今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月7日(火) 「ドル円114円を挟んでもみ合い」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は北朝鮮のミサイル発射の影響もあり上値が重い展開。一時は113円64銭まで売られたが、114円台に戻す場面も。結局113円85−90銭で取引を終える。
  • ユーロドルはほぼ1.05台で推移。欧州時間に1.06台に乗せたものの、押し戻され1.0580−90で引ける。
  • 株式市場は利上げが意識され朝方からマイナス圏で推移。ダウは51ドル下落し、2万1000ドルを割り込む。
  • 債券相場も下落。先週のイエレン議長の発言が尾を引き軟調な展開。長期金利は2.49%台へと小幅に上昇。
  • 金は5日続落し、原油も小幅に反落。
ドル/円 113.64 〜 114.10
ユーロ/ドル 1.0575 〜 1.0608
ユーロ/円 120.48 〜 120.71
NYダウ −51.37 → 20,954.34ドル
GOLD −1.00 → 1,225.50ドル
WTI −0.13 → 53.20ドル
米10年国債 +0.020 → 2.498%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 中 中国 2月外貨準備高
  • 欧 ユーロ圏10−12月期GDP(確定値)
  • 欧 OECD経済見通し公表
  • 米 1月貿易収支
  • 米 1月消費者信用残高
  • 加 カナダ1月貿易収支

昨日の朝方に北朝鮮がミサイル4発を発射したことで、114円台で推移していたドル円は113円台に。日本株も売り方が優勢となり、全体としてリスクオフの流れとなり冴えない1日にでした。ドル円は113円56銭まで売られたものの、3月利上げを意識し、積極的には売り込めず114円台を回復する場面もありましたが、戻りも限定的でした。市場では既に、週末の雇用統計を待つ雰囲気も漂っているような状況です。

米長期金利が小幅に上昇したこともドル円の下落をサポートしたようですが、これは、先週末のイエレン議長の3月利上げには前向きな発言が意識されたものと見られます。今週末に発表される2月の雇用統計で「余程ひどい内容」が出ない限り、来週のFOMCでの利上げは揺るがないものと思われます。これまでの講演での発言を考えると、FOMCの主要メンバーのほぼ全員が利上が妥当だとの意見に傾いているようです。

イエレン議長は先の議会証言では長すぎる緩和策の維持は賢明ではないとさえ、言明しています。3月利上げが確実視される中、市場は次の利上げのタイミングを探る状況になってきます。今後は、6、9、12月にイエレン議長の会見を伴う会合が予定されています。現時点では9月、12月に再利上げが行われると予想していますが、景気の過熱感が出てくるようだと、6月にも再利上げがないとは言えません。

トランプ大統領の経済政策はまだ実施されていません。インフラ投資や、減税の規模は今後議会での承認を経て決められますが、仮にこの規模の政策が実施されるとしたら、6月の再利上げの可能性が高まることになります。

2月の雇用統計の内容と、14−15のFOMCが終われば、市場の目は欧州に向かいそうです。オランダの総選挙を皮切りに政治的なイベントが続き、NEXIT(オランダ)やFREXIT(フランス)があるのかどうかで通貨ユーロが大きく揺れ動くことになりそうです。もちろん、ドル円も「リスクオフ」が加速するようだと、蚊帳の外というわけにはいきません。

本日のドル円は113円40銭から114円40銭程度を予想しますが、個人的には中国の2月の外貨準備高に注目しています。1月には既に3兆ドルの大台を割り込んでおり、どこまで減少しているのかが焦点です。減少幅が拡大しているようだと、資本規制の強化が想定され、不動産価格の急落などにつながる恐れが出てきます。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和