今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年1月20日(金) 「ドル円115円台を回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はECBが政策を据え置いたことや良好な経済指標でドル買いが進み、115円62銭近辺まで上昇。ただ、その後次期財務長官のムニューチン氏の発言に114円台半ばまで反落。
  • ユーロドルはECBの決定を受け1.05台後半まで売られたが、その後値を戻す。ECBは債券購入プログラムを年末まで継続する政策を再確認。
  • NYダウは5日続落。ムニューチン次期財務長官が公聴会で規制緩和を支持しなかったことや、トランプ次期大統領の政策への不透明感が背景。ダウは72ドル下げ、年初からの上げ幅を失う。
  • 債券相場も続落。良好な経済指標に反応し、売りが優勢に。長期金利は2.46%台で引ける。
  • 金は続落し、原油は小幅に反発。
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12月住宅着工件数 → 122.6万件
12月建設許可件数 → 121.0万件
1月フィラデルフィア連銀景況指数 → 23.6
新規失業保険申請軒数 → 23.4万件
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ドル/円 114.52 〜 115.62
ユーロ/ドル 1.0589 〜 1.0677
ユーロ/円 121.83 〜 122.76
NYダウ −72.43 → 19,732.40ドル
GOLD −10.60 → 1,201.50ドル
WTI +0.29 → 51.73ドル
米10年国債 +0.039 → 2.468%

本日の注目イベント

  • 中 中国 10−12月GDP
  • 中 中国 12月小売売上高
  • 中 中国 12月鉱工業生産
  • 独 独12月生産者物価指数
  • 英 英12月小売売上高
  • 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米 トランプ氏、第45代米大統領に就任
  • 米 企業決算 → GE
  • 加 カナダ12月消費者物価指数
  • 加 カナダ11月小売売上高

ドル円は一段と上昇し、NY市場では115円62銭までドル高が進んだものの、115円台は維持できず、114円台後半で戻ってきました。昨日の東京市場でも堅調な株価を背景にドルは底堅く、しっかりと114円台半ばから後半で推移したことが115円台回復につながったと思われます。

それでも本日の大統領就任式を前に神経質な動きを繰り返していることには変わりはなく、今夜もトランプ氏の演説内容に乱高下することも予想されます。氏の新大統領としての就任演説は日本時間夜中の2時ごろから始まる予定です。

昨日のNY市場では次期財務長官に指名されているムニューチン氏が議会公聴会で「長期的には強いドルが重要だ」と述べたことや、住宅関連指標など、経済指標が良好だったことがドルを押し上げた背景のようですが、ムニューチン氏はその後ドルは「非常に、非常に」強い(ブルームバーグ)と発言したことが、ドル高をけん制したとも受け止められ、結局114円台へ反落したようです。

118円台から112円台までドル安が続き、その後は115円台まで戻すなど、今年は年初からドルの落ち着き場を探す動きが続いています。115円を中心に上下3円の値幅を見たわけですが、もしかしたら115円前後が居心地のいい水準なのかもしれません。まだトランプ新政権の明確な政策も、ムニューチン次期財務長官の考えも不透明ですが、トランプ氏が「ドルは強すぎる」と一言発言しただけで2円も下落する不安定な状況は今後も続きます。

本日のトランプ氏の演説内容には世界中が注目していますが、その中に、対中国政策が含まれるかどうかに、個人的には最も注目しています。トランプ氏は選挙中に、大統領になったらその日に中国を「為替操作国」に認定すると発言してきました。昨日の公聴会でも、ムニューチン氏は、正当化されるなら中国の為替操作国認定を支持すると述べています。

米経済指標は引き続き良好です。従って、やや長い目で見ても金利上昇圧力となり、インフレ率の上昇につながると思われます。これが長期的にみて、ドルのサポート材料になると予想しています。本日は114円30銭〜115円80銭程度のレンジを想定していますが、上述のように、演説内容次第でどちらにも大きく振れる可能性があることは言うまでもありません。もちろん常識的な内容に終始するかもしれませんが、その場合、投資家は「失望感」からドルを売るのか、あるいは「安心感」からドルを買うのか、その辺りも読み切れないのが正直なところです。


いよいよドナルドトランプ氏が第45代米国大統領就任します。過激な発言を繰り返し、いい意味でも悪い意味でも、これほど注目される大統領はこれまでにいたでしょうか。もっとも、これもトランプ氏一流の「戦略」なのかもしれませんが、不支持率52%はあのブッシュ氏を超え最高です。トランプ氏は大統領としてふさわしくないとして、反対する100を超える団体もワシントンに集結するとか。氏のこれまでの言動を振り返ると、「敵か味方か」を相手に求める言動が多いように思えます。「シロかクロかはっきりしろ。グレイはいらない」そう言っているようにも思えます。今日から4年間つきあうことになるのでしょうか・・・・・。今日のレポートは上から下までトランプ一色でした。良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
12/1 メスター・クリーブランド連銀総裁 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 --------
12/5 ダドリー・NY連銀総裁 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 --------
12/8 ドラギ・ECB総裁 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。
12/14 FOMC声明文 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/14 イエレン・FRB議長 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/20 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「トランプ次期政権下でどのような政策が実施されるか、不確実性は強いものの、見通しのリスクを巡る私の見解はややシフトしたというのが主な結論だ」NYタイムズ紙とのインタビューで。 --------
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
1/16 トランプ・次期米大統領 (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 --------
1/17 トランプ・次期米大統領 ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円113円台から112円台に。
1/17 ダドリー・NY連銀総裁 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 --------
1/18 イエレン・FRB議長 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和