今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月3日(金) 「米金利高に支えられドル円堅調」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は緩やかに上昇し、114円59銭まで買われる。FOMCメンバーからタカ派的な発言が相次ぎ、長期金利が上昇したことに反応。
  • ドル高が続き、ユーロドルも節目の1.05を割り込み、1.0495近辺まで下落。
  • 株式市場は反落。前日に300ドル以上の上昇を見せたことから利益確定の売りに押され、銀行株などが売られる。ダウは112ドル下落したものの、2万1000ドルの大台は維持。
  • 債券相場は4日続落。パウエルFRB理事が年内3回の利上げは適切などと発言したことが売りにつながる。長期金利は2.48%台に上昇。
  • 金は続落。原油価格は大幅に売られ52ドル台に。
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 新規失業保険申請件数 → 22.3万件
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ドル/円 114.24 〜 114.59
ユーロ/ドル 1.0495 〜 1.0528
ユーロ/円 120.17〜 120.44
NYダウ −112.58 → 21,1002.97ドル
GOLD −17.10 → 1,232.90ドル
WTI −1.22 → 52.61ドル
米10年国債 +0.029 → 2.481%

本日の注目イベント

  • 日 1月消費者物価指数
  • 日 1月失業率
  • 独 独1月小売売上高
  • 欧 ユーロ圏1月小売売上高
  • 英 英2月サービス業PMI
  • 米 2月ISM非製造業景況指数

連日最高値を更新し、ややバブル化しているようにも見えるNY株式市場は昨日は大幅に反落しています。NYダウは112ドル下落し、前日に300ドルを超える上昇を見せたことを考えると、上昇一服も当然と受け止められているようです。ただ100ドルを超える下げを見せたのは、1月末以来1カ月ぶりのことです。

株価が軟調だった割には、ドル円はしっかり114円台をキープし、NYでは114円59銭までドル高が進みました。FRB高官のタカ派的な発言が相次ぎ、3月利上げを織り込む格好で金利が緩やかに上昇してきたことが、ドルを支える構図になっています。

FRBのブレイナード理事は、ハーバード大学でのイベントに参加し「(利上げは)すぐに適切になりそうだ」と発言しています。同氏は「ハト派」の論客として知られており、同氏がタカ派発言をしたことは、それなりに驚きをもって受け止められています。

また、パウエルFRB理事も同様の発言を行っています。パウエル理事はCNBCのインタビューで「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で協議の対象になるだろう」と語っています。今週はNY連銀総裁など、多くのFOMCメンバーが揃って「タカ派的」な発言を繰り返しています。そのため、金利先物市場が示す3月利利上げの確率はついに90%まで上昇してきました。

本日も、イエレン議長とフィッシャー副議長の講演があります。明日からブラックアウト期間が始まるため、本日が最後の発言機会です。まさに真打登場といったところですが、上で述べたように、既に利上げを織り込む動きが進行しており、仮に両氏が利上げに前向きな発言をしてもそれほど新鮮味はないのかもしれません。もちろん市場はそれなりの反応を見せるかもしれませんが、関心があるのはその次の利上げのタイミングでしょう。

ドル円は114円59銭まで上昇したことで、現在雲の中(日足)におり、雲の上抜けに挑んでいる状況です。52日「移動平均線」にちょうど到達したところで、雲抜けには114円90銭程度までの上昇が必要です。上記FRB幹部が利上げに対する明確なメッセージを発し、長期金利が2.5%台に乗せるようなら、この水準をテストすることにもなろうかと思います。この水準をしっかりと抜ければ、日足での雲抜けが完了することから、その後の「景色」は大きく変わってくることになります。ただそれでもトランプ大統領からの強烈なメッセージがなりを潜めている状況下では、ドルの上昇は緩やかなものになろうかと思われます。本日の予想レンジは113円80銭〜114円80銭程度とします。


日本時間1日に行われたトランプ大統領の議会演説。全体的には「可もなく不可もなく」といった印象でした。攻撃的な言葉もなく、ちょうど昨年11月の大統領選に勝利した直後の演説と同様でした。この日の演説についてある米紙は「Trump becomes more Presidential 」(トランプ氏、より大統領らしくなる)との評価でしたが、なかなかうまい表現だと思いませんか?良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和