今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年10月27日(木) 「ドル円再び104円台後半を試す」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は再び上昇し104円62銭までドル高が進むも、105円には届かず。米長期金利が上昇し、住宅関連指数が良好だったことからドルが買われた。
  • ユーロドルは独IFO景況指数が上振れしたことやユーロ圏PMIが良好だったことで買い戻しが先行。1.09台半ばまでユーロ高が進む。
  • 株式市場はまちまち。金融株が買われたが不動産株が下落。ダウは30ドル上昇したものの、ナスダックはアップル株が売られたことで33ポイント下落。
  • 債券相場は反落。サービス業PMIが良好だったことに反応。長期金利は10日ぶりに1.80%近辺まで上昇。
  • 金は反落。原油価格は在庫が予想外に減少したことで買われ、50ドル台を回復する場面もあったが続かず。引け値では前日比78セント下げ、49ドル台前半に。

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    9月新築住宅販売件数 → 59.3万件
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    ドル/円 104.07 〜 104.62
    ユーロ/ドル 1.0900 〜 1.0947
    ユーロ/円 113.82 〜 114.04
    NYダウ +30.06 → 18,199.33ドル
    GOLD −7.00 → 1,266.60ドル
    WTI −0.78 → 49.18ドル
    米10年国債 +0.037 → 1.793%

    本日の注目イベント

    • 欧 ユーロ圏9月マネーサプライ
    • 英 英7−9月期GDP(速報値)
    • 米 新規失業保険申請件数
    • 米 9月耐久財受注
    • 米 9月中古住宅販売成約指数
    • 米 企業決算 → ツイッター、アルファベット、アマゾン

    昨日の東京時間は値幅も出ず、終始上値の重い展開でしたが、NY市場では再び上値を試し、104円62銭までドル高が進みました。それでも104円台後半まで上昇する勢いはなく、下値が堅いだけに、方向感に欠ける展開でした。

    昨日一日を見渡すと、結局104円台は一度も割り込まずに反発しています。104円台半ばから上値も重いため、投資家は「ドルが底堅いのか、ドルの上値が重いのか」判断に迷うところです。筆者はテクニカルを基本としていることから、ドルが上昇すると予想していますが、今朝の経済紙などは、むしろドルが再び100円を割りこむ可能性が高いといった論調でした。

    ドルが100円割れを目指すという根拠には、米国の利上げの限界を挙げています。12月のFOMCでは今年最初の利上げの可能性が高いと思われますが、そのペースは続かず、来年はせいぜい1回止まりという見立てです。確かに、今年も当初4回と見られていた利上げが、いまだにゼロで、これがドル円を100円以下にまで下押しした理由の一つですから、もし来年も利上げが1回だとしたら、やはりドルが下落する可能性は高いのかもしれません。

    ただこれはあくまでも、足元の景気をベースに予想しているだけで、米景気の力強さを過小評価している面もあります。日米欧で、米国が頭一つ抜けていることは論を待ちません。

    ドル円は前日に続き104円台半ばをテストしているところです。先日も述べましたが、104円台半ばから105円にかけてはドル売りが出やすい水準です。ただこれも何回かテストしているうちに消化され、次第に売りが後退して行きます。為替担当者も104円50銭で一度ドル売りの手当てをしてしまえば、今度はもう一段上のレートで売りたいと思うのが人情です。何度か同じ水準を試すと、売りが引いてしまうことは良く見られる現象です。従って、104円半ばを超え、105円をテストできるかどうかが目先の重要な鍵となります。

    ドル円は104円台を徐々に値固めしているところですが、本日も上記レベルでどの程度のドル売りが控えているのかに注目です。104円台半ばで推移していることから、余程のドル売り材料が出ない限り東京時間では104台を維持して海外市場に引き継ぐと見ています。NYではアルファベット(グーグル)の決算発表が最大の注目を集めそうです。昨日はアップルの決算が失望を誘い、ナスダック指数を圧迫した経緯があります。好決算が発表されれば市場全体のムードが好転します。予想レンジは104円〜105円程度にしたいと思います。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/5 黒田・日銀総裁 「量、質、金利の部分で拡大は十分可能」講演で。 ドル円103円台後半から103円台半ばへ下落
    9/8 ドラギ・ECB総裁 「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台から1.13台へ。ドル円は101円台半ばから102円60銭まで上昇。
    9/9 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりむしろ短くなる可能性がある」講演で。 NYダウ394ドル下落し、長期金利は上昇。ドルも売られる。
    9/12 ブレイナード・FRB理事 「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」講演で。 ドル円下落。NYダウは急反発
    9/23 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかで段階的な引き締めを今開始すべきだと考えている。今それをしなければ回復の期間の長さや持続性をより大きなリスクにさらすと懸念するからだ」講演で。 --------
    9/28 イエレン・FRB議長 「利上げにはあらかじめ決まったタイムテーブルはない」下院で証言で。 --------
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
    10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 --------
    10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。
    10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 --------
    10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和