今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年12月15日(木) 「FOMCを受けドル円急騰」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • FOMC声明文発表前には115円近辺で推移していたドル円は、来年の利上げ見通しが3回と、強めだったことから一気に117円台に乗せる。一時は117円40銭近辺までドルが買われ、今週月曜日に記録したドルの高値を大きく更新。
  • ユーロドルも声明文発表後は売られ、1年9カ月ぶりとなる1.0497近辺まで下落。
  • 株式市場は来年の金利予測が上方修正されたことから反落。ダウは8日ぶりに売られ、前日比118ドル安。
  • 金利上昇を嫌う債券は大幅下落。10年債利回りは2011年以来となる2.57%台まで上昇。
  • ドルが買われたことから金は続落。原油価格も2ドルに迫る下落。

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    11月小売売上高 → +0.1%
    11月生産者物価指数 → +0.4%
    11月鉱工業生産 → −0.4%
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    ドル/円 115.03 〜 117.40
    ユーロ/ドル 1.0497 〜 1.0655
    ユーロ/円 122.18 〜 123.41
    NYダウ −118.08 → 19,792.53ドル
    GOLD +4.70 → 1,163.70ドル
    WTI −1.94 → 51.04ドル
    米10年国債 +0.101 → 2.573%

    本日の注目イベント

    • 豪 豪11月雇用統計
    • 独 独12月製造業PMI(速報値)
    • 独 独12月サービス業PMI(速報値)
    • 欧 ユーロ圏12月製造業PMI(速報値)
    • 欧 ユーロ圏12月サービス業PMI(速報値)
    • 英 BOE金融政策発表
    • 英 BOE議事録
    • 米 11月消費者物価指数
    • 米 新規失業保険申請件数
    • 米 12月NY連銀製造業景気指数
    • 米 12月フィラデルフィア連銀景況指数
    • 米 12月NAHB住宅市場指数

    今朝方4時に発表されたFOMC声明では,市場予想通り今年初めてとなる0.25%の利上げを決めました。そして、注目のFOMCメンバーによる2017年の利上げ予測中央値では、来年は0.25%の利上げが3回実施される見込みです。9月会合後に示された予測中央値では、来年の利上げは2回と見られていました。

    この発表を受けて金融市場はかなり大きな動きになっています。米国債が大きく売られ、長期金利は2.57%台まで大幅に上昇。これに伴って、ドル円は一気に115円近辺から117円40銭近辺まで上昇し、今週月曜日に記録した116円12銭のドルの高値を大きく更新しています。また連日最高値を更新していたNYダウは、金利上昇を嫌い、118ドル安と8日ぶりに反落しています。ドットチャートが示す、来年3回の利上げ観測が、円安、株安、債券安の「トリプル安」につながっています。金利上昇を前に、極めて自然な反応だと言えます。

    発表された声明文では「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」と記されており、イエレン議長は記者会見では質問に対して「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」と述べ、さらに「われわれが後手に回っているとは判断していない」とも語っています。

    今年最後のFOMCで今年最初の利上げを決めた今回の会合でしたが、記憶しておきたいのは、ちょうど1年前の会合と、その後の金融政策の推移です。昨年12月のFOMCで示された金利予測では今年の利上げ回数は4回という見通しでした。ところが、今年はチャイナショックや大幅な原油安、さらにはBrexitなど、外部環境が大きく揺れ動き、ご承知のように、昨日までは利上げを行うことができませんでした。これがドル円を一時100円以下まで押し下げた最大の要因でした。従って、このまま来年も予測通り3回の利上げができるかどうかは不透明です。ただ同時に言えることは、今年と来年では金利上昇圧力が大きく異なるという点には注意が必要だということです。それはトランプ次期大統領の存在そのものに起因するものです。

    ドル円は117円台まで急騰しています。日米金利差の拡大が根底にありますが、このまま上昇すると120円も視野に入りそうな勢いです。FOMCで利上げ観測が高まっても年内は117円台が一杯ではないかと見ていましたが、既にその域に達しています。買われ過ぎだと思いながらも、上昇を続けるドル円にやや困惑していますが、これも「相場」ということでしょうか。

    本日もレンジを予想するのは簡単ではありませんが、日本株がどのように動くのか、ここがカギのように思います。NY株の動きに反応するなら下落でしょうが、円安に反応すれば上昇も考えられます。日経平均株価はNY株価指数と為替の乗数に連動する傾向があります。116円30銭〜117円80銭程度と見ますが、今日も荒っぽい展開が予想されます。

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    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    11/3 オバマ・大統領 「私たちには、結果についてほのめかしたり、不完全な情報に基づいて捜査をしたりしない規範がある」米ニュースサイトのインタビューで。 --------
    11/4 フィッシャー・FRB副議長 「最近のデータを見ると、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジ引き上げの論拠が一段と強まったというのがわれわれの見立てだ」講演で。 --------
    11/29 パウエル・FRB理事 「今月開催された前回の会合以降、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの根拠は明らかに強まった」講演で。 --------
    12/1 メスター・クリーブランド連銀総裁 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 --------
    12/5 ダドリー・NY連銀総裁 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 --------
    12/8 ドラギ・ECB総裁 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。
    12/14 FOMC声明文 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
    12/14 イエレン・FRB議長 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和