今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年1月10日(火) 「ドル円117円台半ばへ上昇後反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は欧州で117円台半ばまで上昇したものの、その後反落。原油価格が下落し、長期金利が低下したことでリスクオンが後退。115円95銭まで売られる。
  • ユーロドルは反発。1.0518までユーロが買い戻される。
  • 株式市場は先週末の勢いはなく反落。ダウは76ドル下げたものの、ナスダックは10ポイント上昇。
  • 債券相場は反発。英国のEU離脱を巡る懸念が再燃し、全ての年限で相場は上昇。10年債利回りは2.365%台へ低下。
  • 金は反発し1184ドル台に。原油はイラクの減産順守に対する不安が高まり大幅安。
ドル/円 115.95 〜 116.70
ユーロ/ドル 1.0512 〜 1.0582
ユーロ/円 122.41 〜 123.07
NYダウ −76.42 → 19,887.38ドル
GOLD +11.50 → 1,184.90ドル
WTI −2.03 → 51.96ドル
米10年国債 −0.055 → 2.365%

本日の注目イベント

  • 豪 豪11月小売売上高
  • 中 中国 12月消費者物価指数
  • 中 中国 12月生産者物価指数
  • 米 オバマ大統領、お別れ演説(シカゴ)
  • 加 カナダ11月建設許可件数

先週末の雇用統計では、賃金の上昇が引き金となり、ドル円は115円台から反発し117円台を回復し、昨日は117円台半ばまで上昇したものの、再び元の115円台まで押し戻されています。昨年末まで続いたトランプ効果が明らかにその威力を失いつつあるものの、一方でトランプラリーが終わったとは判断できない、難しい状況が続いています。

昨日の117円台半ばからの下落はやや想定外でした。先週末に発表された12月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数は予想を下回ったものの、賃金上昇が今後の利上げにプラスに働くとの見方からドルが買われ、さらに米景気の好調さを裏付けるとして株価も上昇しました。昨日の展開は、その流れを断ち切る動きでした。確かに原油価格の急落から、リスクオンが後退する動きではありましたが、ドル円の下落幅はやや大きかったと思われます。ブルームバーグによると、ロンドンフィキシング直前にマクロ系がドル売りを行ったとの説明がありましたが、やや不透明です。

明日はNYでトランプ次期大統領の記者会見が行われます。すでにツイッターで「アメリカファースト」を地で行くような発言を繰りかえしていますが、この会見でどのような発言を行うのか、極めて注目されます。トランプ氏の批判を受けて米空調大手だけではなく、フォードやフィアット・クライスラーも米国内への投資を決めています。昨日はメキシコ工場への投資を批判されたトヨタ自動車も、豊田社長自ら今後5年間で100億ドル(約1兆5000億円)の投資を米国で行うことをアピールしました。このような大規模の投資は、企業戦略に基づいて慎重に行われるものですが、メキシコからの輸入車には高関税をかけると脅したことに対応したものと受け止められそうです。

このように歯に衣着せぬ言動は、今後も大きな影響を持つものと思われます。明日の記者会見では新政権での具体的な政策について述べるのではないかと考えますが、為替問題に関する発言を行ったら、相場はかなり動くものと思われます。昨日のNYでドルが売られたのも、その前にロングのポジションを一部手仕舞ったと考えることも出きそうです。

本日は再び上値の重い展開を想定しています。先週末は115円前半までドル売りが進みましたが、結局115円台は維持されて反発しました。現時点では115円は底堅い水準かと思いますが、トランプラリーの巻き戻しが、為替だけではなく、株式や債券市場でも大規模に起こるようなら、底堅いとはいえ注意が必要です。予想レンジは115円30銭〜116円50銭程度と見ます。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
12/1 メスター・クリーブランド連銀総裁 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 --------
12/5 ダドリー・NY連銀総裁 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 --------
12/8 ドラギ・ECB総裁 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。
12/14 FOMC声明文 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/14 イエレン・FRB議長 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/20 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「トランプ次期政権下でどのような政策が実施されるか、不確実性は強いものの、見通しのリスクを巡る私の見解はややシフトしたというのが主な結論だ」NYタイムズ紙とのインタビューで。 --------
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和