今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年11月4日(金) 「ドル円102円台半ばまで下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は下値の節目を次々と抜き、昨日のアジア市場では102円55銭まで下落。NYでは株価の下落と、原油価格の下落もあり、102円88銭まで円高が進む。
  • ユーロドルもドル売りが進み、1.1120までユーロ高が進行。
  • 株式市場は続落。大統領選を前に警戒モードがさらに増し、ダウは6日続落し、S&P500は8日続落。
  • 債券相場はほぼ変わらず。長期金利は1.81%台と前日よりもやや上昇。
  • 金は反落。原油価格は世界的な供給過剰が一段と進むとの見方から続落し、44ドル台に。

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    新規失業保険申請件数 → 26.5万件
    10月ISM非製造業景況指数 → 54.8
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    ドル/円 102.88 〜 103.31
    ユーロ/ドル 1.1060 〜 1.1120
    ユーロ/円 113.96 〜 114.52
    NYダウ −28.97 → 17,930.67ドル
    GOLD −4.90 → 1,303.30ドル
    WTI −0.68 → 44.66ドル
    米10年国債 +0.009 → 1.812%

    本日の注目イベント

    • 豪 豪9月小売売上高
    • 豪 RBA四半期金融政策報告
    • 欧 ユーロ圏10月総合PMI(改定値)
    • 欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(改定値)
    • 欧 ユーロ圏9月生産者物価指数
    • 米 9月貿易収支
    • 米 10月雇用統計
    • 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
    • 米 フィッシャー・FRB副議長講演
    • 加 カナダ9月貿易収支
    • 加 カナダ10月失業率
    • 加 カナダ10月就業者数

    来週8日の大統領選を前に、市場は警戒モードに入ってきました。安全通貨の円が買われ、昨日は102円台半ばまで円高が進み、リスク資産の株は売られ、NYダウは6日続落し、節目の1万8000ドルを大きく割りこんでいます。またWTI原油価格も下値のサポートと見られていた45ドルを台を割り込んできました。クリントン氏の私用メール問題でFBIが再捜査を開始したことが予想外の波紋を広げ、投資家は「トランプ大統領誕生」に身構え始めています。

    本日は雇用統計が発表されるため、通常はここに焦点を当てたコメントをしていますが、今回は、もちろんその結果は為替相場に大きな影響を与えますが、それ以上に来週の大統領選の結果がその後の為替相場に大きく、さらに長く影響を与えることは想像に難くありません。今後のFBIの捜査の進展や、各種メディアの世論調査などからは目が離せません。

    昨日3日時点で、複数の世論調査の結果が発表されています。それによると、クリントン氏がトランプ氏を僅かながらリードしていることが明らかになっています。ブルームバーグによると、NYタイムズ紙とCBSがまとめた登録有権者を対象にした全米世論調査ではクリントン氏の支持率が45%、トランプ氏は42%で僅かながらクリントン氏リードを伝えています。ただ誤差率はプラスマイナス3ポイントということで、まだ逆転ということも考えられます。

    またワシントンポストとABCニュースの追跡調査では、クリントン氏が47%で、トランプ氏は45%とあり、その他、ラスムセン調査ではトランプ氏が3ポイントクリントン氏を上回っているとの報道もあります。これらから、どちらが勝っても僅差であり、開票が進んでも最後の最後まで接戦ということになると見られます。オバマ大統領は「私たちには、結果についてほのめかしたり、不完全な情報に基づいて捜査をしたりしない規範がある」と、FBIを非難する異例な発言をしています。ここは、「アメリカ人の良識」が勝つのか、あるいは「アメリカ人のフロンティア精神」が勝つのか、非常に難しい判断になります。この影響は、6月24日の英国のEUからの離脱を問うた国民投票よりもはるかに大きな影響を与えると見ています。

    昨日の朝方発表されたFOMC声明文では、12月利上げを示唆ながらも、「もう少し追加の確証を待つ」との文言が見られました。年内1回の利上げがメインシナリオですが、大統領選の結果も含み、判断材料が必要ということです。言い換えれば、もしトランプ氏が勝利した場合には利上げを見送る、と取れないこともありません。

    本日は再び日本株も売られ、リスクオフが先行する流れでしょう。ドル円も下値を試す展開が予想されます。昨日のドル円の下値である102円台半ばが目先のポイントです。ここを割り込むようだと、市場は本気でトランプ大統領を意識している証になりそうです。102円台前から101円台後半は、一度はドルを拾っておきたい水準かと考えていますが、これもトランプ大統領誕生の前には、単なるリスクにすぎなくなる可能性もあります。予想レンジは102円20銭〜103円70銭程度を見ています。


    1日の日銀会合では、予想通り政策変更はなかったものの、2%の物価上昇目標を2018年ごろに延長しました。3日付けの日経新聞朝刊の『春秋』では,黒田総裁の心境を、ちあきなおみの『喝采』の歌詞とかぶらせていました。「あれは3年前・・・・」 そう、2%の物価上昇をコミットしてからもう3年も経ったんです。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
    10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 --------
    10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。
    10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 --------
    10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 --------
    11/3 オバマ・大統領 「私たちには、結果についてほのめかしたり、不完全な情報に基づいて捜査をしたりしない規範がある」米ニュースサイトのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和