今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年12月16日(金) 「ドル円連日高値を更新し118円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 連日高値更新が続いているドル円は欧州市場で118円64銭近辺まで上昇。NYでも118円台半ばを超えたものの、高値警戒感もあり118円15銭辺りまで押し戻される。
  • ユードルもドル高の流れの中、連日安値を更新。2002年以来となる1.0366辺りまでユーロ安が進む。
  • 株式市場は反発。前日8日ぶりに下落した株価は再び上昇し、ダウは59ドル高。他の主要指数も揃って反発。
  • 債券相場は続落。FOMCで利上げ予測の上方修正があったことから売りものが優勢に。長期金利は2.6%台に乗せる。
  • 金は続落し、2月以来となる1129ドル台で引ける。原油価格も小幅に続落。

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    11月消費者物価指数  → +0.2%
    新規失業保険申請件数  → 25.4万件
    12月NY連銀製造業景気指数 → 9.00
    12月フィラデルフィア連銀景況指数 → 21.5
    12月NAHB住宅市場指数  → 70
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    ドル/円 117.66 〜 118.64
    ユーロ/ドル 1.0366 〜 1.0449
    ユーロ/円 122.56 〜 123.52
    NYダウ +59.71 → 19,852.24ドル
    GOLD −33.90 → 1,129.80ドル
    WTI −0.14 → 50.90ドル
    米10年国債 +0.03 → 2.600%

    本日の注目イベント

    • 欧 ユーロ圏10月貿易収支
    • 欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(改定値)
    • 米 11月住宅着工件数
    • 米 11月建設許可件数
    • 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演

    連日高値を更新中のドル円は、この日は長期金利の上昇に支えられたことに加え、一連の経済指標が好調で、これがドルを押し上げました。前日はFOMCで来年の利上げ回数が3回見込めることを材料にドル円は2円ほど上昇しましたが、昨日はさらに買われ118円64銭までドル高が進行しています。年内120円には届かず、あるとすれば来年と予想していましたが、この調子で行くと、120円を示現しないと収まらないような展開になってきました。

    12月のNY連銀製造業景況指数は「9」に上昇し、市場予想の「4」を上回り、フィラデルフィア連銀製造業景況指数も「21.5」と、予想の「9.1」を大きく上回りました。良好な経済指標が続いている上に、物価もジワリと上昇傾向を見せており、このあたりを鑑み、FOMCメンバーの多くが来年3回の利上げを想定したものと思われます。

    依然として大量の資金が債券市場から株式市場に流れていると思われ、株が買われ、債券が売られています。債券価格の下落が続いていることで、米10年債利回りは2.6%台まで上昇し、2014年9月以来の高水準で推移し、これが足元のドル高を支えています。

    ドル円は118円台半ばまでドル高円安が進んでいますが、ユーロも対ドルでは大きく売られています。特に1.05を割り込んでからは下落が加速し、昨日は1.0366と、実に2002年12月以来となる水準まで売られました。これ以外に新興国通貨も売られているため、「ドル独歩高」といった状況です。

    FOMCも終り、重要イベントは来週の日銀会合を残すのみとなりました。今回の日銀会合は「ノーマーク」です。トランプ相場のおかげで今回の会合では政策変更はなく、無風と見られます。残すは通常の経済指標ですが、これも上述のように良好な状況が続きます。なかなかドルが下押しする場面がありません。

    本日は週末です。これまでに構築したポジションの決済も考えられますが、果たしてそのような動きが為替や株式市場に出るのかどうかが注目です。そのような動きがないとすれば、いつものように海外市場で一段とドルが買い上げられる展開が予想されます。またドル円も120円が見えてきたら、そのようなドル高を次期政権は容認するかどうかも、次の注目ポイントになろうかと思います。レンジは117円50銭〜119円程度と、連日上値を切り上げる動きです。ショートで苦しんでいる投資家もいると思います。上がり続ける相場はありません。どこかで大きく下げるはずですが、そのタイミングが見極められないところが苦しいところです。


    米国大統領専用機「エアフォースワン」は高すぎると噛み付いたトランプ氏。今度は戦闘機の値段にも高すぎると言及しました。ロッキードマーチンが製造している「F35戦闘機のコストは制御不能」だと噛み付きました。この発言を受けてロッキード社の株には売りが殺到し、この日だけで5%以上下落して取引を終わっています。今や、トランプ氏のツイートが最も価格が動く震源地になっているようです。銀行株が急騰劇を演じているのも、元はといえば、金融規制の撤廃という材料でした。さて、次の材料は・・・・良い週末を・・・・・。

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    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    11/3 オバマ・大統領 「私たちには、結果についてほのめかしたり、不完全な情報に基づいて捜査をしたりしない規範がある」米ニュースサイトのインタビューで。 --------
    11/4 フィッシャー・FRB副議長 「最近のデータを見ると、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジ引き上げの論拠が一段と強まったというのがわれわれの見立てだ」講演で。 --------
    11/29 パウエル・FRB理事 「今月開催された前回の会合以降、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの根拠は明らかに強まった」講演で。 --------
    12/1 メスター・クリーブランド連銀総裁 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 --------
    12/5 ダドリー・NY連銀総裁 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 --------
    12/8 ドラギ・ECB総裁 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。
    12/14 FOMC声明文 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
    12/14 イエレン・FRB議長 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和