今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年10月19日(水) 「ドル円104円を挟んでもみ合い」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はCPIの結果に反応し104円台前半まで上昇したものの続かず。その後は長期金利の低下に103円台後半まで押され、前日と同じ水準で取引を終える。
  • ユーロドルは引き続きECBの理事会待ちの中、1.10を挟んで小動き。
  • 株式市場は反発。企業決算が良かったことで、金融株やヘルスケア関連が上昇。ダウは75ドル値上がりし、他の指数も揃って上昇。
  • 債券相場は続伸。CPIではコアインフレ率の伸びが予想を下回ったことから買いが優勢に。長期金利は1.73%台へ低下。
  • 金は続伸。原油はOPEC高官が減産合意に楽観的な見通しを示したことで買われ50ドル台を回復。

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    9月消費者物価指数 → +0.3%
    10月NAHB住宅市場指数 → 63
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    ドル/円 103.74 〜 104.20
    ユーロ/ドル 1.0970 〜 1.1014
    ユーロ/円 113.99 〜 114.45
    NYダウ +75.54 → 18,161.94ドル
    GOLD +6.30 → 1,262.90ドル
    WTI +0.35 →50.29ドル
    米10年国債 −0.028 → 1.738%

    本日の注目イベント

    • 中 中国 7−9月GDP
    • 中 中国 9月小売売上高
    • 中 中国 9月鉱工業生産
    • 英 英9月雇用統計
    • 米 9月住宅着工件数
    • 米 9月建設許可件数
    • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
    • 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
    • 米 大統領候補の第3回テレビ討論会(ラスベガス)
    • 米 企業決算 → モルガンスタンレー、アメックス、eベイ
    • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
    • 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
    • 加 カナダ中銀政策金利発表

    ドル円は東京時間にも104円台に乗せる場面があったものの勢いはなく、NY時間にも消費者物価指数の結果に反応し再び104円台を回復したものの、104円20銭を頭に反落し、昨日と同水準で戻って来ました。昨日一日を観ても、下値では底堅い動きを見せるものの、104円台半ばが意識され、ここを抜けるにはもう一つドル高材料が必要なようです。

    昨日のNY市場ではゴールドマンなど、企業決算が良好で、これが株価の上昇に寄与したことで104円台を見ることができましたが、それでも後が続きません。もっとも、NYダウにしても先週からは上げ下げを規則正しく繰り返しており、明確な方向性はありません。この傾向は日本株でも同様で、ドル円をここから押し上げるには、株価の一段の上昇も不可欠かと思われます。

    本日は大統領候補の最後のテレビ討論がラスベガスで行われます。クリントン氏優勢の中で、追い詰められたトランプ氏が最後の賭けに出るのかどうかが見ものです。中傷合戦に終始する大統領候補のディベート内容に、米国民の間では「もやは、ショーを観ているようなものだ」という声もあがっており、オバマ大統領もトランプ氏のクリントン氏への批判や姿勢に対して「前代未聞」だとし、「投票が行われてもいない段階で、選挙や選挙プロセスの信頼性を傷つけようとする大統領候補など私の人生の中でも、近代政治史においても見たことがない」と述べていました。(ブルームバーグ)大統領選については既に結果が見えているように思いますが、「窮鼠猫をかむ」ということわざもあります。どのような反撃に出るのか注目したいと思います。

    ドル円は昨日とほぼ同水準で推移しています。水準が変わらないということで、実需の売り買いも出にくいと観られます。従って、特段材料がなければ東京時間では静かな展開が予想されますが、注意したいのは中国の経済指標です。とりわけ11時に発表される7−9月期のGDPです。予想は4−6月期と同じ6.7%と見られていますが、これを下回るようだと、先週貿易収支の発表後のように一気に1円も下落するような事態も予想されます。

    レンジは103円30銭〜104円30銭程度と見ますが、上述のように、中国の経済指標が上下に大きくブレるようだと、この予想レンジを抜けることもあり得ます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/5 黒田・日銀総裁 「量、質、金利の部分で拡大は十分可能」講演で。 ドル円103円台後半から103円台半ばへ下落
    9/8 ドラギ・ECB総裁 「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台から1.13台へ。ドル円は101円台半ばから102円60銭まで上昇。
    9/9 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりむしろ短くなる可能性がある」講演で。 NYダウ394ドル下落し、長期金利は上昇。ドルも売られる。
    9/12 ブレイナード・FRB理事 「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」講演で。 ドル円下落。NYダウは急反発
    9/23 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかで段階的な引き締めを今開始すべきだと考えている。今それをしなければ回復の期間の長さや持続性をより大きなリスクにさらすと懸念するからだ」講演で。 --------
    9/28 イエレン・FRB議長 「利上げにはあらかじめ決まったタイムテーブルはない」下院で証言で。 --------
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
    10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和