今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年2月28日(火) 「米金利上昇でドル112円台後半へ」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は明日のトランプ大統領の議会演説の内容を確認したいとする中、米長期金利が反発したことで買い戻しが優勢に。112円84銭まで買われ下落も一服。
  • ユーロドルは1.06台前半まで反発。上値は重いものの、1.05〜1.06台のレンジが続く。
  • 株式市場は小幅に続伸。ダウは先週までの勢いはなくなったものの15ドル上昇し、12営業日連続で最高値を更新。
  • 債券相場は反落。連日買われていた債券もこの日は短期債を中心に売られた。長期金利は2.36%台まで上昇。
  • 金は続伸。ザラ場では1260ドル台まで買われ、3カ月ぶりに高値を記録したが、その後失速し50セント高で取引を終える。原油は小幅に反発。
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 1月耐久財受注 → +1.8%
 1月中古住宅販売成約指数 → −2.8%
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ドル/円 111.96 〜 112.84
ユーロ/ドル 1.0581 〜 1.0631
ユーロ/円 118.80〜 119.46
NYダウ +15.68 → 20,837.44ドル
GOLD +0.50 → 1,258.80ドル
WTI +0.06 → 54.05ドル
米10年国債 +0.053 → 2.365%

本日の注目イベント

  • 豪 豪10−12月期経常収支
  • 日 1月鉱工業生産
  • 欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
  • 米 10−12月GDP(改定値)
  • 米 12月ケース・シラ−住宅価格指数
  • 米 2月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 2月消費者信頼感指数
  • 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 米 トランプ大統領、議会で演説
  • 米 2月リッチモンド連銀製造業指数

市場の関心は、いつNYダウは上げ止まるのかということですが、昨日も小幅ながら上昇し、これで12営業日連続で過去最高値を更新中です。通常、株価が上昇するとリスクオンから円が売られ、ドル円は上昇する傾向がありますが、今月に入ってからはむしろ「逆相関」に近い動きを見せており、昨日は111円92銭まで朝方にはドルが売られています。

これはもちろんトランプ大統領の政策に対する不安を反映していることが背景で、経済政策や税制などは今だにその詳細がわかっていません。特に税制改革については2月9日の会談の席で「驚くべき内容」だと予告したものの、3週間余りたっても、その内容は明らかになっていません。明日、日本時間午前11時の議会演説でその内容に触れるのかどうかが最大の材料になります。トランプ大統領は近いうちに発表すると言っており、ここでもし何も言及がないようなら、失望感からドルが売られ、ダウも絶好の利益確定の場になりかねません。一方その内容が期待通りのものであれば、再びトランプラリーに火がつき、ドル円も115円に向かって上昇を強めることになると予想されます。

今朝のニュースでは、複数のホワイトハウス当局者からの情報として、トランプ大統領は国防予算の540億ドル増額を求める一方、その他の予算では540億ドル分の歳出削減を求める見通しだと伝えられています。(ブルームバーグ)

まもなくFOMCメンバーは「ブラックアウト期間」に入るため、今週末までFRB要人の講演が多く予定されています。ダラス連銀のカプラン総裁は昨日オクラハマ州で講演を行い、3月利上げには触れていないものの、金融当局は「早め」に利上げをすべきだと改めて表明しました。総裁は「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」と述べています。(ブルームバーグ)

ドル円は昨日の東京時間には112円割れは若干見られたものの、日経平均が大幅安を演じたわりには底堅い動きを見せました。節目の111円台半ばを試すことなく反発し、NY市場では112円84銭まで上昇しています。まだ111円台が完全に固められたとは言い切れませんが、上値が重い中、111−115円のレンジが居心地よさそうにも見えます。

本日は、明日の大統領演説を前に動きにくい展開です。演説の内容で上下どちらにも動く可能性があり、無理はできません。予想レンジは112円20銭〜113円20銭程度を見ています。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
1/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米財政政策に関する不透明感を踏まえれば、次の利上げはやや時期尚早だ」講演で。 --------
1/16 トランプ・次期米大統領 (EU離脱は)素晴らしいものになる。英国民は自身の独自性を求めた。難民受け入れを押しつけられなければ、EU離脱はなかっただろう」ツイッターで。 --------
1/17 トランプ・次期米大統領 ドルは既に「強すぎる」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円113円台から112円台に。
1/17 ダドリー・NY連銀総裁 「景気拡大が向く数年にわたって続くと楽観している」講演で。 --------
1/18 イエレン・FRB議長 「私と同僚の大半が、先月、2019年末にかけて年数回の利上げを予想していた。」講演で。 ドル円113円台半ばから114円台半ばへ上昇
1/19 ムニューチン・次期財務長官 「長期的には強いドルが重要だ」「ドルは非常に、非常に強い」「(中国を為替操作国への認定を勧告するかとの質問に対して)私はそうするだろう」公聴会で。 ドルが乱高下
1/23 トランプ・米大統領 「雇用を米国外に移す企業には極めて大規模な国境税を課す」 ドル円113円台から112円台に。
1/23 ムニューチン・次期財務長官 「過度に強いドルは短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」上院議員からの質問に書簡で答える。 ドルが売られる。
1/30 ノボトニー・ECB理事 「ECBが次回3月の会合で量的緩和のテーパリングを協議することは決してない」講演で --------
1/31 トランプ・米大統領 日本や中国が「意図的に市場で為替操作をして、米国は損害を受けている」 ドル円113円台半ばから112円08銭まで急落。
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和