2017年2月10日(金) 「日米首脳会談を前にドル円113円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は急伸。112円台から113円35銭まで買われた。失業保険申請件数が予想以上に減少していたことや、株価が3指数とも最高値を更新し、金利も上昇するなど、好材料がドルを押し上げた。
- ユーロドルはじり安。1.06台後半から1.0651まで売られたが勢いはなく、ドル円が円安に振れた分、ユーロ円も上昇。
- 株式市場は大幅に反発し、主要3指数とも最高値を更新。トランプ減税への期待感が復活し、ダウは118ドル上昇し、2万172ドルに。
- 債券市場は反落。トランプ氏の税制発言で利上げ観測が高まり売られる。長期金利は2.39%台まで上昇。
- 金は6日ぶりに反落。原油価格は続伸し53ドル大を回復。
新規失業保険申請件数 → 23.4万件
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| ドル/円 | 112.23 〜 113.35 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0651 〜 1.0691 |
| ユーロ/円 | 120.04 〜 120.78 |
| NYダウ | +118.06 → 20,172.40ドル |
| GOLD | −2.70 → 1,236.80ドル |
| WTI | +0.66 → 53.00ドル |
| 米10年国債 | +0.075 → 2.395% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA四半期金融政策報告
- 中 中国 1月貿易収支
- 欧 企業決算 → ルノー、アルセロール・ミタル
- 英 英12月鉱工業生産
- 米 2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 米 1月財政収支
- 米 日米首脳会談(ワシントン)
- 加 カナダ1月失業率
- 加 カナダ1月就業者数
「驚異的な何か」を発表する。トランプ大統領のこの発言から、市場では忘れかけていた減税問題が復活し、株価と金利が上昇し、ドル円は一気に113円台を回復して来ました。NYでは一時113円35銭までドル高が進み、NYダウは118ドル上昇し、先月26日に記録した史上最高値を更新しました。昨日はナスダックとS&P500も揃って最高値を更新しており、再び「トランプラリー」にエンジンが点火されるのかどうかが焦点になります。
昨日はドルへの支援材料が多く、ドル円は111円60−80銭を5回ほど試して押し返されたことで、「目先の底値を確認した」可能性も出てきました。もちろん今夜のトランプ大統領との首脳会談で、何が飛びだすか予想できない部分もあり、ドルが再び下落するリスクはあるものの、今朝までに入ってきたニュースでは、その懸念もやや後退しています。
ブルームバーグは米当局者からの情報として、本日の日米首脳会談では「為替操作」の問題は優先議題ではないと、匿名を条件に語ったと伝えています。また同時に自動車業界の問題が重要なテーマになるだろうとも語っていると伝えています。昨夜羽田を飛び立った安倍首相でしたが、為替の責任者である浅川財務官は先にワシントン入りしており、日米トップの事務レベルで為替問題が話し合われ、米国側もある程度現状を追認した可能性もあります。
昨日のNYで発表された失業保険申請件数は23.4万件と、事前予想を大きく下回る改善を見せたことも利上げ観測の台頭につながり、ドル上昇の一因になっています。またトランプ大統領が米航空会社幹部や空港管理責任者との会合で、米国の運輸システムは「時代遅れ」だと指摘し、インフラ改善に取り組む考えを改めて示しています。日本が新幹線技術を前面に出して、交渉の材料にできる可能性も浮上してきました。
トランプ氏が大統領に就任してまもなく3週間になります。この間、大統領の口から出てきた言葉はリスクオフを増幅するものばかりで、根幹である財政や外交、減税などの政策は一切置き去りにされていました。この遅れがドルの重石となり、ドル円は111円台まで何度も落とされることになったわけです。税制に関する「驚異的な何か」は2〜3週間以内に発表されるようですが、併せてインフラに関する具体的な投資についても言及してくるかもしれません。
結局、いいにつけ、悪いにつけ「トランプ相場」が続きます。連日テレビ番組で放映されるニュースを見た個人投資家さんが放った「トランプは見飽きたけど、目が離せない」という言葉が今の状況を言い当てているように思います。本日のレンジは112円〜114円と日米首脳会談を考慮してワイドに予想します。目先は113円70−75銭にある、4時間足の「雲の上限」が意識されます。
いよいよ今夜から日米首脳会談。安倍首相に随行するのは、麻生財務大臣をはじめ、現安倍内閣のトップ級の閣僚です。それだけに「オールジャパン」で臨むわけで、いわば日米ナショナルチームが対峙することになります。いかんせん、相手は一癖も、ふた癖もある手ごわい相手。昨年は、広島で硬い握手をし、真珠湾で、戦争は二度と繰り返してはならないと、硬い約束をするほど「蜜月」の日米首脳でした。再び「蜜月」が来るのか、あるいは「成田離婚」ならぬ、「羽田離婚」 になるのか、しっかりと見て行きたいと思います。良い週末を・・・・・。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/9 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 | -------- |
| 1/16 | トランプ・次期米大統領 | (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 | -------- |
| 1/17 | トランプ・次期米大統領 | ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 | ドル円113円台から112円台に。 |
| 1/17 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 | -------- |
| 1/18 | イエレン・FRB議長 | 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 | ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇 |
| 1/19 | ムニューチン・次期財務長官 | 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 | ドルが乱高下 |
| 1/23 | トランプ・米大統領 | 「雇用を米国外に移す企業には極めて大規模な国境税を課す」 | ドル円113円台から112円台に。 |
| 1/23 | ムニューチン・次期財務長官 | 「過度に強いドルは短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」上院議員からの質問に書簡で答える。 | ドルが売られる。 |
| 1/30 | ノボトニー・ECB理事 | 「ECBが次回3月の会合で量的緩和のテーパリングを協議することは決してない」講演で | -------- |
| 1/31 | トランプ・米大統領 | 日本や中国が「意図的に市場で為替操作をして、米国は損害を受けている」 | ドル円113円台半ばから112円08銭まで急落。 |
| 2/1 | 浅川・財務官 | 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 | -------- |
| 2/3 | ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/6 | ドラギ・ECB総裁 | 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 | ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。 |
| 2/7 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 | -------- |



