2017年1月31日(火) 「トランプリスク顕在化でドル円113円台へ」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は大きく反落。米国への入国を制限する大統領令で、世界中で混乱が起きていることにドル売り円買いが加速した。ドル円は113円45銭まで売られ、先週末の水準から2円の円高が進む。
- ユーロドルでもドル売りが進んだが、1.07台に乗せただけで、ユーロの上昇は緩やか。
- 株式市場は大幅に続落。入国禁止令による混乱を嫌気してダウは1カ月ぶりの大幅安。先週末比122ドル下落し、2万ドルの大台をあっさり割り込む。
- 債券相場は概ね堅調。ただ株価が大きく値下がりした割りには買い物が続かなかった。長期金利は2.48%台に。
- 金は反発し、原油は続落。
12月個人所得 → +0.3%
12月個人支出 → +0.5%
12月PCEコアデフレータ → +1.7%
12月中古住宅販売成約指数 → +1.6%
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| ドル/円 | 113.45 〜 114.63 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0620〜 1.0709 |
| ユーロ/円 | 121.44 〜 121.88 |
| NYダウ | −122.65 → 19,971.13ドル |
| GOLD | +4.90 → 1,196.00ドル |
| WTI | −0.54 → 52.63ドル |
| 米10年国債 | +0.004 → 2.488% |
本日の注目イベント
- 日 12月失業率
- 日 12月鉱工業生産
- 日 日銀金融政策決定会合
- 日 黒田日銀総裁記者会見
- 独 独1月雇用統計
- 欧 ユーロ圏12月雇用統計
- 欧 ユーロ圏10−12月期GDP(速報値)
- 英 英1月GFK消費者信頼感
- 米 FOMC(2月1日まで)
- 米 10−12月雇用コスト指数
- 米 1月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 1月消費者信頼感指数
- 米 11月ケース・シラ−住宅価格指数
- 米 企業決算 → ファイザー、マスターカード、アップル、スプリント
米国への入国を制限した大統領令を巡って、世界中で混乱が広がっています。多様性を一つのバネとして成長してきたアップルやウーバーなどのグロ−バル企業も今回の措置を批判しており、共和党内部からも批判の声が上がってきました。トランプ大統領の強硬な姿勢に企業の混乱が続き、金融市場ではトランプ・リスクに警戒感が増し、2万ドルを回復したNYダウは、先週の木、金、と今週の月曜日は大台を維持していたものの、「3日天下」に終わっています。
ドル円も先週末のNY市場では115円38銭までドル高が進んだものの、昨日は113円45銭まで売られ、今年に入ってからは連日値幅を伴って、乱高下しています。昨日は個人消費など、経済指標は引き続き良好でしたが、投資家は今後のトランプ氏の行動がさらなる混乱を引き起こすことに身構え、安全資産の円を買い、さらに債券や、金を買う行動に出ています。
米アップルやスタバはトランプ大統領の入国禁止令に反対しており、今後は連邦裁判所で精査され、違憲論争に発展することは必至です。元財務長官のサマーズ氏はブルームバーグとのインタビューで、「1週間の出来事のみに基づいて政権に最終的な判断を下すような過ちを犯すべきではない。だが同時に、この1週間に起きたことを真剣に捉えないという間違いも犯してはならない」と述べています。
先週115円台を回復したドル円は再び下値を試す展開を見せてきました。心配されたトランプ・リスクが顕在化した格好ですが、これはある程度想定されたことで、サプライズではありません。常に先を読む市場は、この先の事態を懸念して、ポジションを安全資産にややシフトしている状況です。確かに、メキシコとの国境に壁を建設する大統領令にも署名をし、さらに今回はイスラム教徒が国民の多数を占めるシリアなど、7カ国の国民による米国入国を90日間禁止する大統領令にも署名し、混乱を引き起こしています。
これらから想定できることは、大規模なインフラ投資に関しても同じように、粛々と実行していくだろうということです。ただ、共和党幹部も今回の措置を非難していることから、トランプ氏が公約した規模での景気刺激策が果たして議会で承認されるのかという懸念も生じてきます。「アメリカファースト」は保護主義そのものだという意見も出始めており、多くの専門化が指摘するように「全てはトランプ次第」です。
本日は日本株も「どこまで売られるのか」といった状況でしょう。1万9000円の大台を割り込むようだと、ドル円も113円割れがあるかもしれません。113円台半ば以下でどの程度ドル買い需要があるのかという点と、日本株がどの程度粘り腰を見せるかという点がカギになります。レンジは113円〜114円50銭程度を予想します。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/1 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「追加利上げは賢明な措置「労働市場は現在、基本的には完全雇用の状態にある」講演で。 | -------- |
| 12/5 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「通貨の強さは概して、私が特に懸念するような状況ではない」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 12/8 | ドラギ・ECB総裁 | 「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相容れないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」。QU縮小決めた後の記者会見で。 | ユーロ上昇後急落1.0873→1.06前後まで売られる。 |
| 12/14 | FOMC声明文 | 「なお緩和的な金融政策は労働市場がやや一層の力強さを増すことと、インフレ率2%への回帰を支えていく」 | ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇 |
| 12/14 | イエレン・FRB議長 | 「利上げは経済の前進に対する信頼の反映であり、市場金利への影響は小さいものにとどまるだろう」「われわれが後手に回っているとは判断していない」FOMC後の記者会見で | ドル円115円 → 117円40銭近辺に上昇 |
| 12/20 | ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「トランプ次期政権下でどのような政策が実施されるか、不確実性は強いものの、見通しのリスクを巡る私の見解はややシフトしたというのが主な結論だ」NYタイムズ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/9 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 | -------- |
| 1/16 | トランプ・次期米大統領 | (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 | -------- |
| 1/17 | トランプ・次期米大統領 | ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 | ドル円113円台から112円台に。 |
| 1/17 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 | -------- |
| 1/18 | イエレン・FRB議長 | 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 | ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇 |
| 1/19 | ムニューチン・次期財務長官 | 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 | ドルが乱高下 |
| 1/23 | トランプ・米大統領 | 「雇用を米国外に移す企業には極めて大規模な国境税を課す」 | ドル円113円台から112円台に。 |
| 1/23 | ムニューチン・次期財務長官 | 「過度に強いドルは短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」上院議員からの質問に書簡で答える。 | ドルが売られる。 |



