今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月15日(水) 「ドル円『往ってこい』の展開」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は欧州時間に115円20銭近辺まで買われたものの、NYでは金利が低下し、原油価格が47ドル台に下落したことで反落。114円51銭までドル安が進み、114円70−80銭で引ける。
  • ユーロドルは売られたものの1.06台は維持。ドイツの経済指標が良好だったものの、上値は限られた。
  • 株式市場は続落。原油価格が47ドル台まで売られたことで、石油関連株が下落。ダウは44ドル下げ、他の主要指数も揃って続落。
  • 債券相場は反発。2月のPPIは上昇したが、原油安でインフレ期待が後退。長期金利は2.60%台に低下。
  • 金はほぼ変わらず。原油価格はサウジなど、OPEC加盟国の減産が一段と進んでいることで7日続落。47ドル台まで売られ、昨年11月末以来の水準を記録。
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 2月生産者物価指数 → +0.3%
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ドル/円 114.51 〜 115.01
ユーロ/ドル 1.0600 〜 1.0647
ユーロ/円 121.65 〜 122.13
NYダウ −44.11 → 20,837.37ドル
GOLD −0.50 → 1,202.60ドル
WTI −0.68 → 47.72ドル
米10年国債 −0.026 → 2.600%

本日の注目イベント

  • 欧 オランダ下院選挙
  • 英 英2月雇用統計
  • 米 FOMC 政策金利発表
  • 米 イエレン議長記者会見
  • 米 3月NY連銀製造業景気指数
  • 米 2月消費者物価指数
  • 米 2月小売売上高
  • 米 3月NAHB住宅市場指数
  • 米 連邦債務上限の適用停止期間が終了

ドル円は115円台がやや重くなりつつある一方、114円台半ばは維持され、重要イベントを前にポジション調整の域を出ません。昨日の欧州市場では115円20銭までドルが買われたものの、上昇は続かず、NYでは一旦114円51銭まで売られた後、結局昨日の水準で戻って来ました。

本日のFOMCでは利上げはほぼ確実で、発表は朝方3時です。現行のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標0.5%〜0.75%を0.75%〜1.00%へと引き上げると見られています。注目すべきは、FOMCメンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)です。年内利上げ3回が昨年12月時点での予測でしたが、これが4回を見通すことができるのかどうかです。既に大手米銀では3回から4回に予想を見直しているところも出ており、個人的にもインフレ率以外の指標がほぼ良好なことから、その可能性は高いと考えています。

また、その後のイエレン議長の会見内容も重要です。仮にドットチャートで4回の利上げを示唆しても、議長自らの言葉が「利上げのペースは依然ゆるやかなものになる」といった内容であれば、ドルの上値は限定的なものになるかもしれません。また、その逆もあり得ます。議長は今月4日の講演で、「緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」と発言し、市場にその準備を促しているからです。いずれにしてもカギは利上げではなく、ドットチャートと、イエレン議長の会見内容です。

もう一つの注目は、やはりオランダの総選挙でしょう。そして市場が警戒するのは、この選挙でもし極右の自由党が勝利した時のフランス大統領選への影響です。ユーロ圏第二の大国であるフランスでも「FREXIT」が起こるようなら、通貨ユーロの危機につながる恐れがあるからです。

ただ今朝の情報では、その可能性がやや低下しています。投票前日の世論調査では、ウィルダース率いる自由党の大幅後退を示しているようです。ブルームバーグは、自由党の獲得議席は150議席中16にとどまる見通しだと伝えています。これは13日公表された前回の調査結果を4議席下回っており、昨年12月には獲得議席数が32に達するとの結果もありました。自由党への支持率が低下していると見られます。ただイギリスの例もあり、昨年11月の米大統領選でも「まさか」が実際に起きており、ここは「学習効果」を無駄にしてはならない局面です。

本日は上で述べたように、動きにくい相場展開が予想されます。ドルが売られた際には114円50銭が下抜けするのかどうか。また上値は115円台半ばが重要なポイントになろうかと思います。レンジはワイドに114円〜115円50銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和