今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年11月8日(火) 「クリントン氏不起訴でNYダウ急騰」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • クリントン氏不起訴の報道で、ドル円は104円台まで急伸。東京市場では104円58銭まで上昇したが、NYでは上値が限られた。
  • ユーロドルでもドルが買われ、1.1027までユーロ安が進む。
  • 株式市場は大幅に反発。政治的リスクが後退したことからダウは371ドル上昇し、この日の高値引け。9営業日続落したS&P500も2.2%の上昇。
  • 債券相場は反落。リスク回避の流れが後退したことで売り物が優勢に。長期金利は1.82%台まで上昇。
  • ドルが反発したことで金は25ドルを超える大幅安。原油価格は反発。

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    10月労働市場情勢指数(LMCI) → +0.7
    9月消費者信用残高  → 192、92億ドル
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    ドル/円 104.25 〜 104.62
    ユーロ/ドル 1.1027 〜 1.1073
    ユーロ/円 115.26 〜 115.52
    NYダウ +371.32 → 18,259.60ドル
    GOLD -25.10 → 1,279.40ドル
    WTI +0.82 → 44.89ドル
    米10年国債 +0.050 → 1.826%

    本日の注目イベント

    • 日 10月景気動向指数
    • 中 中国 10月貿易収支
    • 独 独9月鉱工業生産
    • 独 独9月貿易収支
    • 英 英9月鉱工業生産
    • 米 大統領選挙、議会選挙(上院の3分の1と下院全議席)
    • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    • 加 カナダ9月住宅着工件数
    • 加 カナダ9月建設許可件数

    予想通りNY株式市場では株価が急反発し、ダウは先週末と比べて371ドル上昇し、この日の高値で取引を終了し、9日連続で下げていたS&P500も、前日比46ポイント上昇しました。一方ドル円の方は、東京時間で大きく上昇したせいもありますが、104円台前半から半ばの動きで、いま一つ精彩を欠いた展開でした。本日の大統領選を前に、結果を見る前に105円台乗せは「時期尚早」といったところでしょうか。

    クリントン氏不起訴のニュースは衝撃的でした。「なぜこのタイミングで」という疑問は残るにしても、これで市場を覆っていた暗雲が取り除かれ、あとは本日の大統領選を待つばかりとなりました。どちらが勝利するにしても、すっきりとはいかず、後味の悪さは残る今回の大統領選になります。違った意味で、歴史に残る大統領選になるのでしょう。

    FBIがクリントン氏の不起訴を決めたことで、俄然同氏が有利と見られます。今朝のブルームバーグ・ニュースによれば、複数のメディアがクリントン氏のリードを伝えています。ブル−ムバーグ・ポリティクスの調査では3ポイント、クリントン氏がリードし、NBCとウォールストリートジャーナル、ABCニュースとワシントンポストの調査では、やはり4ポイント、クリントン氏がリードしていると伝えています。また、NYタイムズ紙の予測モデルではクリントン氏の勝利が84%となっています。一部報道では、まだ結果は最後まで分からないとしてはいますが、このままだと米国初の女性大統領の誕生は近いと思われます。

    投票は米国時間8日に行われ、最後のアラスカ州の投票が締め切られるのが日本時間明日の午後3時となっています。従って、明日の昼前後には決着がついている可能性が高いと思われます。米国の大統領選挙は、ご存知のように各州に割り当てられ「選挙人」を何人獲得したかで決まります。しかも、その州で一人でも多くの「選挙人」を獲得したら、総取りできる、「ALL or NOTHING」という制度になっています。過半数である270人の選挙人を獲得したほうが、第45代米国大統領に就任することになります。

    市場は徐々にクリントン大統領を織り込み始めると思われます。開票結果は刻々、リアルタイムで発表されます。これは6月24日のイギリスの国民投票の時と同じように、ブルームバーグなど多くのメディアでは特別なサイトを設け、そこで開票結果をリアルタイムで伝えます。従って、結果が分かった時には既に為替が大きく動いていることになり、乗り遅れないように注意して下さい。ドル円がある程度上昇していた場合には、選挙結果後に利益確定のドル売りが出てくることも予想されます。この点にも注意が必要です。予想レンジはややワイドに見て、103円50銭〜105円20銭程度にしたいと思います。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
    10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 --------
    10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。
    10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 --------
    10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 --------
    11/3 オバマ・大統領 「私たちには、結果についてほのめかしたり、不完全な情報に基づいて捜査をしたりしない規範がある」米ニュースサイトのインタビューで。 --------
    11/4 フィッシャー・FRB副議長 「最近のデータを見ると、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジ引き上げの論拠が一段と強まったというのがわれわれの見立てだ」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和