2017年3月23日(木) 「ドル円4カ月ぶりに110円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続落し、約4カ月ぶりとなる110円74銭近辺まで下落。トランプ政権の政策に対する不透明感が急速に台頭し、米金利の低下に円を買う動きが強まった。
- ユーロドルはもみ合い。1.0825まで買われたものの、勢いはなく、1.07台に押し戻されて取引を終える。円高が進んだことから、ユーロ円は3週間ぶりに119円台に。
- 株式市場はまちまち。ダウは小幅に続落したが、ハイテク銘柄の多いナスダックは27ポイント上昇。
- 債券相場は続伸。財政刺激策への期待が薄れ、債券への需要が高まった。長期金利は2.40%台へと低下。
- 金は続伸し、原油は小幅ながら続落。
1月FHFA住宅価格指数 → 0.0%
2月中古住宅販売件数 → 548万件
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| ドル/円 | 110.74 〜 111.43 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0785 〜 1.0825 |
| ユーロ/円 | 119.68 〜 120.23 |
| NYダウ | −6.71 → 20,661.30ドル |
| GOLD | +3.20 → 1,249.70ドル |
| WTI | −0.20 → 48.04ドル |
| 米10年国債 | −0.013 → 2.405% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏3月消費者信頼感(速報値)
- 欧 ECB経済報告
- 英 英2月小売売上高
- 米 2月新築住宅販売件数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 イエレン・FRB議長講演
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
トランプ大統領の政策実現に対する見方に黄信号がともり、これまでの期待感が後退して来ました。期待感の後退はドル売り円買いを促し、ドル円は昨日のNY市場で一時110円74銭近辺まで下落し、約4カ月ぶりの円高水準を記録しています。この水準はもちろん今年の円の最高値ですが、昨日の日経平均株価も414円下げ、今年最大の下げ幅でした。投資家が「リスク回避」に動いたということですが、米景気の拡大基調が変わっていない現状では、このまま「リスク回避」の流れが続くかどうかはまだ判断できません。
ドル円は重要なサポートであった111円50−70銭近辺を割り込み、ゆっくりでしたがドルを売って円を買う動きが続きました。円はその他の主要通貨に対しても買われ、ユーロ円は120円を割り込み、豪ドル円も1月6日以来となる84円台まで下落しています。ドルの全面安であると同時に、円の全面高の様相です。
トランプ政権への期待が後退していますが、背景は医療保険制度改革法(オバマケア)を撤廃し、与党共和党が提案する代替案が議会で承認されないのではないかとの懸念が広がっていることが挙げられます。もし議会を通らないということになると、これまでトランプ氏が公約してきたインフラ投資や法人税減税など税制改革も遅れるという見立てで、市場に不透明感が広がっています。法人税減税の大幅引き下げは企業利益のかさ上げにつながり、これが株価を大幅に押し上げた経緯があります。法人税減税が先送りになれば、株式が売られ、株価の下落が円買いを促したというのが足元の動きです。
ドル円は年初来の安値をつけたわけですが、ここからは慎重に状況を判断する必要があります。前述のように、米景気の好調さは現時点では変化はありません。前日今年最大の下げ幅を記録したNYダウも、昨年末に比べればまだ900ドル以上も高い水準です。株価に関しては、トランプラリーで先取りしたということで、今その修正が進んでいるという状況かと思われます。
株価の水準は景気の体温計とも言われますが、その株価が依然として高水準を維持していることからも、足元の米景気は高水準だと言えそうです。ドル円は110円台まで下落しましたが、仮に、さらに下値を試す展開があるとすれば意識されるのは109円93銭近辺です。この水準は昨年11月の大統領選直後に記録した101円20銭から、トランプラリーのピークだった118円66銭までの「半値戻し」にあたるからです。また「110円」という数字も大きな大台であることから意識されます。従って、110円前後が非常に重要な「下値のメド」と言えるでしょう。
トランプ氏が大統領に就任してから2カ月が経過しました。移民問題や、国境に壁をつくるだけではなく、そろそろ経済政策でも「実績」を示さなければならない時ではないでしょうか。氏の「有言実行」が試される時です。本日はNY時間にイエレン議長の講演があります。今後の利上げのタイミングについて言及があるかどうかに注目ですが、東京時間にも、籠池理事長の証人喚問が午前中に行われる予定です。安倍政権に影響を与えかねない問題だけに、こちらにも注目したいと思います。予想レンジは110円70銭〜112円程度としたいと思います。

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What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/1 | 浅川・財務官 | 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 | -------- |
| 2/3 | ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 | 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/6 | ドラギ・ECB総裁 | 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 | ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。 |
| 2/7 | バイトマン・ドイツ連銀総裁 | 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 | -------- |
| 2/14 | イエレン・FRB議長 | 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 | ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。 |
| 2/15 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 | -------- |
| 2/16 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 | -------- |
| 2/16 | ロックハート・アトランタ連銀総裁 | 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/16 | フィッシャー・FRB副議長 | 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/22 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 2/22 | ムニューチン・財務長官 | 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 | ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇 |
| 2/22 | パウエル・FRB議長 | 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 | -------- |
| 2/27 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 | -------- |
| 2/28 | ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 | 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 | ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇 |
| 2/28 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 | -------- |
| 3/1 | ブレーナード・FRB理事 | 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 | -------- |
| 3/2 | パウエル・FRB理事 | 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 | ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。 |
| 3/4 | イエレン・FRB議長 | 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 | ドル円114円75銭まで上昇。 |
| 3/9 | ドラギ・ECB総裁 | 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 | ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。 |
| 3/15 | イエレン・FRB議長 | 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 | ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ |
| 3/16 | ムニューチン・財務長官 | 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 | -------- |



