中心だったと思われますが、それにしても、9月の利上げの可能性がやや後退したにも関わらず、ショートポジションを手仕舞う動きがでたことに相場の変化が見られるかもしれません。この日は円の全面安で、ユーロ円は116円台まで上昇しています。ドル円のトレンドはまだ変わっていないとは思いますが、ジャクソンホールを契機に米利上げ観測が急速に台頭し、日本の株価も上昇に向かっており、これがドル円を押し上げているものと思われます。
104円32銭までドルが買われたことで、チャート上でもトレンドの変化を見るうえで微妙な位置まで来ています。「日足」では、ドル円の足元の水準は「雲」の下限に迫っています。雲抜けには105円台半ばを超える必要がありますが、チャートを見る限り雲抜けを試しているようにも見えます。
ドル円は「日足」では昨年12月24日に雲を下抜けして以来、これまでに3回ドルが上昇して雲の上抜けをテストしましたが、これらは全て失敗しています。仮に今回上手く抜けたとすれば、「4度目の正直」ということになり、約9カ月ぶりの「雲抜け成功」ということになります。そうなると、「日足」での雲抜けということになり、トレンドが変わったということにもつながるかもしれません。相場観としてはまだ下落トレンドが継続していると見ていますが、ここは意識しておく必要があります。
先週末の雇用統計を受けて、専門家の間でも9月利上げを巡り、意見が分かれているようです。8月の雇用者数が25万人程度と大きく上振れしたのであれば、9月利上げは「当確」と見ることが出来たかもしれませんが、15.1万人はそれほど悪くはないものの、利上げを後押しするほどの強い数字でもありません。FRBとしても、ここは悩ましいところでしょう。個人的には9月利上げはないと予想していますが、ドル円の動きは利上げを織り込んだ動きと言えなくもありません。ただ、これも日本株の反発と、日銀が今月の金融会合で何らかの行動を取るということを前提にしているのではないかと思われます。
まだこのまま105円を超えて一段と上昇するとも思えません。それでも、もし日銀が動けば、それなりの効果は見込めます。ここは相場観をニュートラルにして臨むべきでしょう。予想レンジは103円30銭〜104円50銭程度とします。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 -------- 7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 -------- 7/19 FOMC声明文 「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」 -------- 8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 -------- 8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 -------- 8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 -------- 8/11 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「緩和策を解除する緩やかな軌道、アクセルの踏み込み具合を極めてゆっくりと緩めることが適切だ」ワシントンポストとのインタビューで。 -------- 8/16 ダドリー・NY連銀総裁 「追加利上げが適切となる時期がじわじわと近づいている」「9月利上げもあり得る」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円99円台半ばから→100円台半ばまで反発 8/18 グリーンスパン・元FRB議長 「金利は上昇し始めるはずで、そうなった場合は、その速さで我々を驚かせる可能性がある」ブルームバーグとのインタビューで。 -------- 8/18 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「より早期の利上げ開始が一段と円滑で緩やかな正常化プロセスを可能にするだろう」講演で。 株価が下落し、債券も売られる 8/24 カプラン・ダラス連銀総裁 「労働市場の改善などが続けば、利上げが適切だ。タイミングは明示しないが、利上げの時期は近づいている」日経新聞とのインタビューで。 -------- 8/25 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「米経済は完全雇用に近づいており、インフレは当局の目標に向って上昇してる。利上げは正当化されると」ブルームバーグとのインタビューで。 -------- 8/26 イエレン・FRB議長 「労働市場の堅調さが続いていることや、経済活動とインフレに対する当局の見通しを考慮すると、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠はここ数カ月で強まったと考えられる」ジャクソンホールでの講演で。 ドル円100円台前半から→101円台後半に 8/30 フィッシャー・FRB副議長 「ぺースを選択することはできるが入ってくるデータに基づいて選ぶことになる」TV番組で。 ドル円102円台前半から→103円台に



