2016年12月2日(金) 「ドル円114円台後半まで上昇後下落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 原油価格が51ドル台まで上昇し、長期金利も2.44%台まで上昇したことでドル円再び114円台後半まで買われた。ただ、その後は4日のイタリアでの国民投票に備え、ポジションを調整する動きから114円台前半まで押し戻される。
- ユーロドルは引き続き1.06を挟んだ展開。後場ドル安が進み1. 0669近辺まで買われたが、この水準でキャップされる流れが継続。
- 株式市場はまちまち。金融やエネルギーセクターは買われたものの、ハイテク株は総じて軟調。ダウは68ドル上昇し最高値を更新したが、ナスダックは72ポイントの大幅安。
- 債券相場は続落。原油価格の上昇もあり、インフレ懸念が高まった。v 長期金利は2.44%台まで上昇し、ドル高を牽引。
- ドル高の影響から金は続落。原油価格は前日のOPEC総会での合意を引き継ぎ続伸。前日比1ドル62セント上昇し51ドル台に乗せる。
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新規失業保険申請件数 → 26.8万件
11月ISM製造業景況指数 → 53.2
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ドル/円 113.92 〜 114.73 ユーロ/ドル 1.0585 〜 1.0669 ユーロ/円 121.38 〜 121.80 NYダウ +68.35 → 19,191.93ドル GOLD −4.50 → 1,169.40ドル WTI +1.62 → 51.06ドル 米10年国債 +0.064 → 2.444% 本日の注目イベント
- 豪 豪10月小売売上高
- 日 11月マネタリーベース
- 米 11月雇用統計
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 タルーロ・FRB理事講演
- 加 カナダ11月失業率
- 加 カナダ11月就業者数
前日のOPEC総会で減産に合意したことで、WTI原油価格はこの日も続伸し、51ドル台に乗せて来ました。エネルギーセクターが買われ、この日のNYダウは68ドル上昇し、再び最高値を更新しています。トランプ新政権では金融規制緩和が実施されるとの見方から金融株も連日買われ、ダウ指数の上昇を牽引しています。
一方昨日もテクノロジー株は売られ、アップルやIBMなどは値を下げました。トランプ政権の貿易政策が大型ハイテク株には不利に働くとの見方が背景になっているようです。また、原油価格の上昇は将来のインフレに繋がることから、イールドカーブのスティープ化が銀行収益に貢献するといった見方もあります。
日本の長期金利は日銀の金融政策でゼロ近辺に押さえられており、新政権の大規模な財政出動で金利上昇圧力の高まっている米長期金利との金利差が徐々に拡大しており、これが足元の「ドルブル」を醸成していることは明らかです。昨日のNYでも、ドル円は114円台後半まで買われましたが、その後は急速に下げています。これは、4日日曜日にはイタリアで憲法改正の是非を問う国民投票が行われることで、Brexitの再来を予想する向きもあり、一旦ポジションを手仕舞う動きに押されたものでした
米国のファンダメンタルズは引き続き好調です。昨日発表された11月のISM製造業景況指数は「53.2」と、市場予想を上回り、3カ月連続で節目の「50」を上回っています。もともと米ファンダメンタルズは良好でしたが、中国リスクや原油価格あるいはBrexitなど、外部環境の不安定さが利上げを阻んでいた経緯があります。今月のFOMCでの利上げは確実で、この状況が続けば来年も3回程度の利上げを見込めることも可能になってきそうで、ドルをサポートすることになります。
急激なドル高になかなか乗り切れない投資家も多いと思います。このレベルで買っても、いつはしごを外されるのか恐怖心が先立ちます。それでも連日海外市場に入ると「判で押したように」ドルが上昇します。焦る必要はありませんが、押し目の幅を少し浅くするなど工夫して、相場に乗るしかありません。やや深めのストップを入れながらドルロングを構築する方が、足元の流れに合っていそうです。本日は、113円50銭〜115円銭程度を予想しますが、雇用統計の振れ具合ではどちらにも抜ける可能性はあります。
今度の日曜日にはイタリアで憲法改正の是非を問う国民投票が行われます。「国民投票」というと、あの6月のBrexitが思い起こされますが、国民が「ノー」と判断した場合には、現政権のレンツィ首相の辞任につながる可能性もあり、再び欧州が大混乱です。昨日スイス金融機関のセールスマネージャーが訪ねてきたので、「国民投票ではどのような結果を予想するか」と聞いてみたところ、「国民はイエスを選択するだろう」との答えでした。それでもユーロは緩やかに下落するだろうというのが彼の見立てしたが、どうでしょう。良い週末を・・・・・。

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●著者:佐藤正和 ●160ページフルカラー ●定価:1,300円+税What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 10/4 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「現時点で政策金利を1.5%以上にしておくべきだろう」講演で。 ドル円102円台後半に。株式と債券が下落し、長期金利は上昇。 10/5 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「金利をもっと急速に引き上げる強い論拠がある」」講演で。 ドル円103円台半ばまで上昇。 10/5 エバンス・シカゴ連銀総裁 「11月にも利上げはあり得る」講演で。 ドル高に振れる。 10/14 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれはやがてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」WSJ紙で。 -------- 10/20 ドラギ・ECB総裁 「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.1040から1.09台前半まで下落。 10/21 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済のこれまでの推移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に複数回の利上げを実施することも妥当だ」講演で。 -------- 10/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 (利下げは)「12月会合が最も可能性の高い時となる」記者団に。 -------- 11/3 オバマ・大統領 「私たちには、結果についてほのめかしたり、不完全な情報に基づいて捜査をしたりしない規範がある」米ニュースサイトのインタビューで。 -------- 11/4 フィッシャー・FRB副議長 「最近のデータを見ると、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジ引き上げの論拠が一段と強まったというのがわれわれの見立てだ」講演で。 -------- 11/29 パウエル・FRB理事 「今月開催された前回の会合以降、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの根拠は明らかに強まった」講演で。 --------



