今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年11月9日(水) 「クリントン勝利観測広がる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はクリントン氏の勝利を織り込む格好で上昇し、105円台を回復。株価と金利上昇を好感し、105円19銭までドル高が進み高値圏で引ける。
  • ユーロドルは1.10台前半から半ばで水準を変えず。ドル円が上昇した分ユーロ円は116円近辺まで続伸。
  • 株式市場は続伸。ダウは73ドル高で1万8300ドル台を回復。クリントン氏勝利の観測が広がる。
  • 債券相場は続落。長期金利は1.85%台まで上昇。
  • 金は続落し、原油は小幅に上昇。
    ドル/円 104.57 〜 105.19
    ユーロ/ドル 1.1009 〜 1.1054
    ユーロ/円 115.53 〜 115.99
    NYダウ +73.14 → 18,332.74ドル
    GOLD -4.90 → 1,274.50ドル
    WTI +0.09 → 44.98ドル
    米10年国債 +0.030 → 1.857%

    本日の注目イベント

    • 日 10月景気ウオッチャー調査
    • 日 9月貿易収支
    • 日 9月国際収支
    • 中 中国 10月消費者物価指数
    • 中 中国 10月生産者物価指数
    • 欧 欧州委員会、経済見通し発表
    • 英 英9月貿易収支
    • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
    • 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演

    いよいよ審判の日が来ました。第45代米国大統領を決める投票は順調に進んでいるようです。天候の方も、全米ではほぼ好天に恵まれ、投票率も期待できそうです。これまでに国務長官など、重要な職務を歴任し、政治経験は豊富でも私的メール問題で思わぬ墓穴を掘ってしまったクリントン候補か。あるいは歯に衣着せぬというより、言いたい放題の暴言をはなち、政治的手腕は未知数ながら、規制の政治概念を打ち破ろうとするトランプ候補になるのか、結果は本日の昼前後には判明しそうです。

    昨日のNY市場では、各金融市場がクリントン勝利を前提とした動きを見せています。ドル円は1週間ぶりに105円台を回復し、FBIがクリントン氏のメール問題で再捜査を開始するとの報道前の水準に戻って来ました。

    株価の方も、ダウは一時100ドルを超える上昇を見せ、引け値では73ドル高でしたが2日続伸し、債券市場も売られ金利が上昇しています。また金は続落し全体的に見れば、クリントン大統領誕生を予想し安心感が広がっている状況です。激戦区の11州での選挙人獲得数が勝敗を分けるといわれていますが、今朝のニュースでは、その激戦区のオハイオ州やフロリダ州でもクリントン氏が優位に立っていると報じています。

    ただこれから開票が進み、クリントン氏勝利の可能性が徐々に高まったとしても、ここからドル円がさらに106円台を大きく超えて上昇する可能性は低いと見ています。既に勝利を織り込んだ動きが出ていることと、クリントン氏でさえも、ドル高を望む政策には否定的だと見られているからです。

    もちろんこの状況でトランプ氏が勝利となれば、市場は大パニックになります。今朝の経済紙では、機関投資家などはこの「テールリスク」に備えて、株式市場でプットオプションを買っていると報じています。これは為替市場で言う、「リスクリバーサル」と同じです。現時点でのドル円3カ月ものの「リスクリバーサル」はマイナス2.72と今年6月以来となるマイナス水準になっています。やはり、トランプ勝利に備えていると見られます。

    上で述べたように、開票結果はリアルタイムで刻々伝えられます。クリントン勝利が近づくにつれドルが買われることも予想されますが、決まった瞬間にドルが売られる、いわゆる「バイ・オンルーマー、セル・オンニュース」の展開になることも考えられます。この辺りには十分注意が必要で、あまり深追いするのは避けたいところです。本日の予想レンジは104円30銭から105円80銭程度と見ますが、どちらも抜ける可能性はあります。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
    10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 --------
    10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。
    10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 --------
    10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 --------
    11/3 オバマ・大統領 「私たちには、結果についてほのめかしたり、不完全な情報に基づいて捜査をしたりしない規範がある」米ニュースサイトのインタビューで。 --------
    11/4 フィッシャー・FRB副議長 「最近のデータを見ると、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジ引き上げの論拠が一段と強まったというのがわれわれの見立てだ」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和