今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年2月16日(木) 「ドル円一時115円目前まで上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は水準を切り上げ115円目前まで上昇。株高と金利上昇が続き、トランプ大統領の減税政策に対する期待が継続。
  • ユーロドルは1.0522近辺から反発。1.06台まで買われ、下落も一服。
  • 株式市場は続伸。トランプ減税への期待感からダウは107ドル上昇し、ナスダックも36ポイント上昇。ナスダックは7日連続で最高値を更新する。
  • 債券相場が続落。CPIや小売売上高が予想を上回ったことで2年債金利が上昇。長期金利も一時2.5%台まで上昇する場面も。
  • 金は5日ぶりに反発。原油価格は小幅に反落。
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 2月NY連銀製造業景気指数 → +18.70
 1月消費者物価指数 → +0.6%
 1月小売売上高  → +0.4%
 1月鉱工業生産  → −0.3%
 2月NAHB住宅市場指数 → 65
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ドル/円 113.85 〜 114.96
ユーロ/ドル 1.0522 〜 1.0605
ユーロ/円 120.70 〜 121.28
NYダウ +107.45 → 20,611.86ドル
GOLD +7.70 → 1,233.10ドル
WTI −0.09 → 53.11ドル
米10年国債 +0.027 → 2.497%

本日の注目イベント

  • 豪 豪1月雇用統計
  • 欧 ECB議事要旨
  • 米 1月住宅着工件数
  • 米 1月建設許可件数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 2月フィラデルフィア連銀景況指数

そろそろ調整があってもおかしくはないと思っていたNY株式市場は、昨日も続伸し、ダウは2万600ドル台に乗せました。ナスダックも上昇し、これで7営業日連続の最高値更新です。明らかに買われすぎだとは思いますが、かなりの資金がNY株式市場に流れこみ「買うから上がる。上がるから買う」というミニバブルの様相を呈していると見ています。減税への期待感だけでは説明できないような勢いです。

一方為替市場の方はまだ冷静です。ドル円は114円96銭まで買われましたが、その後反落して114円近辺まで押し戻される展開でした。114円50銭〜115円にかけては、強めの「レジスタンス・ゾーン」があることを昨日この欄でも書きましたが、結局抜けきれずに戻って来ました。米長期金利も2.5%台に乗せたためドルへの支援材料となり、上値を試した形でしたが、先ず最初の一次攻撃では115円抜けには失敗しています。

トランプ大統領は昨日ホワイトハウスで大手小売チエーンの経営者に対し、景気刺激に向け税制改革案を速やかに提出すると述べました。この会合には、ターゲットやJCペニー、ギャップなど小売業のCEOが招かれ、大統領と意見交換を行ったようです。先週、トランプ大統領は税制について「驚異的な何か」を発表すると言い残していました。どうやら、「その何か」が近いうちに発表される見込みです。株式市場はその内容に期待が集まり、先行する形で織り込む動きを見せています。確かに、この点については良い悪いは別にして「有言実行」を見せてきており期待感も膨らみます。

フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は昨日の講演で、年3回の利上げを支持する考えを改めて表明しました。インフレ率は年内遅く、ないしは来年には金融当局の目標に上昇するとしながら、「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」と述べています。実際、昨日発表された1月の消費者物価指数(CPI)は、前月の+0.3%から+0.6%へと、大幅に上昇していました。FRBが目標としているCPIは「PCE・コアデフレータ」ですが、足元では物価がじわじわとゆっくりと上昇していることが伺えます。因みにハーカー総裁は今年、FOMCでの投票権を有しています。

ドル円は115円抜けには失敗していますが、今日も底堅い動きが予想されます。115円には届かなかったことから、114円台後半からはドル売りが並ぶと見ています。余程の材料が出ない限り、東京時間で115円乗せは難しいでしょう。予想レンジは113円70銭から114円70銭程度とします。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
1/16 トランプ・次期米大統領 (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 --------
1/17 トランプ・次期米大統領 ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円113円台から112円台に。
1/17 ダドリー・NY連銀総裁 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 --------
1/18 イエレン・FRB議長 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇
1/19 ムニューチン・次期財務長官 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 ドルが乱高下
1/23 トランプ・米大統領 「雇用を米国外に移す企業には極めて大規模な国境税を課す」 ドル円113円台から112円台に。
1/23 ムニューチン・次期財務長官 「過度に強いドルは短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」上院議員からの質問に書簡で答える。 ドルが売られる。
1/30 ノボトニー・ECB理事 「ECBが次回3月の会合で量的緩和のテーパリングを協議することは決してない」講演で --------
1/31 トランプ・米大統領 日本や中国が「意図的に市場で為替操作をして、米国は損害を受けている」 ドル円113円台半ばから112円08銭まで急落。
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和