今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年11月29日(火) 「ドル円111円台に反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円の上昇は一服。長期金利が低下したことや株価の下落に伴いドル円は112円台後半から反落し、111円90銭前後までドル安に。
  • ユーロドルは1.05を中心にもみ合い。1. 06台前半まで買われたが、ドルが売られた割にはユーロ買いは続かず。
  • 株式市場は反落。大統領選後、3週間にわたって株価の上昇を牽引してきた金融株が売られた。ダウは54ドル下落したが原油価格の上昇が下支えに。
  • 債券相場は反発したが勢いはなく、売り方の買い戻しに過ぎないとの声も。長期金利は2.311%台に低下。
  • ドルが売られたことで金は反発。原油価格はOPEC総会で合意があるとの見方が強まり、47ドル台を回復。
    ドル/円 111.88 〜 112.75
    ユーロ/ドル 1.0565 〜 1.0618
    ユーロ/円 118.70 〜 119.33
    NYダウ −54.24 → 19,097.90ドル
    GOLD +12.40 → 1,190.80ドル
    WTI +1.02 → 47.08ドル
    米10年国債 −0.047 → 2.311%

    本日の注目イベント

    • 日 10月失業率
    • 独 独11月消費者物価指数(速報値)
    • 欧 ユーロ圏11月景況感指数
    • 米 7−9月GDP(改定値)
    • 米 11月消費者信頼感指数
    • 米 9月ケース・シラ−住宅価格指数
    • 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
    • 米 パウエル・FRB理事講演

    ドル円はようやく反落し、これまでの一本調子の上昇にブレイキがかかりました。それでも昨日の東京時間には一時111円35銭まで売られた後、海外市場では112円80銭辺りまで値を戻し、底値から1円50銭も値を戻すところを見ると、市場ではまだドル買い意欲が強いことが分かります。特に目立つのが海外勢の買いです。東京市場ではドルが売られても、海外時間に入るとあっさりと高値を更新する展開が続いています。

    昨日は、11月9日の大統領選後初めての調整場面だったと言えます。ドル円は先週113円90銭まで上昇しました。昨日の下落で高値から2円50銭程度の下落を見たことで、113円台から114円にかけてはやや高値警戒感も出て来た様に思います。もっとも、現時点ではまだ本格的な調整と言っていいのかどうかは分かりません。今回のトランプラリーでは上昇幅が大きかっただけに、もし今回の動きが「本格的な調整の始まり」であるなら、この程度の下落で収まるはずもありません。見極めなければならないのは、昨日の下落が単に上昇過程での一時的な下落なのか、それとも上で述べたように「本格的な調整の始まり」なのかどうかです。これは少なくとも、明日のOPEC総会の結果と、週末の雇用統計を見ないと判断できません。場合によっては、それでも判断しかねるかもしれません。

    足元の急激なドル高はやや行きすぎとの認識は維持しているものの、市場関係者の間でもドル先高観を強める意見と、そうではなく、いずれはドルが大きく反落すると予想する意見に分かれており、先行きを予想することの難しさを浮き彫りにしています。ブルームバーグによると、大手米銀は円がさらに安くなると予想し、フランス最大手のBNPパリバは、円が昨年6月につけた13年ぶりの安値の125円86銭よりも安くなると予想し、モルガンスタンレーにいたっては、2018年半ばまでに130円をつけると予想しています。

    一方で、現在のドル高はトランプ政権の良いところだけを先取りしており、トランプバブル崩壊後には100円を切る場面もあり得るとのUBSウェルスマネージメントの見方も紹介しています。個人的には、ドルは既に底を打っており、来年に向けては一段と上昇するイメージを維持しています。

    本日の動きはかなり重要な意味合いを持っていると考えています。昨日の東京市場で111円台前半までドル売りが進んだものの、海外では大きく反発し112円台後半まで上昇。上値を確認した後、再び111円台後半で帰ってきました。東京時間に昨日の水準まで再びドルが売られるのかどうかがポイントになりそうです。もし、111円台前半まで売られるようなら、今度は海外で111円割れも見られる可能性が出て来ると予想しています。本日のドル円は111円〜112円50銭程度を予想します。

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    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。
    10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。
    10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。
    10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 --------
    10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。
    10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 --------
    10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 --------
    11/3 オバマ・大統領 「私たちには、結果についてほのめかしたり、不完全な情報に基づいて捜査をしたりしない規範がある」米ニュースサイトのインタビューで。 --------
    11/4 フィッシャー・FRB副議長 「最近のデータを見ると、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジ引き上げの論拠が一段と強まったというのがわれわれの見立てだ」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和