今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年11月2日(水) 「ドル円103円台に急落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は105円近辺から一気に104円を割り込み、103円80銭まで下落。ABCとワシントンポスト紙が大統領選でトランプ氏がリードしていると報じたことがきっかけ。
  • ユーロドルも上昇。1.10台を回復し、1.1069までユーロ高が進む。
  • 大統領選への懸念が強まり、ダウは一時200ドルを超える下落。引け値では1万8000ドルを維持したが、前日比105ドル安。
  • 債券相場は上昇する場面があったものの、引けではほぼ変わらず。長期金利は1.82%台で小幅に上昇。
  • ドルが売られたことで金は大幅に上昇。原油は続落し1カ月ぶりの安値となる46ドル台半ばまで下落。

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    10月ISM製造業景況指数 → 51.9
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    ドル/円 103.80 〜 104.96
    ユーロ/ドル 1.1009 〜 1.1069
    ユーロ/円 114.89 〜 115.68
    NYダウ −105.32 → 18,037.10ドル
    GOLD +14.90 → 1,288.00ドル
    WTI −0.19 → 46.67ドル
    米10年国債 +0.002 → 1.827%

    本日の注目イベント

    • 豪 豪9月住宅建設許可
    • 日 10月マネタリーベース
    • 独 独10月雇用統計
    • 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
    • 米 10月ADP雇用者数
    • 米 FOMC 政策金利発表

    105円を挟んでもみ合っていたドル円は一気に104円台を割り込み、103円80銭までドル安が進みました。最大の懸念材料であった米大統領選の行方に暗雲が立ち込め、市場がひとまずリスク回避に動いたことが背景です。

    米ABCとワシントンポスト(WP)紙は、大統領選支持率の調査結果を発表し、その結果、トランプ氏に対する支持が46%で、クリントン氏の45%を僅かですが1ポイント上回ったことで、市場に動揺が広がりました。ABCとワシントンポストは投票に行く見込みの有権者1128人を対象に10月27−30日に電話インタビューで調査を実施したとあります。(ブルームバーグ)クリントン氏の私用メール問題で、FBIが再調査を行うと発表したのが10月28日でした。それまでは、クリントン氏が余裕をもって勝利すると見られていただけに、この問題でクリントン氏の支持率が急低下したことは明らかです。

    この報道を受け、安全資産の債券にはそれ程資金は向わなかったようですが、リスク資産の株が大きく売られ、ダウは一時200ドルを超える下げを見せました。それに伴い、安全通貨の円が買われ、ドル円は一気に103円台まで売られています。まさに「トランプショック」と言ってもいいと思いますが、今後のFBIの捜査次第では可能性はかなり低いとは思いますが、「Brexit」の再来をイメージする状況もあるかもしれません。

    ドル円の急落は、このところ上昇していたといっても105円台半ばでは上昇を抑えられ、105円台で一日の取引を終えたことがなかったことも、一旦ドルが下げたらドル売りが加速した力にもなったようです。テクニカルを見ると、昨日の下げはこれまで上値を抑えていた「120日線」で下げ止まっています。これまでの抵抗線は一旦上抜けすると、今度は支持線として機能する傾向があります。昨日の下落もこのレベルで止められており、テクニカルが機能していると言えます。仮にこの水準を割り込んだとしたら、次は雲の上限である103円50銭前後がサポートされると見ています。

    米大統領選で混乱がなければ、ドル円は緩やかに上昇すると予想していますが、上で述べたように、クリントン氏の私用メール問題が再度表面に出てからは、両者の支持率は拮抗しているはずです。既に期日前投票も始まっています。これで最後の最後までどちらが勝つかは、非常に不透明になってきました。6月24日にイギリスがEU離脱に関する国民投票を行った状況に酷似してきました。ブラックスワンに対する備えも、一部でも行っておいた方がいいのかもしれません。本日は、このところ堅調だった日本株も大きく下げるでしょう。予想レンジは103円40銭〜104円50銭程度と見ます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
    10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 --------
    10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。
    10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 --------
    10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和