今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年1月23日(月) 「トランプ演説にやや失望?」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はトランプ氏の大統領就任式が行われたことで注目されたが、115円台前半から緩やかに下落。114円21銭まで売られ、この日の安値で引ける。
  • ユーロは続伸。1.0710まで上昇し、直近高値近辺までユーロ高が進む。
  • 株式市場は反発。原油価格の上昇からエネルギー株が買われる。ダウは94ドル上昇し、主要指数も揃って反発。
  • 債券相場は上下したものの、結局前日とほぼ同水準で引ける。
  • 金、原油は共に上昇。
ドル/円 114.21 〜 115.27
ユーロ/ドル 1.0625 〜 1.0710
ユーロ/円 122.55 〜 122.95
NYダウ +94.85 → 19,827.25ドル
GOLD +3.40 → 1,204.50ドル
WTI +1.05 → 52.42ドル
米10年国債 −0.001 → 2.467%

本日の注目イベント

  • 欧   ユーロ圏1月消費者信頼感(速報値)

トランプ大統領が正式に発足しました。トランプ氏は、注目された演説では、「米国第一主義」の推進を表明したものの財政支出や減税には触れず、今月11日の記者会見と同様にやや拍子抜けの印象でした。この日はやや期待感が先行し、ドル円は115円台前半まで買われましたが結局そこから1円ほど売られ、株価や原油価格の上昇の割には上値の重い展開でした。

今朝の情報によると、ホワイトハウスはウェブサイトで、経済を再び軌道に乗せるため、向こう10年で新たに米国民2500万人分の雇用を創出し、4%の経済成長率に戻るための大胆な計画の概要を示してきたと説明しています。(ブルームバーグ)ただ、これらに関しても具体的な手法は明らかにされておらず、エコノミストの間では総じて懐疑的です。またTPPからは撤退し、NAFTAの再交渉を先ずイギリスと行うことを発表しています。

期待された大統領就任演説では、大規模なインフラ投資や法人税減税などについて、なんら言及しませんでした。市場ではさらに力強い言葉や規模の拡大などがあるのではないかとの期待が一部にはありましたが、やや失望感は拭えません。むしろメディアからは、反対運動の規模の大きさを強調するような報道が目立ち、今後の政策運営においても、障害になるのではないかと懸念されます。

これで正式にトランプ氏が第45代米国大統領に就任したわけですが、今後もツイッターからのつぶやきや、ホワイトハウスからの情報で市場が動くケースが多くなるだろうと思われます。先ずは、中国、日本、メキシコに対してどのような対応を迫るのかが焦点になります。既に「ドルは強すぎる」と発言しており、中国の人民元を意図した発言だったとしても、円にも同様な発言をしてくる可能性は十分あります。

本日は日本株が小幅ながら続伸しそうな気配です。112円台まで下落した後、115円台を2回試して落とされていることから、115円台前半から半ば超えが目先の天井っぽい感じもしますが、だからと言ってさらに上値が望めないわけでもないと思われます。米国株と金利の行方が鍵を握っており、この動きに注目したいと思います。本日の予想レンジは113円50銭〜114円80銭程度と見ます。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
12/1 メスター・クリーブランド連銀総裁 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 --------
12/5 ダドリー・NY連銀総裁 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 --------
12/8 ドラギ・ECB総裁 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。
12/14 FOMC声明文 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/14 イエレン・FRB議長 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/20 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「トランプ次期政権下でどのような政策が実施されるか、不確実性は強いものの、見通しのリスクを巡る私の見解はややシフトしたというのが主な結論だ」NYタイムズ紙とのインタビューで。 --------
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
1/16 トランプ・次期米大統領 (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 --------
1/17 トランプ・次期米大統領 ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円113円台から112円台に。
1/17 ダドリー・NY連銀総裁 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 --------
1/18 イエレン・FRB議長 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇
1/19 ムニューチン・次期財務長官 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 ドルが乱高下
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和