今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年9月29日(木) 「OPEC減産合意」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は100円台半ばから後半で小動き。原油価格が急騰したにも関わらず動意はみられず、100円70銭近辺で取引を終える。
  • ユーロドルは前日とほぼ同じ水準で推移。1.12を挟み、上下どちらにも大きく動かず。
  • 株式市場は続伸。OPEC減産合意の報道でエネルギー株が買われ、ダウは110ドル上昇。
  • 債券相場は4日ぶりに反落。朝方は上昇していたがOPECの報道で午後軟調に。長期金利は1.57%へと上昇。
  • 金は反落。原油価格はOPECが8年ぶりの減産に合意したとの報道で大幅に反発。一時は6%上昇したが、引け値では前日比2ドル38セント高い47ドル5セント。

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    8月耐久財受注 → 0.0%
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    ドル/円 100.45 〜 100.81
    ユーロ/ドル 1.1187 〜 1.1237
    ユーロ/円 112.52 〜 113.05
    NYダウ +110.94 → 18,339.24ドル
    GOLD −6.70 → 1,323.70ドル
    WTI +2.38 → 47.05ドル
    米10年国債 +0.015 → 1.572%

    本日の注目イベント

    • 独 独9月雇用統計
    • 独 独9月消費者物価指数(速報値)
    • 欧 ユーロ圏9月景況感指数
    • 欧 ユーロ圏9月消費者信頼感(確報値)
    • 米 4−6月GDP(確定値)
    • 米 新規失業保険申請件数
    • 米 8月中古住宅販売成約指数
    • 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
    • 米 パウエル・FRB理事講
    • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
    • 米 イエレン・FRB議長講演
    • 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

    ドル円は100円台での膠着が続いています。昨日はNY市場の午後に「OPEC減産合意」のニュースが飛び込んできたにも関わらず、ドル円は動意をみせず100円台後半から動きません。101円台に乗せてもおかしくはない状況だったと思われましたが、市場参加者は攻めあぐねているようです。

    OPEC(石油輸出国機構)は28日、アルジェリアの首都アルジェで非公式会合を開き、8年ぶりの減産で合意しました。イランの石油相はOPECが原油生産を日量3250万―3300万バレルのレンジまで減らすことで合意したと発表しました。(ブルームバーグ)

    このニュースを受けて、WTI原油価格は大幅に上昇し、47ドル台に乗せています。また株式市場でもエネルギー株が大幅に買われ、ダウは110ドル上昇し、リスクオンの流れが強まりました。ただ為替市場での反応は限定的で、大きな影響は見られません。

    イエレンFRB議長が下院で証言を行い、現在の経済状況を見ると緩やかな利上げが求められると発言しましたが、為替はこちらにも反応していません。議長は緩やかな利上げが必要との認識を示しながらも、利上げにはあらかじめ決まったタイムテーブルはないと発言しています。また、「経済の過熱を容認すれば、金融当局が望むよりも早いペースで利上げせざるを得なくなる可能性がある」とも述べています。

    今月の会合で利上げ見送りを決めたFRBでしたが、これらの一連の発言は利上げを行いたくてもできない現在のFRBの立場を良く表していると思います。議長はFOMCの多くのメンバーも年内利上げを望んでいるとも改めて説明しており、それでも利上げを見送ったのは、労働市場以外の経済指標は依然としてまだら模様で、インフレの気配はどこにも見られないことが背景かと思われます。年内のFOMCは11月と12月の2回を残すのみとなっています。11月は会合の1週間後に大統領選が控えていることから、政策変更を行いにくいという事情もあり、12月の会合での利上げはほぼ確実といった状況です。もっとも、そのころになると、年内利上げよりも2017年に何回利上げできるのかということが焦点になろうかと思います。

    本日は日本株も堅調に推移しそうです。本欄執筆時に、ドルは既にNYの高値を抜き100円台後半に迫っています。予想レンジは100円50銭〜101円50銭程度と見ています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 --------
    8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 --------
    8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 --------
    8/11 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「緩和策を解除する緩やかな軌道、アクセルの踏み込み具合を極めてゆっくりと緩めることが適切だ」ワシントンポストとのインタビューで。 --------
    8/16 ダドリー・NY連銀総裁 「追加利上げが適切となる時期がじわじわと近づいている」「9月利上げもあり得る」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円99円台半ばから→100円台半ばまで反発
    8/18 グリーンスパン・元FRB議長 「金利は上昇し始めるはずで、そうなった場合は、その速さで我々を驚かせる可能性がある」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
    8/18 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「より早期の利上げ開始が一段と円滑で緩やかな正常化プロセスを可能にするだろう」講演で。 株価が下落し、債券も売られる
    8/24 カプラン・ダラス連銀総裁 「労働市場の改善などが続けば、利上げが適切だ。タイミングは明示しないが、利上げの時期は近づいている」日経新聞とのインタビューで。 --------
    8/25 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「米経済は完全雇用に近づいており、インフレは当局の目標に向って上昇してる。利上げは正当化されると」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
    8/26 イエレン・FRB議長 「労働市場の堅調さが続いていることや、経済活動とインフレに対する当局の見通しを考慮すると、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠はここ数カ月で強まったと考えられる」ジャクソンホールでの講演で。 ドル円100円台前半から→101円台後半に
    8/30 フィッシャー・FRB副議長 「ぺースを選択することはできるが入ってくるデータに基づいて選ぶことになる」TV番組で。 ドル円102円台前半から→103円台に
    9/5 黒田・日銀総裁 「量、質、金利の部分で拡大は十分可能」講演で。 ドル円103円台後半から103円台半ばへ下落
    9/8 ドラギ・ECB総裁 「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台から1.13台へ。ドル円は101円台半ばから102円60銭まで上昇。
    9/9 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりむしろ短くなる可能性がある」講演で。 NYダウ394ドル下落し、長期金利は上昇。ドルも売られる。
    9/12 ブレイナード・FRB理事 「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」講演で。 ドル円下落。NYダウは急反発
    9/23 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかで段階的な引き締めを今開始すべきだと考えている。今それをしなければ回復の期間の長さや持続性をより大きなリスクにさらすと懸念するからだ」講演で。 --------
    9/28 イエレン・FRB議長 「利上げにはあらかじめ決まったタイムテーブルはない」下院で証言で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和