今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月6日(月) 「ドル円114円台後半から反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はイエレン議長の講演を受けて114円75銭まで上昇した。ただその後は利益確定のドル売りが優勢となり、113円83銭まで売られ、114円近辺で取引を終える。
  • ユーロドルは反発。1.05台半ばから1.06台前半まで買われる。今週のECBの金融政策を前に、ショートの買い戻しが優勢に。
  • 株式市場は小幅ながら反発。イエレン議長が3月の利上げを示唆したもののほぼ変わらず。ダウは2ドル上昇し、他の指数も同様の動き。
  • 債券相場も議長の講演を受け金利が上昇したものの、引け値では小幅な低下に留まる。
  • 金は4日続落し、原油は反発。
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 2月ISM非製造業景況指数 → 57.6
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ドル/円 113.82 〜 114.75
ユーロ/ドル 1.0541 〜 1.0624
ユーロ/円 120.71〜 121.04
NYダウ +2.74 → 21,005.71ドル
GOLD −6.40 → 1,226.50ドル
WTI +0.59 → 53.20ドル
米10年国債 −0.003 → 2.478%

本日の注目イベント

  • 豪 豪1月小売売上高
  • 中 中国 全人代
  • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

「3月利上げが適切になりそうだ」・・・イエレン議長は3日、シカゴでの講演で、「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」と述べました。14−15日に開催される会合で、昨年12月以来の利上げが実施されると見て、ほぼ間違いない状況になって来ました。

議長は「FOMCが後手に回っているとの兆候は現在全く見当たらない。そのため、緩やかなペースでの緩和策解除が適切になる可能性が高いとする当局判断について、私は引き続き自信を持っている」(ブルームバーグ)と発言しています。これまでもNY連銀総裁や、SFシスコ連銀総裁など、多くのFOMCメンバーが3月利上げに前向きな発言を繰り返してきましたが、議長のこの日の発言で来週の会合での利上げはほぼ確実な情勢です。因みに金利先物市場が織り込む利上げ確立は、今朝の時点で94%まで上昇しています。

ドル円はこの発言を受け、一時114円75銭までドル高が進みましたが、その後長期金利とともに伸び悩み、下落に転じ114円割れまでドルが売られましたが、これはいわゆる「材料出尽くし」ということで、「Sell on NEWS(FACT)」と考えられます。一部の情報では、議長から今後の利上げペースの加速につながる発言がなかったことがその原因の一つだと伝えるところもありますが、議長はこのようにも述べています。「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」と述べており、今後の利上げペースがこれまでとは異なる可能性にも言及しています。この種の発言はこれまでにはなく、株価の上昇が続き米景気が過熱する恐れがあることを念頭に置いての発言だと理解しています。

ドル円は米利上げを織り込む形で、114円75銭まで上昇し、その前日に記録したドルの高値を抜いています。今回の上昇は111円半ばから利上げ観測の高まりが支えとなって3円ほど上昇したわけですが、115円を前に利益確定のドル売りが出るのは、セオリー通りの動きと言えます。先の議会で、トランプ大統領は過激な発言もなく、穏便に演説を終えましたが、「トランプリスク」は依然として残っており、市場も大統領がどの程度の為替水準を許容できるのか手探りの状況です。115円というのはその意味で、ドルが上昇する上での最初の節目であるということが言えると思います。

テクニカルで見ても115円台に乗せれば、日足の「雲抜け」を完成させることになり、上昇に弾みがつくことになりますが、今のところ「雲抜け」には失敗しています。今後はもみ合いながら、今週末の雇用統計の内容を見極めることになろうかと思います。本日の予想レンジは113円40銭〜114円40銭程度とします。上昇を続けているNY株式市場も、このところ上昇の勢いが鈍ってきたように思えます。まだ「調整局面入り」するのかどうかの判断はできませんが、株価の動きには注意が必要です。今回のダウ上昇局面ではドル円への影響は軽微でしたが、株価が本格的な調整に入れば、リスクオフが進み、ドル円へ影響は大きいと予想しています。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和