今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年10月25日(火) 「ドル円再び104円台半ばに」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は104円台を回復。株価の上昇と長期金利の上昇がドルを支えた。ドル円は104円32銭まで買われ、再び104円台半ばを試す展開か。
  • ユーロドルは1.08台後半でもみ合い。ショート筋の買い戻しや、ユーロ圏の総合PMIがユーロ買いにつながった。
  • 株式市場は揃って上昇。大型のM&Aが相次ぎ、楽観的な見方が広がる。ダウは77ドル上昇。
  • 債券相場は反落。10月の製造業PMIが予想を上回ったことが債券売りを誘った。長期金利は1.76%台まで上昇。
  • 金、原油は共に小反落。

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    マークイット10月製造業PMI → 53.2
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    ドル/円 103.91 〜 104.32
    ユーロ/ドル 1.0870 〜 1.0898
    ユーロ/円 113.14 〜 113.58
    NYダウ +77.32 → 18,223.03ドル
    GOLD −4.00 → 1,263.70ドル
    WTI −0.33 →50.52ドル
    米10年国債 +0.030 → 1.765%

    本日の注目イベント

    • 独 独10月IFO景況指数
    • 欧 ドラギ・ECB総裁講演
    • 米 8月FHFA住宅価格指数
    • 米 8月ケース・シラ−住宅価格指数
    • 米 10月消費者信頼感指数
    • 米 10月リッチモンド連銀製造業指数
    • 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
    • 米 企業決算 → キャタピラー、P&G,3M,アップル

    ドル円は再び104円台を回復し、NY市場では104円32銭までドル高が進みました。103円台半ばから上では、ドルが底固い動きを見せ、上値の重いことはわかっていながらも、上値を試す展開です。昨日は、マークイット製造業PMIが「53.2」と、1年ぶりの高水準だったことで年内利上げの可能性が高まり、ドルが買われたものです。セントルイス連銀のブラード総裁も、利上げに関して言及しています。

    総裁は、差し迫った利上げの必要性はないとしながらも、「12月会合が最も可能性の高い時となる」と語っています。(ブルームバーグ)この発言自体は市場への影響はそれほどなかったものの、金利先物市場から推計する12月の利上げ確率は70%になっており、徐々に利上げを織り込んでいます。

    また、シカゴ連銀のエバンス総裁は「来年末までに3回の利上げを見込む」と述べており、来年の利上げ回数にまで言及し始めていることには注意が必要です。今朝の東京市場はどうやら、104円台で始まりそうです。これまでにも何度か指摘してきましたが、そうなると、これまで上値を抑えてきた「120日移動平均線」を上抜けすることになります。「日足の雲と120日線」をしっかりと抜ければ、あとは心理的な節目の「105円」が次のターゲットになります。仮にこの水準に到達しても、恐らく初回では抵抗され一気に抜けることはないと思われますが、そこを抜けるとストップのドル買いも控えていることは理解しておくべきでしょう。

    日本株も1万7000円の大台を維持しており、この水準を値固めしているようにも見受けられます。株価とドル円の相関度がやや薄れてきていましたが、今後株高ドル高が足並みを揃えて同時に進行することも考えられます。先ずは本日、東京時間で104円を維持して海外市場に引き継げるかどうかに注目します。東京市場では輸出企業のドル売り意欲が依然として旺盛かと思われますが、それを吸収するドル買いがあるかどうかです。

    また、ユーロドルではドル高ユーロ安がかなり進んできたことも追い風です。ドルに対して同じような動きをすると見れば、ドル買い円売りの流れが想定されます。もっとも、ユーロドルだけが下落して、ドル円が水準を変えないことも考えられますが、そうなるとユーロ円が相当下げることになります。

    本日の予想レンジは103円80銭〜104円80銭程度を見ています。104円台半ばを抜けるかどうかも、重要なポイントになります。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/5 黒田・日銀総裁 「量、質、金利の部分で拡大は十分可能」講演で。 ドル円103円台後半から103円台半ばへ下落
    9/8 ドラギ・ECB総裁 「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台から1.13台へ。ドル円は101円台半ばから102円60銭まで上昇。
    9/9 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりむしろ短くなる可能性がある」講演で。 NYダウ394ドル下落し、長期金利は上昇。ドルも売られる。
    9/12 ブレイナード・FRB理事 「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」講演で。 ドル円下落。NYダウは急反発
    9/23 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかで段階的な引き締めを今開始すべきだと考えている。今それをしなければ回復の期間の長さや持続性をより大きなリスクにさらすと懸念するからだ」講演で。 --------
    9/28 イエレン・FRB議長 「利上げにはあらかじめ決まったタイムテーブルはない」下院で証言で。 --------
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
    10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 --------
    10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。
    10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 --------
    10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和