今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年2月6日(月) 「良好な雇用統計にもドル円上値が重い」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は雇用統計発表直後に113円50銭まで上昇したものの、賃金などの指標が予想を下回ったことでドル売りが優勢に。112円31銭銭まで売られた後、ISM非製造業の指標に113円台に戻し、112円台半ばで越週。
  • ユーロドルは1.07台で推移。ドルが売られ、1.08近辺までユーロ買いが進んだが、その後反落し1.07台半ばで取引を終える。
  • 株価は大幅に上昇し、ダウは5日ぶりに2万ドルの大台を回復。トランプ大統領が金融規制緩和の大統領令に署名をしたことで、金融株が上昇を牽引。
  • 債権相場は小幅高。サンフランシスコ連銀総裁が3月利上げに言及したことで売られる場面も。長期金利は2.46%台に。
  • 金、原油は共に小幅に上昇。
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 1月非農業部門雇用者数 → 22.7万人
 1月失業率  → 4.8%
 1月平均時給  → 2.5%(前年比)
 1月ISM非製造業景況指数 → 56.5
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ドル/円 112.31 〜 113.50
ユーロ/ドル 1.0711 〜 1.0798
ユーロ/円 121.13 〜 121.67
NYダウ +186.55 → 20,071.46ドル
GOLD +1.40 → 1,220.80ドル
WTI −0.29 → 53.83ドル
米10年国債 −0.007 → 2.465%

本日の注目イベント

  • 豪 豪12月小売売上高
  • 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

1月の雇用統計では、非農業部門雇用者が市場予想を大きく上回る22.7万人でした。ADP雇用者数の大幅増加と同様に、労働市場は極めて安定的に拡大していることが確認され、直後にドル円は113円台半ばまで上昇しましたが、続いて発表された平均賃金は前年比2.5%の上昇で、こちらは予想に届いていなかったことからドル円は反落。112円31銭までドル売りが進む場面もありました。

それでも株式市場の大幅上昇に、ドル円もやや息を吹き返す場面もありました。NYダウは前日比186ドル上昇し、5日ぶりに2万ドルの大台を回復しています。この日、トランプ大統領が金融規制緩和を行う2つの大統領令に署名したことで、金融株が大きく買われ、上昇を牽引しました。ダウは186ドル上昇しましたが、アメックス、ゴールドマン、JPモルガンの金融3銘柄だけで、この日のダウ指数を100ドル余り押し上げたようです。

先週のドル円は結局112−115円のレンジ内に収まりました。ある程度落ち着きを取り戻したとは言えますが、今週も週末には日米首脳会議があり、内容次第では大きく動く可能性もあります。特にトランンプ氏側から対日貿易赤字の原因が円安によるものだと言った発言がなされるようだと、円が急速に買われ、ドル円の底値を確認する動きにつながるかもしれません。引き続き、良くも悪くも「トランプ次第」という展開になりそうです。

米雇用は安定的に拡大していると見られますが、賃金の上昇ペースがやや鈍化しています。FRBもこのあたりに注目していると見られ、今後の上昇率の変化が利上げのタイミングにも影響を与えそうです。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁はブルームバーグとのインタビューで、「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」と述べ、慎重さは必要としながらも利上げに前向きな発言をしています。

本日はNYダウが再び2万ドルの大台を回復したことで、112円台では底堅い動きが予想されます。ただそれでも先週から続く上値の重さに、どこまでドルが買われるのかが焦点になろうかと思います。予想レンジは112円〜113円30銭程度ですが、短期的な動きを示す「1時間足」では、まだ全体的に下落トレンドからは抜け出ていません。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
1/16 トランプ・次期米大統領 (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 --------
1/17 トランプ・次期米大統領 ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円113円台から112円台に。
1/17 ダドリー・NY連銀総裁 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 --------
1/18 イエレン・FRB議長 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇
1/19 ムニューチン・次期財務長官 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 ドルが乱高下
1/23 トランプ・米大統領 「雇用を米国外に移す企業には極めて大規模な国境税を課す」 ドル円113円台から112円台に。
1/23 ムニューチン・次期財務長官 「過度に強いドルは短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」上院議員からの質問に書簡で答える。 ドルが売られる。
1/30 ノボトニー・ECB理事 「ECBが次回3月の会合で量的緩和のテーパリングを協議することは決してない」講演で --------
1/31 トランプ・米大統領 日本や中国が「意図的に市場で為替操作をして、米国は損害を受けている」 ドル円113円台半ばから112円08銭まで急落。
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和