今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年1月19日(木) 「ドル円イエレン発言を受けて急反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は昨日の朝方112円57銭まで下落したが、そこを底値に株価の上昇もあり反発。NYではイエレン議長の発言に113円台半ばから114円77銭近辺まで上昇。議長は年内数回の利上げに再び言及。
  • ユーロドルは1.07台から徐々に下落。イエレン発言を受けて、1.06台前半まで下落。
  • 株式市場は高安まちまち。ゴールドマンなど、銀行の好決算があった一方、小売株などが軟調。ダウは22ドル安ながら、ナスダックは16ポイントの上昇。
  • 上昇基調だった債券は大きく反落。イエレン議長が改めて年数回の利上げの可能性に言及したことで急落。長期金利は2.43%台へ急上昇。
  • 金は反落し、原油価格も大幅に反落。
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12月消費者物価指数    → +0.3%
12月鉱工業生産      → +0.8%
1月NAHB住宅市場指数  → 67
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ドル/円 113.19 〜 114.77
ユーロ/ドル 1.0630 〜 1.0717
ユーロ/円 120.95 〜 121.87
NYダウ −22.05 → 19,804.72ドル
GOLD −0.80 →1,212.10ドル
WTI −1.40 → 51.08ドル
米10年国債 +0.104 → 2.430%

本日の注目イベント

  • 豪   豪12月雇用統計
  • 欧   ECB政策金利発表
  • 欧   ドラギ・ECB総裁記者会見
  • 米   12月住宅着工件数
  • 米   12月建設許可件数
  • 米   1月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   企業決算 → IBM、アメックス

昨日のこの欄で、フィボナッチ・リトリースメントでのドルの下値のメドについて触れ、112円〜110円が目先下値のメドと紹介しましたが、ドル円は昨日の東京時間午後から113円台を回復し、海外では大きく値を戻しました。

イエレンFRB議長はサンフランシスコで講演をし、「米経済が最大限の雇用に近く、インフレ率がわれわれの目標に向っていると言うのが妥当だ」と指摘し、「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた」と述べ、今年中に2〜3回の利上げが妥当との見方を改めて述べました。昨日発表された12月の消費者物価指数(CPI)も、前月比+0.3%で、前年同月比では+2.1%の高水準を維持しています。

昨年からの米景気の好調さは疑うべくもありませんが、これに加えトランプ次期大統領が公約している1兆ドル(約114兆円)という大規模なインフラ投資や法人税減税などの施策が実施されれば、これが金利上昇圧力となり、インフレが加速することも十分想定されます。もっとも、そのトランプ効果にやや陰りが見え始め、期待感が徐々に後退して来たことが、ドル円を112円台まで押し下げた面があったことも事実です。

従って最も重要なポイントは、それらの施策がどの程度実施されるのかという点と、実施のタイミングです。単なる大言壮語に終わるのか、それとも有言実行なのかということです。イエレン議長は昨日の講演の中でもそのあたりのリスクについて触れ、「金融政策の支援のレべルを緩やかに減らすのが合理的だ」が、次回の利上げのタイミングは「米経済が今後数ヶ月間に実際にどのように推移するかに左右される」(ブルームバーグ)と述べ、大規模な財政出動が景気に与える影響が極めて大きいことを意識した発言と捉えることができます。

ドル円は今朝早い時間に114円77銭近辺まで上昇しました。目先の底値を確認した感もありますが、118円台半ばからの下落だったことを考えると、まだ一気に115円を超えて118円を目指す展開とも思えません。短期的な動きを示す「1時間足」では、とうに雲抜けを完了していますが、「4時間足」では115円台半ばに雲があり、その前に52日線が114円90銭手前に位置しています。よって、ドル円がさらに上昇した場合には、114円台後半から115円台半ばが「抵抗帯」として意識され易いと考えられます。予想レンジは114円〜115円30銭程度と見ますが、明日の大統領就任式を前に一波乱ないとは言えません。引き続き軽めのポジションでフットワークを軽くすることをお勧めします。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
12/1 メスター・クリーブランド連銀総裁 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 --------
12/5 ダドリー・NY連銀総裁 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 --------
12/8 ドラギ・ECB総裁 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。
12/14 FOMC声明文 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/14 イエレン・FRB議長 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/20 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「トランプ次期政権下でどのような政策が実施されるか、不確実性は強いものの、見通しのリスクを巡る私の見解はややシフトしたというのが主な結論だ」NYタイムズ紙とのインタビューで。 --------
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
1/16 トランプ・次期米大統領 (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 --------
1/17 トランプ・次期米大統領 ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円113円台から112円台に。
1/17 ダドリー・NY連銀総裁 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 --------
1/18 イエレン・FRB議長 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和