今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年9月21日(水) 「日米で金融政策発表」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 本日の日米中銀会合を控え積極的な取引は見られず、ドル円は101円台半ばから後半で推移。
  • ユーロドルも前日と同水準で推移。1.11台半ばを中心に40ポイント程度の値幅に終始。
  • 株式市場は小幅な動きながらも上昇。ダウは9ドル上昇したが、エルギー株は続落。
  • 債券相場は反発。世界的な低金利の影響から買いを集める。長期金利は1.68%台に低下。
  • 金は続伸し、原油価格も小幅に続伸。

    *************************
    8月住宅着工件数  → 114.2万件
    8月建設許可件数  → 113.9万件
    *************************
    ドル/円 101.62 〜 101.90
    ユーロ/ドル 1.1150 〜 1.1187
    ユーロ/円 113.41 〜 113.99
    NYダウ +9.79 → 18,129.96
    GOLD +0.40 → 1,318.20
    WTI +0.14 → 43.44
    米10年国債 −0.023 → 1.689%

    本日の注目イベント

    • 日   8月貿易収支
    • 日   日銀金融政策決定会合
    • 日   黒田日銀総裁記者会見
    • 米   FOMC 政策金利発表
    • 米   イエレン議長記者会見

    いよいよ本日、日米中央銀行の金融政策が明らかになります。市場にはマイナス金利の拡大と国債の購入枠の増額、さらに超長期債の購入は控え、イールドカーブのスティープ化を図るのではないかとの予想があります。また現在2017年度中となっている2%の物価目標を、2%を維持しながらも達成時期にはこだわらないとの声明を行うのではないかとも予想されています。

    一方で海外からは日銀の切り札がもう残っていない状況から、ゲームの「終わり」に近づいているのではないかとの見方もあります。(ブル−ムバーグ)いずれにしても、昼前後には結果が発表されることになっていますが、読めないのは市場の反応です。

    政策変更見送りが決まれば、ドルが売られ、株価も下落するものと思われますが、その際どこまで追随すべきなのか、判断に迷うところです。もちろん、市場予想よりも大胆な緩和策が発表されれば素直にドルと株価が上昇するはずですが、これもどこまで上昇するのか見極めが難しい状況です。

    また、もう一つの材料であるFOMCの結果は明日未明の3時に発表されますが、日米の政策結果を反映して両市場でのセンチメントが全く異なってくることも予想されます。日銀が追加緩和に動きドルが買われても、FOMCでは利上げが見送られ、ドルが 売られるといった具合です。その反対も考えられますが、FOMCで利上げが決定されたら、これは「ビッグ・サプライズ」でしょう。その可能性は極めて低いと考えられますが、利上げを予想する向きもあります。

    ブルームバーグによると、米プライマリーディーラーであるBNPパリバとバークレイズは本日のFOMC会合で利上げもあると予想しているようです。多くの市場参加者が利上げはなしと予想している中、利上げの理由を「予想以上の長期にわたり金融政策を据え置いてきたFOMCの引き締め意図を、市場はあまりに軽視している」と指摘しています。金利先物が示す利上げの確率は20%程度であり、果たして「逆張り」が成功するのかどうか、明日の朝には判明します。

    市場の見方は、仮にドルに好材料の結果が出ても、ドルの上昇は限定的だという意見が多いことは意識しておくべきでしょう。個人的にも、よほどのサプライズがなければ105円を試す展開は予想しにくいと考えています。本日のレンジは日米金融会合で相場が荒れると予想して、100−104円程度の値幅を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 --------
    8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 --------
    8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 --------
    8/11 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「緩和策を解除する緩やかな軌道、アクセルの踏み込み具合を極めてゆっくりと緩めることが適切だ」ワシントンポストとのインタビューで。 --------
    8/16 ダドリー・NY連銀総裁 「追加利上げが適切となる時期がじわじわと近づいている」「9月利上げもあり得る」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円99円台半ばから→100円台半ばまで反発
    8/18 グリーンスパン・元FRB議長 「金利は上昇し始めるはずで、そうなった場合は、その速さで我々を驚かせる可能性がある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
    8/18 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「より早期の利上げ開始が一段と円滑で緩やかな正常化プロセスを可能にするだろう」講演で。 株価が下落し、債券も売られる
    8/24 カプラン・ダラス連銀総裁 「労働市場の改善などが続けば、利上げが適切だ。タイミングは明示しないが、利上げの時期は近づいている」日経新聞とのインタビューで。 --------
    8/25 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「米経済は完全雇用に近づいており、インフレは当局の目標に向って上昇してる。利上げは正当化されると」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
    8/26 イエレン・FRB議長 「労働市場の堅調さが続いていることや、経済活動とインフレに対する当局の見通しを考慮すると、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠はここ数カ月で強まったと考えられる」ジャクソンホールでの講演で。 ドル円100円台前半から→101円台後半に
    8/30 フィッシャー・FRB副議長 「ぺースを選択することはできるが入ってくるデータに基づいて選ぶことになる」TV番組で。 ドル円102円台前半から→103円台に
    9/5 黒田・日銀総裁 「量、質、金利の部分で拡大は十分可能」講演で。 ドル円103円台後半から103円台半ばへ下落
    9/8 ドラギ・ECB総裁 「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台から1.13台へ。ドル円は101円台半ばから102円60銭まで上昇。
    9/9 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりむしろ短くなる可能性がある」講演で。 NYダウ394ドル下落し、長期金利は上昇。ドルも売られる。
    9/12 ブレイナード・FRB理事 「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」講演で。 ドル円下落。NYダウは急反発
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和