2017年1月24日(火) 「ドル円再び112円台半ばへ」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は日本株の大幅下落に113円台前半まで売られ、その後一旦は114円台まで反発したものの、NYでは112円68銭まで売られる。金利低下やトランプ大統領がTPP離脱に署名したことが背景。
- ユーロドルは小幅に続伸し、1.07台後半まで買われる。ユーロ円は121円台前半まで下落。
- 株式市場はトランプ大統領が「極めて大規模」な国境税を課す、と発言したことを嫌気して売られる。ダウは27ドル下落し、プラスで推移していたナスダック指数も引けはマイナスに。
- 債券相場は反発。トランプ発言や株安に買い物が優勢となる。
- ドルが売られたことで金は続伸し、1215ドルに。原油は米国のリグ稼動数が3年ぶりに大幅増加したことで反落。
| ドル/円 | 112.68 〜 114.09 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0706 〜 1.0770 |
| ユーロ/円 | 121.13 〜 122.14 |
| NYダウ | −27.40 → 19,799.85ドル |
| GOLD | +10.70 → 1,215.60ドル |
| WTI | −0.47 → 52.75ドル |
| 米10年国債 | −0.061 → 2.406% |
本日の注目イベント
- 独 独1月製造業PMI(速報値)
- 独 独1月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏1月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)
- 英 英12月財政収支
- 米 12月中古住宅販売件数
- 米 財政予算局、財政・経済見通し発表
- 米 1月リッチモンド連銀製造業指数
トランプ大統領就任後、最初のマーケットである東京市場ではドル安、株安が進み、日経平均株価は246円安。先週末のトランプ氏就任前には115円台前半で取引されていたドル円は112円台までドル安が進み、トランプ・リスクが再び意識され始めた格好です。
トランプ大統領は公約通り、TPP離脱に関する署名を行い、雇用を米国外に移す企業には「極めて大規模」な国境税を課す方針を示しました。また、米大手企業経営者とも会談し、日本の自動車貿易を「不公平だ」と名指しするとともに、2月上旬にも行われる日米首脳会談でも議題にのぼる可能性も出てきました。
トランプ大統領は「もし日本が、われわれが日本市場に自動車を売ることを困難にしているようなら、不公平だ」と述べ、日本への風あたりを強める姿勢も示しました。中国へは「ドルが強すぎる」とけん制したことを考えると、円に対しても「いよいよ口撃(?)してくる可能性」が強まって来た印象です。
当初から「アメリカ・ファースト」を標榜したトランプ政権が、ドル高円安を許容するはずはないと指摘してきましたが、それでもドル円は連日高騰し、昨年12月には118円66銭までドルが買われました。そのドライバーとなったのが、日米での大幅な株高と米長期金利の上昇でした。トランプ氏の政策にドル高は合致しないと見られながらも、市場の実態がドルをサポートする流れに変わったことで、投資家はドル買いで反応したわけです。
足元ではドル買いを牽引した株高、金利高がやや崩れかけてきました。トランプ期待が先週の就任式を境に再び後退したことで、ドル円も112円台半ばまで落ちて来ました。目先のサポートは先週記録した112円台半ばですが、今朝は既にその水準を試しています。この水準から下値ではドル買い需要もあると観られていますが、112円を割り込むとストップのドル売りも出てくる可能性があり、もう一段の下げがあるかもしれません。
トランプ氏の過激な発言は現時点では変わりそうもありません。このままではドルの上値が徐々に重くなり、110円の方向に向って行くことにもなります。ここはやはりトランプ・ラリーが復活し、株高、金利高の再現を待つしかありません。トランプ氏が公約通り、大規模なインフラ投資と法人税減税や個人所得減税を実施できるとすれば、ドルの下値も限られると思われます。
本日はどこまでドル売りが進むのかが注目されますが、日本株も軟調だと112円前半から112円割れを試すことがあるかもしれません。今年は想定されたこととは言え、ドル円は年初から連日上下に、しかもある程度の値幅を伴って動いています。含み益があったとしても、浅目のストップはことごとく執行されてしまいます。ここは慎重になり、大きな損を避けなければいけません。本日のレンジは112円〜113円50銭程度と予想しますが、いつものようにどちらにも抜ける可能性はあります。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/1 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 | -------- |
| 12/5 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 12/8 | ドラギ・ECB総裁 | 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 | ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。 |
| 12/14 | FOMC声明文 | 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 | ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇 |
| 12/14 | イエレン・FRB議長 | 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で | ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇 |
| 12/20 | ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「トランプ次期政権下でどのような政策が実施されるか、不確実性は強いものの、見通しのリスクを巡る私の見解はややシフトしたというのが主な結論だ」NYタイムズ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/9 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 | -------- |
| 1/16 | トランプ・次期米大統領 | (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 | -------- |
| 1/17 | トランプ・次期米大統領 | ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 | ドル円113円台から112円台に。 |
| 1/17 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 | -------- |
| 1/18 | イエレン・FRB議長 | 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 | ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇 |
| 1/19 | ムニューチン・次期財務長官 | 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 | ドルが乱高下 |
| 1/23 | トランプ・米大統領 | 「雇用を米国外に移す企業には極めて大規模な国境税を課す」 | ドル円113円台から112円台に。 |



