今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年9月28日(水) 「ドル円反発するも上値は重い」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 大統領候補の直接対決では決定的な差が見られなかったものの、原油が下がり、長期金利が低下したことでドル円は100円台前半から半ばで小動き。
  • ユーロドルはドイツ銀行の株価が低迷していることでユーロは上値が重く、1.12を挟んで小動き。
  • 株式市場は反発。公開討論会ではひとまず安心感が広がり、ダウは133ドル反発。
  • 債券相場は続伸。利上げ観測の後退や、欧州銀行への不安から買い物を集める。長期金利は約3週間ぶりとなる1.55%台まで低下。
  • 金、原油は揃って反落。

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    7月ケース・シラ−住宅価格指数 → +5.02%
    9月消費者信頼感指数  → 104.1
    9月リッチモンド連銀製造業指数 → −8
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    ドル/円 100.19 〜 100.58
    ユーロ/ドル 1.1191 〜 1.1229
    ユーロ/円 112.25 〜 112.70
    NYダウ +133.47 → 18,228.30ドル
    GOLD −13.70 → 1,330.40ドル
    WTI −1.26 → 44.67ドル
    米10年国債 −0.027 → 1.556%

    本日の注目イベント

    • 米 8月耐久財受注
    • 米 イエレン・FRB議長、下院で証言
    • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
    • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    • 米 ロレッタ・クリーブランド連銀総裁講演
    • 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演

    「ハイ、ドナルド!」昨日の公開テレビ討論会では、クリントン候補は最初から余裕を持っているようで、終始笑みをたたえて答弁していました。トランプ候補が「大統領は激務で、あなたはスタミナが問題だ」と言い放つと、「世界112ヶ国を歴訪している」と答え、スタミナには問題ないと反論していました。結局、トランプ候補の「揺さぶり」を冷静に受け流し、筆者には終始有利な立場で討論に臨んでいた印象でした。トランプ候補がどのような舌戦を挑んでくるのかを分析し、周到に答えを用意していた節もあります。

    今回の第一回の討論会を受け昨日の東京市場では、「クリントン氏有利」との見方から、10時前には100円09銭辺りまで売られたドル円は大きく値を戻し、101円手前までドルが買い戻されました。マイナス230円程度まで売られた日経平均株価の方も、午後にはプラスに転じ終わってみれば、139円高と、この日の高値で取引を終えました。市場はひとまず安心したというところです。ただ、この後も10月9日と19日に2回の討論会が予定されています。トランプ陣営も建て直しをはかり、次の攻撃を仕掛けてくることは十分想定でき、「初の女性大統領誕生」までにはまだ予断を許しません。

    NYではこの討論会の受け止め方は分かれており、結局「勝者も敗者もいない」という見方が適切だろうと思います。11月8日の最終日まであと5週間。最後の熱い戦いは続きます。トランプ大統領の誕生はないだろうと思われますが、そもそも共和党の候補として名乗りを上げた時も、トランプ氏が共和党大統領候補になることを誰が予想できたでしょうか。イギリスのEUからの離脱でも経験したように、2匹目の「ブラックスワン」はいるかもしれません。米国債の利回りが低下して来たのも、多少その可能性を織り込んでいるあかしと捉えることができます。

    ドル円は今回も100円割れを回避し、粘り腰を見せています。上値が重く、ドルの戻りは限定的に見えますが、100円台前半ではドル買い需要もあるようです。ただそれでも100円台で推移しているドル円を見ると、やはり100円割れを再度試さないと、このステージは終わらないのではないかと感じているのは私だけではないと思います。来週の雇用統計の内容を受け、100円割れを見るのか、あるいは100円台から離れて上昇に転じるのかが判明すると思いますが、それでもそこまで待つ必要はないのかもしれません。

    本日は日本株の権利落ちで、NY株は上昇した割には軟調な展開が予想されます。それに伴って、ドル円は昨日と同じように100円割れを試す流れがあるかもしれません。NY時間ではイエレン議長の議会証言も予定されています。予想レンジは99円50銭〜100円80銭程度とみています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 --------
    8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 --------
    8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 --------
    8/11 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「緩和策を解除する緩やかな軌道、アクセルの踏み込み具合を極めてゆっくりと緩めることが適切だ」ワシントンポストとのインタビューで。 --------
    8/16 ダドリー・NY連銀総裁 「追加利上げが適切となる時期がじわじわと近づいている」「9月利上げもあり得る」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円99円台半ばから→100円台半ばまで反発
    8/18 グリーンスパン・元FRB議長 「金利は上昇し始めるはずで、そうなった場合は、その速さで我々を驚かせる可能性がある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
    8/18 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「より早期の利上げ開始が一段と円滑で緩やかな正常化プロセスを可能にするだろう」講演で。 株価が下落し、債券も売られる
    8/24 カプラン・ダラス連銀総裁 「労働市場の改善などが続けば、利上げが適切だ。タイミングは明示しないが、利上げの時期は近づいている」日経新聞とのインタビューで。 --------
    8/25 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「米経済は完全雇用に近づいており、インフレは当局の目標に向って上昇してる。利上げは正当化されると」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
    8/26 イエレン・FRB議長 「労働市場の堅調さが続いていることや、経済活動とインフレに対する当局の見通しを考慮すると、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠はここ数カ月で強まったと考えられる」ジャクソンホールでの講演で。 ドル円100円台前半から→101円台後半に
    8/30 フィッシャー・FRB副議長 「ぺースを選択することはできるが入ってくるデータに基づいて選ぶことになる」TV番組で。 ドル円102円台前半から→103円台に
    9/5 黒田・日銀総裁 「量、質、金利の部分で拡大は十分可能」講演で。 ドル円103円台後半から103円台半ばへ下落
    9/8 ドラギ・ECB総裁 「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台から1.13台へ。ドル円は101円台半ばから102円60銭まで上昇。
    9/9 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりむしろ短くなる可能性がある」講演で。 NYダウ394ドル下落し、長期金利は上昇。ドルも売られる。
    9/12 ブレイナード・FRB理事 「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」講演で。 ドル円下落。NYダウは急反発
    9/23 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかで段階的な引き締めを今開始すべきだと考えている。今それをしなければ回復の期間の長さや持続性をより大きなリスクにさらすと懸念するからだ」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和