今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月21日(火) 「ドル円一時112円台半ばを割り込む」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は続落し、112円50銭を割り込む場面も。米金利の低下や、G20での保護貿易の高まりを抑える具体的な合意に至らなかったことが背景。
  • ユーロドルは小動き。1.07台半ばを中心に一進一退。
  • 株式市場は高安まちまち。ダウは8ドル下落したものの、ナスダックは小幅に上昇。金融株の下落が目立った。
  • 債券相場は反落。ミネアポリス連銀総裁の、米成長率が依然として遅すぎるとの発言が買い材料に。長期金利は2.46%台まで低下。
  • 金は続伸し、原油は続落。
ドル/円 112.49 〜 112.88
ユーロ/ドル 1.0725 〜 1.0760
ユーロ/円 120.71 〜 121.31
NYダウ −8.76 → 20,905.86ドル
GOLD +3.80 → 1,234.00ドル
WTI −0.56 → 48.22ドル
米10年国債 −0.040 → 2.461%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 英 英2月物価統計
  • 英 英2月財政収支
  • 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
  • 米 クリーブランド連銀総裁講演
  • 加 カナダ1月小売売上高

ドル円はじりじりと値を下げ、3月1日以来の112円台半ばです。FOMCでは予想通り利上げを行ったものの、市場で高まっていた年内4回利上げの見通しが、イエレン議長の発言で水を差された格好となり、115円台からゆっくりとロングのポジションの解消が進んできたものと思われます。ムニュ―チン財務長官のデビュー戦となった今回の「G20」でも、保護貿易の高まりをとめることができず、共同声明でも「保護主義に対抗する」という従来の文言がはずされました。

また、トランンプ大統領とメルケル首相の会談でも、移民問題では両者の溝は埋まらず、日米トップ会談のような「蜜月」は見られませんでした。トランプ大統領と欧州との「距離」が気になるところです。

ドル円は再び下値を試す展開になってきました。今後再び下値の重要なサポートレベルと見られる111円50−70銭を試しに行くのか、あるいはドルが底堅さを見せ、112円台から反発するのか、見方が分かれるところです。

ポイントは米利上げが年内にあと何回見込めるかという点と、トランプ大統領の経済政策の内容が重要だと思います。FOMC後の記者会見でイエレン議長が「ハト派」的な発言をしたことで年内4回という利上げ観測が急速に後退はしたものの、4回の可能性が全くなくなったわけではありません。事実イエレン議長は「利上げ回数が1回増えるか減るかしても、緩やかと言える」と発言し、年4回の利上げの可能性を排除してはいません。好調な米景気を基本とするならば、「年2−3回」よりも「年3−4回」の可能性を支持したいと思います。

今週は木曜日にイエレン議長の講演が予定されています。やや材料不足の感は否めませんが、ここからドルが買われるにしても売られるにしても緩やかなものになろうかと思います。引き続きユーロドルの動きにも注意したいと思います。ECBがテーパリングを開始すれば、その後利上げに踏み切るのは予想されるよりも早いとの見方があるようです。

本日のドル円は112−113円の程度を予想します。チャートでは「1時間足」だけではなく、「日足」も雲を下抜けしており、目先は上値が重い展開が想定されます。下げても112円台を維持できるかどうかも焦点です。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和