2017年1月18日(水) 「ドル全面安続く」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は約1カ月半ぶりに112円台まで下落。トランプ次期大統領がWSJ紙とのインタビューで、ドルは既に「強すぎる」と発言したことや、株安、金利低下に円を買い戻す動きが加速し112円60銭まで円高が進む。
- ドルは主要通貨に対して全面安。ユーロドルも1.0720 まで買われ、1カ月ぶりの高値を付ける。
- メイ英国首相はEUからの完全撤退を表明したが、ドル安の流れと、既にポンドが大きく売られていたことからポンドドルは急反発。
- 株式市場は続落。日欧で株価が下落したことや、ドル急落にダウは58ドル安。
- 債券相場は一段と上昇。株価の下落やトランプリスクを懸念し、安全資産の債券に資金が向った。長期金利は2.32%台まで低下。
- ドル安が一段と進んだことで金は大幅続伸。約2カ月ぶりに1200ドル台を回復。原油も小幅に続伸。
1月NY連銀製造業景気指数 → 6.50
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| ドル/円 | 112.60 〜 113.57 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0667 〜 1.0720 |
| ユーロ/円 | 120.59 〜 121.29 |
| NYダウ | −58.96 → 19,826.77ドル |
| GOLD | +16.70 → 1,212.90ドル |
| WTI | +0.11 → 52.48ドル |
| 米10年国債 | −0.073 → 2.325% |
本日の注目イベント
- 独 独10月消費者物価指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏12月消費者物価指数(改定値)
- 英 英12月雇用統計
- 米 12月消費者物価指数
- 米 12月鉱工業生産
- 米 1月NAHB住宅市場指数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 イエレン・FRB議長がパネル討論会に出席
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 企業決算 → シティグループ、ネットフィリックス、ゴールドマン・サックス
- 加 カナダ中銀政策金利発表
ドル円は約1カ月半ぶりに112円台まで売られ、日経平均株価も1万9000円を割り込み、さらに安全資産の金も、約2カ月ぶりに1200ドルの大台を回復しました。欧米で政治リスクが急速に高まり、投資家は昨年11月からのポジションの解消にやっきになっている状況です。
トランプ次期大統領の過激な発言が相次ぎ、今週末に迫った大統領就任式で行われる就任演説をも不安視する声が高まってきた中、市場はリスクオフの姿勢を強めています。114円前後では底堅い動きが続いていたドル円は、WSJの報道もあり、113円を割り込み、一気に112円60銭までドル売り円買いが進み、今朝も112円台半ばを試す動きになっています。
まさに政治リスクが顕著になってきたという感じがします。トランプ氏に加え、英国のメイ首相は昨日の演説でEU単一市場からの完全撤退を表明しました。ただ、離脱を巡る最終案を議会の採決にかけることを表明したため、ポンドはドル高の流れもあり、前日に比べ大幅な反発を見せています。また、スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラム(ダボス会議)では、習近平中国国家主席が「保護貿易」には反対の姿勢を示し、トランプ氏の政策を批判する格好になりました。
ダドリーNY連銀総裁は講演で、「インフレは全く問題になっていないことから、金融当局が近く景気拡大を終わらせるリスクは極めて低いと考えられる」と述べました。また、景気に関しては「景気拡大が向こう数年にわたって続くと楽観している」と語っています。
昨年12月には118円66銭まで一気に上昇したドル円は112円台半ばまで売られて来ました。フィボナッチ・リトリースメントで計算される38.2%に当たるレベルが111円99銭あたりになり、トランプラリーも正念場を迎えていると言えます。因みに半値戻しでは109円93銭という数字が導き出され、概ね110円という大台が極めて重要な値位置ということになります。
トランプ新政権に対する期待が徐々にはがれてきたという印象ですが、公約通り10年間で1兆ドル(約112兆円)のインフラ投資や大規模な減税ができるのかという懸念も出てきています。個人的には、これらの政策を実施することは間違いないと考えていますが、議会共和党幹部との考え方の違いなどから、同氏の言う財政規模がそのまま実施されるかどうかはこれからの課題です。
米国に向う資金が逆流するとすれば話は異なりますが、今後米国内に投資される新規の資金は少なくはありません。その観点に立てば、ドル円も現時点では110円を割り込む可能性は低いと予想しています。まさにこの辺りがドル円にとっても正念場です。本日の予想レンジは112円20銭〜113円70銭程度を見ますが、株価の動きが重要です。昨日に引き続き300円ほど下げるようだと、日本株に対する期待も一気に後退し、円が買われる展開も想定されます。週末の大統領就任式が反転のきっかけになるような気もしますが、どうでしょうか。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/1 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 | -------- |
| 12/5 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 12/8 | ドラギ・ECB総裁 | 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 | ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。 |
| 12/14 | FOMC声明文 | 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 | ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇 |
| 12/14 | イエレン・FRB議長 | 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で | ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇 |
| 12/20 | ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「トランプ次期政権下でどのような政策が実施されるか、不確実性は強いものの、見通しのリスクを巡る私の見解はややシフトしたというのが主な結論だ」NYタイムズ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/9 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 | -------- |
| 1/16 | トランプ・次期米大統領 | (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 | -------- |
| 1/17 | トランプ・次期米大統領 | ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 | ドル円113円台から112円台に。 |
| 1/17 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 | -------- |



