今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年1月26日(木) 「NYダウ2万ドルの大台達成」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は昨日の東京時間に113円99銭まで上昇したがその後失速。NYではダウが2万ドルの大台を突破し、長期金利も上昇したにも関わらず、113円台前半までドルが売られ伸び悩む。
  • ユーロドルは1.07台半ばを中心にもみ合い。上値は限られるものの下値も徐々に切り上がる。
  • NYダウはついに2万ドルの大台を突破。経済成長への楽観的な見方が強まり、企業業績も支えに。ダウは155ドル上昇し、2万68ドルで取引を終える。
  • 債券相場は続落。ダウが2万ドルの大台を達成したこともあり、債券には売りが集まる。長期金利は昨年12月以来となる2.51%台まで上昇。
  • 金は続落し、原油は小幅ながら反落。
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11月FHFA住宅価格指数 → +0.5%
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ドル/円 113.18 〜 113.94
ユーロ/ドル 1.0720 〜 1.0755
ユーロ/円 121.69 〜 122.22
NYダウ +155.80 → 20,068.51ドル
GOLD −13.00 → 1,197.80ドル
WTI −0.43 → 52.75ドル
米10年国債 +0.048 → 2.518%

本日の注目イベント

  • 中 中国 12月工業利益
  • 英 英10−12月期GDP(速報値)
  • 米 12月新築住宅販売件数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 12月景気先行指標総合指数
  • 米 企業決算→ブラックストーン、キャタピラー、アルファベット、インテル、マイクロソフト

NYダウはついに2万ドルの大台を達成しました。個人的には昨年末にも達成するのではないかと思っていましたが、時間はかかったものの、ようやく大台達成です。トランプ大統領はツイッターで、「Great ! Daw20K」とつぶやいていました。1万ドルの大台を達成したのが2009年11月でしたから、約6年で倍になったわけです。改めて米国企業の底力と、成長力に敬服します。

株価が大幅に上昇し、債券市場では安全資産の債券が売られ金利が上昇し、金も売られたことで「リスクオン」が強まった環境でしたが、ドル円の上昇は限定的でした。114円には届かず、113円台前半で戻ってきました。トランプ大統領がいつドル高をけん制するかもしれないという警戒感が、ドルの上値を抑えているかと見られます。米長期金利が2.5%台に乗せ、直近のドル円は金利との相関度を強めていることを考えると114円台に乗せてもおかしくはなかったと思われます。「為替市場では既にトランプラリーは終わった」という声がNY市場からは聞こえています。

本日もトランプ大統領を避けては通れません。大統領はメキシコ国境に壁を建設するとともに、米国への移民流入規制を強化する大統領令に署名しました。(ブルームバーグ)これらは選挙運動中から述べていましたが、まさか本気で壁建設を推進するとは誰も思ってはいなかったのではないでしょうか。どうやら本気のようです。トランプ大統領は昨日の午後に国土安全保障省を訪問して署名を行いましたが、同省は国境を管轄し、トランプ氏が求める移民規制の多くを実施する主要な権限を持っているそうです。

ドル円は113円台でのもみ合いが続いていますが、これは今年に入っては珍しい現象です。112円台半ばを3回テストして跳ね返されているため、目先この水準は底堅いことが確認されていますが、一方で115円から上値が徐々に重くなりつつあります。上述のトランプ大統領の奇抜な行動もドルの上値を抑えていることと無関係ではありません。トランプ氏が一言ドル高けん制をすれば2円ほど円高に振れることは実証済みです。

ただそれでも米金利が上昇し、株価が堅調に推移する以上、どちらもインフレを加速させることになり、FRBの利上げ観測につながります。そう考えると、ドル円が下げたとしても一気に110円を割り込むような水準には至らないと予想しています。怖いのは、トランプ大統領がさらに保護主義色を強め、株式市場にも悪影響が出て、「リスクオフ」から金利が低下する事態です。この辺りは今後もしっかりと目を凝らしていかなければなりません。

本日はNYダウの2万ドル突破を好感して、日経平均株価も上昇するでしょう。予想レンジは112円70銭〜114円程度と見ています。114円が壁になりつつありますが、ここが抜けないとすると下値のリスクもあるかもしれません。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
12/1 メスター・クリーブランド連銀総裁 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 --------
12/5 ダドリー・NY連銀総裁 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 --------
12/8 ドラギ・ECB総裁 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。
12/14 FOMC声明文 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/14 イエレン・FRB議長 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇
12/20 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「トランプ次期政権下でどのような政策が実施されるか、不確実性は強いものの、見通しのリスクを巡る私の見解はややシフトしたというのが主な結論だ」NYタイムズ紙とのインタビューで。 --------
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
1/16 トランプ・次期米大統領 (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 --------
1/17 トランプ・次期米大統領 ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円113円台から112円台に。
1/17 ダドリー・NY連銀総裁 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 --------
1/18 イエレン・FRB議長 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇
1/19 ムニューチン・次期財務長官 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 ドルが乱高下
1/23 トランプ・米大統領 「雇用を米国外に移す企業には極めて大規模な国境税を課す」 ドル円113円台から112円台に。
1/23 ムニューチン・次期財務長官 「過度に強いドルは短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」上院議員からの質問に書簡で答える。 ドルが売られる。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和