今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年10月14日(金) 「中国リスク広がりドル円反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京市場で104円台半ばを抜けたドル円だったが、中国の貿易が減少していることから円が買われる展開に。NYでは103円台半ばを挟んでもみ合う。
  • ユーロドルは1.10台を割り込めず反発。1.1058までユーロが買われ、ECBのテーパリングも意識される。
  • 株式市場は下落。中国の9月の輸出が減少したことでが世界経済の鈍化につながるとの懸念からダウは朝方には大きく下げたが45ドル安で取引を終える。
  • 債券相場は反発。株価が下落し、中国リスクも意識されたことから買い物を集める。長期金利は小幅に低下。
  • 金は反発し、原油も50ドル台を維持。

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     新規失業保険申請件数 → 24.6万件
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    ドル/円 103.34 〜 103.88
    ユーロ/ドル 1.1020 〜 1.1058
    ユーロ/円 113.91 〜 114.67
    NYダウ −45.26 → 18,098.94ドル
    GOLD +3.80 → 1,257.60ドル
    WTI +0.26 → 50.44ドル
    米10年国債 −0.028 → 1.741%

    本日の注目イベント

    • 中 中国 9月消費者物価指数
    • 中 中国 9月生産者物価指数
    • 欧 ユーロ圏8月貿易収支
    • 米 9月小売売上高
    • 米 9月生産者物価指数
    • 米 10月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
    • 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
    • 米 イエレン・FRB議長講演
    • 米 企業決算 → JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、シティーグループ

    昨日の東京市場では朝方、株価の上昇に伴ってドルが買われ、ドル円は日足の「120日」線を上抜けし、104円63銭まで上昇しました。「雲」の上限も抜き、予想通りドル高が進んだところまでは良かったですが、中国の貿易収支が発表されると流れは一変しました。

    久しぶりに中国リスクが意識され、ドル円は高値から約1円も押し戻されました。この流れはNYまで引き継がれ、NYでは103円台前半まで円が買われています。9月の中国貿易収支では、輸出が予想外に落ち込み、これが世界景気の鈍化を示唆するものではないかとの懸念が広がりました。このところ為替市場では中国リスクは圏外でしたが、再び意識され材料になった感もあります。

    ドル円は104円台半ばを超えましたが、これまでの動きはややスピード感もあったため、昨日の下落は上昇も一服し「調整」と見ることもできます。足元では102−105円のレンジかと思いますが、依然としてテクニカルではドル高を示していると思われます。ドル高に弾みがつこうとした矢先に、中国リスクが水をさした格好です。

    フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、昨日講演で利上げについて「私は比較的早期が適切だと思う。どの会合も対象から外すべきではないと考えているが、われわれが直面している一部リスクについて懸念している」と述べ、11月8日に行われる大統領選を、暗に指摘していると思われる発言をしました。選挙日が近づくにつれ、どちらが大統領に就任するのかを巡り、相場の波乱材料になりそうです。

    本日は米国の利上げ時期が注目される中、イエレン議長の講演があります。11月利上げはないとしても、12月利上げに向けタカ派的な発言があるかもしれません。昨日発表された週間失業保険申請件数も、42年ぶりの低水準で好調な労働市場を示唆していました。また、本日は米大手銀行の決算発表もあります。今週火曜日には、アルミ大手アルコアの決算が下振れしたことで、企業決算に対する懸念が広がり、株価が大きく下落した経緯もありました。こちらにも注意が必要です。予想レンジは103円〜104円程度とします。


    米大統領選は第2回のテレビ討論を終え、中傷合戦がさらにエスカレートしています。もともと「史上最低のディベートだ」と言われてきましたが、それでもどちらかが第45代アメリカ大統領になります。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/5 黒田・日銀総裁 「量、質、金利の部分で拡大は十分可能」講演で。 ドル円103円台後半から103円台半ばへ下落
    9/8 ドラギ・ECB総裁 「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台から1.13台へ。ドル円は101円台半ばから102円60銭まで上昇。
    9/9 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりむしろ短くなる可能性がある」講演で。 NYダウ394ドル下落し、長期金利は上昇。ドルも売られる。
    9/12 ブレイナード・FRB理事 「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」講演で。 ドル円下落。NYダウは急反発
    9/23 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかで段階的な引き締めを今開始すべきだと考えている。今それをしなければ回復の期間の長さや持続性をより大きなリスクにさらすと懸念するからだ」講演で。 --------
    9/28 イエレン・FRB議長 「利上げにはあらかじめ決まったタイムテーブルはない」下院で証言で。 --------
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和