今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月1日(水) 「連銀総裁発言でドル円急反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は上値の重い東京市場の流れを受けて111円69銭まで下落したが、サンフランシスコ連銀総裁の発言をきっかけに急速に値を戻す。112円90銭までドルが買い戻され、昨日の東京市場の高値を上回る。
  • ユーロドルも1.06台からユーロ売りが強まり、1.0572まで反落。
  • 株式市場は反落。12日連続で最高値を更新していたダウも、この日は25ドル下落。本日のトランプ大統領の演説を前に利益を確定する動きが出た格好。
  • 債券相場は続落。SFシスコ連銀の総裁が3月での利上げを「真剣に協議する」と発言したことで売りが優勢に。長期金利は2.39%台まで上昇。
  • 金と原油は小幅に反落。
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 10−12月GDP(改定値) → +1.9%
 12月ケース・シラ−住宅価格指数 → +5.58%
 2月シカゴ購買部協会景気指数 → 57.4
 2月消費者信頼感指数 → 114.8
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ドル/円 111.69 〜 112.90
ユーロ/ドル 1.0572 〜 1.0630
ユーロ/円 118.67〜 119.40
NYダウ −25.20 → 20,812.24ドル
GOLD −4.90 → 1,253.90ドル
WTI −0.04 → 54.01ドル
米10年国債 +0.027 → 2.390%

本日の注目イベント

  • 豪 豪10−12月期GDP
  • 中 中国 2月製造業PMI
  • 中 中国 2月サービス業PMI
  • 中 中国 2月財新製造業PMI
  • 独 独2月雇用統計
  • 独 独2月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏2月製造業PMI(改定値)
  • 英 英2月製造業PMI
  • 英 英1月消費者信用残高
  • 米 1月個人所得
  • 米 1月個人支出
  • 米 1月PCEコアデフレータ
  • 米 2月ISM製造業景況指数
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 加 カナダ中銀政策金利発表

連日最高値を更新中だったNYダウは、ついに上昇にブレイキがかかり、13日連騰にはなりませんでした。

市場は本日の11時に行われるトランプ大統領の演説待ちの状況でしたが、3月のFOMCでの利上げ観測がやや高まり、株式市場へも影響を与えたようです。もっとも、ダウは12営業日連続で最高値を更新中でしたが、このまま上昇し続けることはなく、どこで上昇が止まるかは時間の問題でした。問題は、このあと2万1000ドルに向かって上昇できるかどうかです。

NY連銀のダドリー総裁はCNNとのインタビューで、データの大半がトレンドを上回る経済成長と合致していると述べ「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」と語っています。また、SFシスコ連銀のウィリアムズ総裁も「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」と述べており、さらに「利上げをしたとしても、引き続き米経済は健全なペースで成長していくと私は確信している」と語っています。(ブルームバーグ)因みに、NY連銀総裁はFOMCでの投票権は持っていますが、SFシスコ連銀総裁は持っていません。

市場のコンセンサスは3月利上げはないとの見方ですが、昨日の経済指標を見ても、GDP改定値は予想の2.1%を下回り1.9%でしたが、速報値から横ばいでした。しかし、2月の消費者マインドは「114.8」と、こちらは2001年7月以来の高水準で、向こう6カ月の期待指数も「102.4」と高水準でした。さらに、シカゴ購買部協会景気指数も予想の「111.0」に対して「114.8」と大幅に予想を上回っていました。ダドリー総裁が述べた「データの大半がトレンドを上回る」ことを証明したような形になりました。3月利上げに関しては五分五分と見ていますが、ここにきて個人的にはやや「利上げもあり得る」との方向に傾いています。

ドル円は111円台半ばを何度も試しては押し戻されています。現時点では上値が重いことはわかっていても、111円台ではドル買い意欲も強いようで、ここを抜けるには強力な材料が必要です。本日のトランプ大統領の演説内容次第では、その可能性もありますがスパイサー大統領報道官は27日、トランプ大統領は税制と規制改革の詳細を含む法整備の課題を説明すると述べています。税制改革についてはすでに「驚くべき内容」と述べているだけに、普通の内容では「失望」につながってしまうおそれがあります。投資家の期待に応えられる内容なのかどうか、注目したいと思います。本日の予想レンジはややワイドに、111円20銭〜113円70銭程度にしたいと思いますが、一方方向に動いた場合、これでもこどちらにも抜けるか可能性があるかもしれません。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和