今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月8日(水) 「米長期金利2.51%台へ上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はほとんど動きがなく、114円を挟んだ展開。ECB理事会と雇用統計を見極めたいとする雰囲気が強く、値幅は27銭。
  • ユーロドルも1.05台半ばから後半で小動き。
  • 株式市場は続落。ヘルスケア関連銘柄などが売られ、ダウは29ドル安。他の主要指数も揃って続落。
  • 債券相場も続落。3年債入札が不調だったことと、利上げ観測が重石となり売られた。長期金利は2.51%台まで上昇。
  • 金は利上げ観測を背景に6日続落。原油価格も小幅に下落。
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 1月貿易収支 → 485億ドルの赤字
 1月消費者信用残高 → 87.94億ドル
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ドル/円 113.89 〜 114.16
ユーロ/ドル 1.0561 〜 1.0588
ユーロ/円 120.40 〜 120.65
NYダウ −29.58 → 20,924.76ドル
GOLD −9.40 → 1,216.10ドル
WTI −0.06 → 53.14ドル
米10年国債 +0.018 → 2.518%

本日の注目イベント

  • 日  2月景気ウオッチャー調査
  • 日 10−12月GDP(改定値)
  • 日 1月国際収支
  • 日 1月景気動向指数
  • 中 中国2月貿易収支
  • 独 独1月鉱工業生産
  • 米 2月ADP雇用者数
  • 加 カナダ2月住宅着工件数
  • 加 カナダ1月建設許可件数

ドル円やユーロドルなど、為替はほとんど動いていません。昨年11月のトランプショック以来、これほど値動きがなかったことはないと記憶していますが、原因は明日のECB理事会や週末の雇用統計を待つ雰囲気だけでもなさそうです。

米長期金利が1月25日以来となる2.51%台まで上昇したものの、ドル円は115円を試す動きもなく、114円を挟んで膠着状態です。これは111−115円のレンジを上も下も抜け切れないことで、動きが取れない状況が背景にあるものと見られます。またユーロドルも、政治的イベントを多く控えていることから上値が重いことはわかりますが、それでも1.05近辺では常に押し戻される展開が続いています。115円と1.05が、どちらも重要な値位置で、これを明確に抜けると大きく動くと見ています。

1月の米貿易収支が発表されました。貿易赤字額は前月比9.6%増の485億ドルと、2013年3月以降で最大でした。特に自動車、同部品の輸入が過去最高となったほか、石油製品の輸入も2年ぶりの高水準だったようです。国別では、対中国が278億ドルで赤字幅が拡大しており、対メキシコは減少しています。(ブルームバーグ)赤字幅の拡大はトランプ大統領にとって、許容できないことがらの一つです。日中独が自国通貨を安く誘導し、その結果米国の赤字額が積みあがっていると主張しているからです。

この件関して、ドイツのショイブレ財務相は「ドイツがこの黒字を不正操作で築いているとは、誰も言えない」とし、「根本にあるのはドイツ経済の競争力だ」と述べ、真っ向から反論しています。来週17〜18日にはドイツのバーデンバーデンで「G20」が開かれます。この席で、米財務長官との間で貿易不均衡も議題の一つになる可能性もあり、この件に関しても、ジョイブレ財務相は、喜んで議論したいと述べています。

好調だったNYダウは2日続落し、長期金利も2.51%台まで上昇し、市場はゆっくりと来週の利上げを折り込む動きを見せて来ました。ドル円にとって金利上昇は強い「味方」にはなりますが、株安は逆風になります。ただドル円はこのところ金利に反応する傾向があるため、足元の金利の動きが続くならドル円の大幅な下落は見込みにくいということになります。次回FOMCでの利上げはほぼ間違いないと思われますが、週末の雇用統計が注目されます。

本日の予想レンジは昨日と同じく113円40銭〜114円40銭とします。ドル円は現在、1時間足の狭い雲の中で上下しています。雲の上限と下限がそれぞれ売り買いのポイントになりますが、どちらか抜けたときには「順張り」で追随するのが定石です。
本日のADP雇用者数がそのきっかけになるかもしれません。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和