今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年2月1日(水) 「トランプ大統領 円安を批判」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は急落。113円台前半から半ばで推移していたドル円はトランプ大統領の円安批判をきっかけに112円08銭まで下落。ただ、この水準は過去に何度も跳ね返されている水準であったことからドル買い意欲も強く112円台後半まで押し戻される。
  • ユーロドルも急騰。1.08台前半まで買われ、約1カ月半ぶりのユーロ高を記録。
  • ダウは大幅に続落。トランプリスクが意識され、この日は経済指標も低調だったことで売りが優った。ダウは1万9900ドルを割り込んだが、ナスダックは小幅に上昇。
  • 債券相場は上昇。株安に加え、消費者マインドも低調だったことで、買い物を集める。長期金利は2.41%台へと低下。
  • 金は大幅に続伸し1211ドル台に。原油価格も小幅に反発。
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10−12月雇用コスト指数 → +0.5%
1月シカゴ購買部協会景気指数 → 50.3
1月消費者信頼感指数 → 111.8
11月ケース・シラ−住宅価格指数 → +5.27%
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ドル/円 112.08 〜 113.48
ユーロ/ドル 1.0743 〜 1.0812
ユーロ/円 121.01 〜 122.12
NYダウ −107.14 → 19,864.09ドル
GOLD +15.40 → 1,211.40ドル
WTI +0.18 → 52.81ドル
米10年国債 −0.035 → 2.453%

本日の注目イベント

  • 中 中国 1月製造業PMI(速報値)
  • 中 中国 1月非製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏1月製造業PMI(改定値)
  • 英 英1月製造業PMI
  • 米 FOMC 政策金利発表
  • 米 1月ADP雇用者数
  • 米 1月ISM製造業景況指数
  • 米 企業決算 → フェイスブック、シマンテック

「ついに来た」と言うべきか、「やっぱり来た」と言うべきか、過激な発言を繰り返すトランプ大統領が、日本と中国の為替政策を批判しました。日本や中国が「意図的に市場で為替操作をして、米国は損害を受けている」と発言しました。

これは為替問題を直接的に批判したのではなく、医薬品メーカーの幹部をホワイトハウスに呼び、その会談の中で発せられたものです。「Japan has done over the years 」と言った表現だったようですが、中国が自国通貨を安くし、日本は何年もの間そうしたと批判しました。ドル円はこの発言を受けて、一時112円08銭まで急落しましたが、この水準はこれまでに4回試して跳ね返されたレベルです。昨日もこの水準では下げ止まり、112円台後半まで急速に反発しています。

それにしても、トランプ大統領の放言は留まるところを知りません。今やこの過激な発言が世界中のリスクとなっており、2万100ドル台まで上昇したNYダウは1万9900ドルを割り込み、2.6%台まで上昇した長期金利も昨日は2.45%台まで低下して来ました。日経平均株価も、昨日は今回のトランプラリーで最大の下げを演じ、本日は1万9000円の大台を大きく下回ると予想しています。

トランプ大統領は昨日、イスラム圏からの入国制限に対して批判的だったイエーツ司法長官代行を即刻解任しており、これも世界中から非難の声が上がっています。「白黒をはっきりさせる」これがトランプ流なのでしょうが・・・・・。

ドル円は再び目先の下値のメドであり、サポートとなっている112円台前半まで売られて来ました。112円台半ばは1月中だけでも4回試して押し戻され、昨日はさらに下値まで売られましたが、112円台は維持して戻ってきています。昨年12月には118円66銭までドル高が進みましたが、その原動力になったのは積極的な財政出動で、米金利が上昇し、日米金利差の拡大が想定されたからでした。ところが今年に入り、トランプ氏が正式に大統領に就任するや、実行に移したものは全て市場を混乱させるものばかりでした。就任後いまだに財政や景気や減税について具体的な言及はありません。投資家はさすがに、トランプ効果よりもリスクの方を意識し始めたという状況です。

本日は東京時間でも下値を試す展開でしょう。重要なメドである112円台が維持できるかどうかですが、東京時間で割り込まなくても海外市場ではあるかもしれません。112円08銭まで急落した後、112円台後半まで戻すところを見ると、この近辺ではドル買い需要も見受けられます。このままNYの下値を試さずに113円台を回復するのか、あくまでもドルの底値を確認しに行くのか、今後の相場を占う上では重要な値位置になると言えます。予想レンジは112円〜113円30銭程度でしょうか。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
1/16 トランプ・次期米大統領 (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 --------
1/17 トランプ・次期米大統領 ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円113円台から112円台に。
1/17 ダドリー・NY連銀総裁 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 --------
1/18 イエレン・FRB議長 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇
1/19 ムニューチン・次期財務長官 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 ドルが乱高下
1/23 トランプ・米大統領 「雇用を米国外に移す企業には極めて大規模な国境税を課す」 ドル円113円台から112円台に。
1/23 ムニューチン・次期財務長官 「過度に強いドルは短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」上院議員からの質問に書簡で答える。 ドルが売られる。
1/30 ノボトニー・ECB理事 「ECBが次回3月の会合で量的緩和のテーパリングを協議することは決してない」講演で --------
1/31 トランプ・米大統領 日本や中国が「意図的に市場で為替操作をして、米国は損害を受けている」 ドル円113円台半ばから112円08銭まで急落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和