2016年10月28日(金) 「ドル円105円台に乗せる」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続伸し、節目の105円を抜き105円35銭まで上昇。株価は下げたものの長期金利が急騰し、これがドルを支えた。
- ユーロドルも小幅に上昇。ドイツ銀行の決算が黒字だったことから、ドイツの長期金利が上昇し、ユーロ買いに繋がった。
- 株式市場は反落。利上げ観測が重石となり、企業決算はそこそこだったにも関わらず、ダウは29ドル下落。
- 債券相場は大幅に続落。失業保険申請件数などが良好だったことや、欧州で金利が上昇したことから売りが優勢に。長期金利は約5カ月ぶりに1.85%台まで上昇。
- 金と原油は小幅ながら上昇。
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新規失業保険申請件数 → 25.8万件
9月耐久財受注 → +0.2%
9月中古住宅販売成約指数 → +1.5%
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ドル/円 104.64 〜 105.35 ユーロ/ドル 1.0883 〜 1.0942 ユーロ/円 114.29 〜 114.86 NYダウ −29.65 → 18,169.68ドル GOLD +2.90 → 1,269.50ドル WTI +0.54 → 49.72ドル 米10年国債 +0.060 → 1.854% 本日の注目イベント
- 豪 豪第3四半期生産者物価指数
- 日 9月消費者物価指数
- 日 9月失業率
- 独 独10月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏10月景況感指数
- 欧 企業決算 → UBS、BNPパリバ、RBS
- 米 7−9月GDP(速報値)
- 米 10月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)
- 米 企業決算 → エクソンモービル、マスターカード
「テクニカルの勝利」と言ってもいいでしょう。ドル円は節目の105円を抜き、一時は105円35銭までドルが買われ、約3ヶ月ぶりのドル高水準を記録しました。昨日のこの欄でも触れましたが、一部には米利上げの限界を見越して、ドル円が再び円高方向に進むとの観測もありましたが、テクニカルでは「ドル高を示唆」していることを指摘しました。現時点ではてテクニカルが勝ったと言ってもいいと思います。
NY市場では105円をあっさり抜け105円35銭までドルが買われ、ほぼこの日の高値圏で取引を終えています。株価は下げたものの、ドル買いのドライバーとなったのは、米金利の上昇でした。昨日決算発表のあったドイツ銀行が、予想外の黒字を確保したことで市場に安心感が広がり、米長期金利は1.85%台まで上昇しました。日米金利差の拡大が、円を売ってドルを買うという行動につながりドルを押し上げました。米長期金利は約5カ月ぶりの高水準です。本日発表の第3四半期GDPも2.6%と予想され、米景気の拡大を見越している部分もあったようです。
ドル円は105円の壁をあっさり越えたことで、これまでの100円―105円のレンジは上昇修正されたと思います。恐らく102円−107円のレンジか、103円―108円のレンジを形成するのではないかと予想します。ただ、節目を越えたからといって、このままドルが上昇し続けるかどうかは不明です。
NYの株価が不安定なことがその一因として挙げられます。NY株式市場は、代表的な株価指数であるダウやS&P500がここ数カ月ほぼ横ばいか下落で推移しています。もちろん「利上げ」が材料になっていることは理解できますが、良好な企業決算のわりには株価が上がりません。株価の上昇は「リスクオン」の象徴で、そうなると本格的に安全通貨の円は売られることになります。足元ではドルが上昇してはいますが、まだ手放しでドルを買えばいいとうステージには到達していないと見ています。
それでも今後のスタンスはドルが下げたところでは拾っておくべきでしょう。100円割れのリスクはかなり遠のいたと見られます。出遅れ感の強い日経平均株価もようやく上昇傾向を強めています。昨日東証が発表した資料では、外人投資家は3週連続で買い越しに転じていました。彼らは、株価と為替の両方で利益を取れるチャンスが来たと見立てているのかも知れません。本日の予想レンジは104円70銭〜105円70銭程度にしたいと思います。米GDPの結果次第では、さらに上下どちらにも振れが大きくなる可能性もあります。
9月の金融政策決定会合で、日銀が長期金利をゼロ%程度に誘導すると決めてから1カ月以上が経過しました。長期金利をコントロールするという異例の政策に打って出たわけですが、足元の金利水準はマイナス0.05%程度で推移しています。問題は、それ以降値動きがほぼ固定されてしまったことです。10月の値幅はマイナス0.073%〜マイナス0.048%と、わずか0.025%です。当然ですが、これでは債券トレーダーも腕の見せどころがありません。外資系の中には債券部門の縮小を決めたところもあるようですが、債券トレーダーはお互いに情報を交換しながら、戦々恐々としているとか。こんなところにも金融政策の影響が出ているようです。良い週末を・・・・・。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 9/5 黒田・日銀総裁 「量、質、金利の部分で拡大は十分可能」講演で。 ドル円103円台後半から103円台半ばへ下落 9/8 ドラギ・ECB総裁 「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台から1.13台へ。ドル円は101円台半ばから102円60銭まで上昇。 9/9 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりむしろ短くなる可能性がある」講演で。 NYダウ394ドル下落し、長期金利は上昇。ドルも売られる。 9/12 ブレイナード・FRB理事 「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」講演で。 ドル円下落。NYダウは急反発 9/23 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかで段階的な引き締めを今開始すべきだと考えている。今それをしなければ回復の期間の長さや持続性をより大きなリスクにさらすと懸念するからだ」講演で。 -------- 9/28 イエレン・FRB議長 「利上げにはあらかじめ決まったタイムテーブルはない」下院で証言で。 -------- 10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。 10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。 10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。 10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 -------- 10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。 10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 -------- 10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 --------



