今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年2月22日(水) 「NYダウ8営業日続伸」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はアジア市場の動きを引き継ぎ上昇したものの、113円台後半では上値の重さは変わらず。株価の上昇の割には伸びず、ユーロ円などの売りに上昇を抑えられた。
  • ユーロドルは続落。フランス大統領選でルペン氏の支持率が上昇したことを懸念し売りが強まった。一時は1.0526まで売られ、テクニカル的にも重要な値位置まで下落。
  • 株式市場は続伸。小売業の決算が好調だったためダウは119ドル上昇し、これで8営業日連続で最高値を更新。ウォルマート株などは大きく値を上げる。
  • 債券相場は朝方売られたものの、フランス大統領選で政治的リスクが高まったことで下げ幅を埋める。長期金利は小幅に上昇し、2.42%%台に。
  • 金は小幅に反落。原油価格は上昇し、約1カ月ぶりに54ドル台を回復。
ドル/円 113.41 〜 113.78
ユーロ/ドル 1.0526 〜 1.0552
ユーロ/円 119.56 〜 119.85
NYダウ +118.95 → 20,743.00ドル
GOLD −0.20 → 1,238.90ドル
WTI +0.66 → 54.06ドル
米10年国債 +0.014 → 2.429%

本日の注目イベント

  • 独 独2月IFO景況指数
  • 欧 ユーロ圏1月消費者物価指数(改定値)
  • 欧 企業決算 → バイエル、エアバス
  • 英 英10−12月期GDP(改定値)
  • 米 1月中古住宅販売件数
  • 米 FOMC議事録(1月31、2月1日分)
  • 加 カナダ12月小売売上高

連休明けのNY市場では、相変わらず株式市場への資金流入が止まらず主要3指数は揃って最高値を更新しています。ウォルマートの決算が好調で、個人消費が活発だったことが示され、小売株を中心に株価が上昇しました。ダウは先週末比118ドル買われ、2万700ドル台で引けています。一方その割にはドル円の上値は重く、アジアから欧州市場でつけた113円70銭をわずかに上回る程度の伸びに留まっています。

ドル円の上値が重いのは、欧州で政治的リスクが高まってきたのと、再びギリシャ支援問題がクローズアップされてきたからです。フランスの大統領選で、極右政党「国民戦線」のルペン党首の支持率が上昇したとの報道が「Brexit」を連想させたからです。フランスの大統領選は2回投票制で、第一回の投票は4月23日に行われます。ここでの上位2名が5月に行われる決選投票に進みます。今のところ、ルペン氏が決選投票で勝利するという世論調査はありませんが、イギリスのEU離脱と、トランプ氏の大統領選の勝利を考えると、まったく可能性がないとは言い切れません。

そのため昨日はユーロドルでドル高が進んだものの、ドル円ではそれほどドル高が進んでいません。ユーロを対円で売ろうという動きがあったものと推測されます。NY株式市場が一段と上昇し、米長期金利も若干上昇し、「リスクオン」が進んだ割には円売りが進んでいません。

実際一目均衡表の転換線と基準線(1時間足)を観ても、横ばいとなっており、上昇傾向は見せていません。さらにドル円の上値を抑えているのが、今週中にも発表されると見られる「トランプ税制」の中身です。法人税と所得税を大幅に減税しようというものですが、その「原資」として「国境調整税」の創設が噂されています。もしこれが創設されれば、日本からの輸出が相当ダメージを受けることになり、米国の貿易収支が大幅に改善されることが見込め、これがドル円だけではなく、日本株の上値も抑えている可能性があります。ここは発表を待つしかありません。

本日も、本来なら米国株の上昇に日本株も引っ張られる展開が見込めるはずですが、上述のように、そのまま当てはまらない状況です。予想レンジは113円〜114円30銭程度を見ています。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
1/16 トランプ・次期米大統領 (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 --------
1/17 トランプ・次期米大統領 ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円113円台から112円台に。
1/17 ダドリー・NY連銀総裁 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 --------
1/18 イエレン・FRB議長 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇
1/19 ムニューチン・次期財務長官 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 ドルが乱高下
1/23 トランプ・米大統領 「雇用を米国外に移す企業には極めて大規模な国境税を課す」 ドル円113円台から112円台に。
1/23 ムニューチン・次期財務長官 「過度に強いドルは短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」上院議員からの質問に書簡で答える。 ドルが売られる。
1/30 ノボトニー・ECB理事 「ECBが次回3月の会合で量的緩和のテーパリングを協議することは決してない」講演で --------
1/31 トランプ・米大統領 日本や中国が「意図的に市場で為替操作をして、米国は損害を受けている」 ドル円113円台半ばから112円08銭まで急落。
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和