今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年10月31日(月) 「ドル円105円台半ばから反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はGDP速報値が2.9%だったことで上昇し、105円54銭までドル高が進む。その後、FBIがクリントン大統領候補のメール問題を再調査するとの報道でドルが急落し104円台半ばまで売られる。
  • ユーロドルは緩やかに続伸。1.0992まで買われ、1週間ぶりのユーロ高水準に。
  • 株式市場は、朝方は上昇したもののクリントン候補のメール問題で反落。ダウは8ドル下げ、その他の指数も揃って下落。
  • 債券相場は小幅に反発。GDPを受けて一時は1.87%台まで上昇したが、引け値では1.84%まで低下。
  • 金は続伸し1276ドル台に。原油も売られ48ドル台後半に。

    ******************************
    7−9月GDP(速報値)   → 2.9%
    10月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) → 87.2
    ******************************
    ドル/円 104.47 〜 105.54
    ユーロ/ドル 1.0912 〜 1.0992
    ユーロ/円 114.77 〜 115.32
    NYダウ −8.49 → 18,161.19ドル
    GOLD +7.30 → 1,276.80ドル
    WTI −1.02 → 48.70ドル
    米10年国債 −0.007 → 1.847%

    本日の注目イベント

    • 日 9月鉱工業生産
    • 欧 ユーロ圏7−9月期GDP(速報値)
    • 欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(速報値)
    • 英 英9月消費者信用残高
    • 米 9月個人所得
    • 米 9月個人支出
    • 米 9月PCEコアデフレーター
    • 米 10月シカゴ購買部協会景気指数

    米第3四半期GDPは市場予想を大きく超える2.9%でした。GDPの上振れを好感して発表直後には株価が上昇し、長期金利も上昇。ドル円は一時105円台半ばまでドル高が進みましたが、その後の思わぬニュースが「リスクオン」を後退させました。

    FBIがクリントン候補が国務長官時代に私的な電子メールを使っていた問題を巡り捜査を再開したとのニュ−スです。来月8日の大統領選では3回の公開テレビ討論会を経て、市場はほぼクリントン大統領をイメージしていましたが、FBIの捜査再開で不透明感が漂い始め、安全資産が買い戻されています。ブルームバーグによると、クリントン候補はこの問題に対して「不正行為はないと確信している」とのコメントを発表しています。

    ドル円は9月初旬の100円08銭を底値に、約5円50銭もドル高が進みました。テクニカルでは「ダブルボトム」というより、100円近辺からは「トリプルボトム」を形成し上昇してきました。この間、シカゴ先物市場における投機筋も「円買いドル売り」ポジションを大きく縮小させています。上記クリントン候補のメール問題で一旦ドルが売られていますが、ここはFIBの捜査の進展を見極めるしかありません。クリントン氏が自ら述べているように不正がないとしたら、やはりドルが買われる展開が見込めると思われます。いずれにしても、今回の大統領選ではどちらが大統領になったとしても、後味の悪さが残る、ある意味歴史的な大統領選になるようです。

    GDP2.9%はややサプライズでした。この数字はここ2年で最大の伸びとなりましたが、その内訳を見ると在庫の伸びと、大豆の輸出増加が反映されたものでした。(ブルームバーグ)米GDPの7割以上は個人消費が占めていると言われていますが、その個人消費は2.1%増と、前期の4.3%増に比べると減速しており、個人消費は依然として盛り上がりに欠けることが分かります。

    大統領選を巡る不透明感がやや増してきましたが、それでもクリントン氏有利の状況は変わらないと思いますが、仮に共和党候補がトランプ氏でなかったら、結果はさらに読みにくい状況になっていた可能性もあります。今後は米長期金利の行方も重要なポイントになってくると思われますが、長期金利は上昇傾向にあります。ドル円は105円台半ばまで上昇したことから、103円〜108円のレンジに入ったのではないかと思われます。本日の予想レンジは104円〜105円程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/5 黒田・日銀総裁 「量、質、金利の部分で拡大は十分可能」講演で。 ドル円103円台後半から103円台半ばへ下落
    9/8 ドラギ・ECB総裁 「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台から1.13台へ。ドル円は101円台半ばから102円60銭まで上昇。
    9/9 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりむしろ短くなる可能性がある」講演で。 NYダウ394ドル下落し、長期金利は上昇。ドルも売られる。
    9/12 ブレイナード・FRB理事 「先制的に政策を引き締める論拠は弱まっている」講演で。 ドル円下落。NYダウは急反発
    9/23 ローゼングレン・ブストン連銀総裁 「緩やかで段階的な引き締めを今開始すべきだと考えている。今それをしなければ回復の期間の長さや持続性をより大きなリスクにさらすと懸念するからだ」講演で。 --------
    9/28 イエレン・FRB議長 「利上げにはあらかじめ決まったタイムテーブルはない」下院で証言で。 --------
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
    10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 --------
    10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。
    10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 --------
    10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和