今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年1月4日(水) 「ドル円118円台回復後失速」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は良好な中国のPMIを受けて118円台に乗せ、118円60銭まで上昇したものの、その後失速。原油価格が下がり、金利も低下したことで117円22銭まで売られ、117円70銭近辺で取引を終える。
  • ユーロドルもドル上昇に伴い、1.0340辺りまで売られた後反発し、1.04台半ばまで戻す。
  • 経済指標を受け株価は大きく上昇したものの、原油価格の下落に伴い上げ幅を縮小。ダウは119ドル上昇し、S&P500も16ポイント上昇。
  • 債券価格は下落して取引が始まったが、引け値では昨年末と同水準。長期金利は2.44%と変わらず。
  • 金は上昇。原油価格は大幅な上昇を見せ一時は55ドル台まで買われたが、結局昨年末比マイナスで引ける乱高下。
**********************
12月ISM製造業景況指数 → 54.7
**********************
ドル/円 117.22 〜 118.60
ユーロ/ドル 1.0340 〜 1.0434
ユーロ/円 122.27 〜 122.94
NYダウ +119.16 → 19,881.76ドル
GOLD +10.30 → 1,162.00ドル
WTI −1.39 → 52.33ドル
米10年国債 0.00 → 2.444%

本日の注目イベント

  • 日 東京証券取引所、大発会
  • 中 中国 12月財新サービス業PMI
  • 中 中国 12月財新コンポジットPMI
  • 欧 ユーロ圏12月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏12月総合PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏12月サービス業PMI(改定値)
  • 米 FOMC議事録(12月13、14日分)

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

さて、為替相場の方は昨日から取引が始まっていますが、ドル円は昨年末の116円台後半からは大きく値を上げて取引が始まりました。元旦に発表された12月の中国PMIが、前月よりは悪化していたものの高水準を維持していたことや、昨日発表された財新製造業PMIが2013年1月以来の高水準だったことを好感し、ドルが買いが先行しました。

NYでは、同じく経済指標が良好だったことから株高、金利高が進み、ドル円も118円60銭近辺まで買われ、約3週間ぶりのドル高が進行しましたが、そこから1円以上も下落し、今年1年も相場が荒れることを示唆するような動きを見せています。

原油価格が急落し、一時175ドル高まであったダウも上げ幅を縮めたことで、ドル円も売られた形になりましたが、一方でトランプ相場への不透明感が根底にあることも事実です。今月20日に大統領に就任するトランプ氏ですが、自身のツイッターを通じて様々な「つぶやき」を行っています。一部にはトランプ氏は中国とはうまくやっていき、米中関係にはプラスだとする意見もありましたが、台湾総統との電話会談を皮切りに、中国を批判する「つぶやき」が目立って来ました。為替問題についてのスタンスはまだ未知数ですが、「アメリカファースト」を掲げる同氏の政策からするとドル高容認は考えられません。

この辺りが為替相場を予想する上で、今年前半というか、1月の最大の鍵を握っていると言っていいのかもしれません。昨日発表された12月のISM製造業は「54.7」と、2年ぶりの高水準でした。このように、米ファンダメンタルズは極めて良好です。ここから連想されることは、景気の拡大に伴い米利上げペースは安定的に進むということです。従って、ドル高が緩やかに続くという見立てですが、昨年11月の大統領選での勝利以来、金融市場に大きな影響を与えて来たトランプ氏です。今後の言動によっては、FRBの利上げそのものにも影響を及ぼすのは必至です。やはり、トランプ新大統領が今年のキーワードになろうかと思います。大手金融機関にはFRBの動きを観察する「フェド・ウォッチャー」と呼ばれる人たちがいます。今年は「トランプ・ウォッチャー」という部署を新設する必要があるのかもしれません。

本日は、「大発会」です。日本株も上昇して始まりそうですが、どこまで上値を追えるかに注目しています。ドル円も同様に、118円台に乗せられるかどうかが焦点です。予想レンジは117円20銭〜118円50銭程度とします。

私が長年開催しているセミナーを通して発見した、初心者が陥りやすい間違えや、理解しにくいことなどを分かりやすくまとめた、一冊の本が出版されました。
より多くの投資家の方々にFXで成功してもらいたい!そんな思いを込めて書かせていただきました。セミナーに参加された方も、そうでない方もぜひ一度読んでみてください。

●タイトル:チャートがしっかり読めるようになるFX入門 ●出版社: 翔泳社
●著者:佐藤正和 ●160ページフルカラー ●定価:1,300円+税

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
12/1 メスター・クリーブランド連銀総裁 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 --------
12/5 ダドリー・NY連銀総裁 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 --------
12/8 ドラギ・ECB総裁 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。
12/14 FOMC声明文 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/14 イエレン・FRB議長 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/20 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「トランプ次期政権下でどのような政策が実施されるか、不確実性は強いものの、見通しのリスクを巡る私の見解はややシフトしたというのが主な結論だ」NYタイムズ紙とのインタビューで。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和