今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月24日(金) 「ドル円NYで再び110円台半ばに」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は下院共和党がヘルスケア法案の採決を延期したためドル売りが強まり、110円62銭まで下落。前日のドルの安値を下回ったが、111円近くまで戻して引ける。
  • ユーロドルは1.07台後半で小動き。ユーロ円を売る動きも見られ、一時119円台半ばまで下落。
  • 株式市場は続落。オバマケアの代替法案の採決が延期されたことが嫌気された。ダウは小幅ながら6日続落。
  • 債券相場は反落。ヘルスケア法案が延期されたことで上昇する場面もあったが、SFシスコ連銀総裁のコメントに反応し売られた。
  • 金は反落。原油価格は続落し47ドル台に。
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 2月新築住宅販売件数 → 59.2万件
 新規失業保険申請件数 → 25.8万件
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ドル/円 110.62 〜 111.30
ユーロ/ドル 1.0774 〜 1.0794
ユーロ/円 119.47 〜 120.02
NYダウ −4.72 → 20,656.58ドル
GOLD −2.50 → 1,247.20ドル
WTI −0.34 → 47.70ドル
米10年国債 +0.014 → 2.419%

本日の注目イベント

  • 独 独3月製造業PMI(速報値)
  • 独 独3月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月総合PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(速報値)
  • 米 2月耐久財受注
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 加 カナダ2月消費者物価指数

注目されたオバマケアの撤廃に伴う代替法案が議会で可決されず延期されました。採決については楽観視されていただけに、昨日の市場では不透明感が増し、ドル円は前日のドルの安値を下回る、110円62銭まで売られています。

NY株式市場の方も軟調な動きで、ダウは小幅でしたが6日続落し、あのトンプラリーがウソだったような状況になっています。代替法案は本日にも採決されるという見方もありますが、ライアン下院議長が予定していた記者会見を延期したことで、ホワイトハウスと下院首脳部との話し合いは難航していると見られます。

SFシスコ連銀のウィリアムズ総裁はウォールストリートジャーナル紙(WSJ)とのインタビューで、最大限の雇用確保と物価安定という2大責務に対する金融当局の取り組み次第では、年内に3回か「もしくはそれ以上」の利上げが理にかなうと述べています。(ブルームバーグ)先週のFOMCでは今年初めてとなる利上げには踏み切ったものの、FOMCメンバーによる「ドットチャート」が、前回12月のそれから変わっていなかったことで、年内4回の利上げ観測が急速に後退し、これがドル円を115円台から110円台に押し下げた一因にもなっていました。ウィリアムズ総裁の認識には、依然として米景気が拡大しており、さらにその流れは継続すると見ている自信の表れだと見ることができます。もっとも、昨日の市場は上述のように、ヘルスケア法案の行方に注目が集まっており、影響は軽微でした。

トランプ大統領の最優先課題であったオバマケアの撤廃が、思惑通り進展しなくなってきたことで、今後の経済政策にも遅れが出て、米景気への好影響にも不透明感が漂ってきました。筆者も、トランプ氏の大規模な財政出動が景気を刺激し、長期金利の上昇圧力となり、FRBの利上げ回数を押し上げるといったストーリーをメインに置いてきました。この基本部分が崩れると、今後のドル高シナリオも修正を迫られる可能性も出てきます。もちろん、現時点ではまだ判断はできませんが、全てはホワイトハウス次第であることは確かなようです。

ドル円は東京タイムでは底堅く、上昇する場面もありますが、海外市場に入ると売られる流れが続いています。意識される水準は、昨日も述べましたがトランプラリーで上昇した半値戻しにあたる、109円93銭前後ということになります。もともと軟調な日本株も、本日は日経平均が1万9000円を明確に割り込むようだと、東京タイムでも上値が重くなり、NYの下値を試す展開も予想されます。今朝のドル円は、再び111円台に押し戻されていますが、「一歩前進二歩後退」の流れは昨日から継続しています。予想レンジは110円50銭~111円50銭程度と見ています。


今月、NY連銀にあるバングラデシュ中央銀行の口座から8100万ドル(約88億円)が盗まれ、現在FBIが捜査しているそうです。サイバー盗難としては史上最大級で、総額9億5000万ドルをバングラデシュ中銀口座からフィリピンにある複数の口座に資金移動する途中で発覚したそうです。バングラデシュ人が海外で働き、稼いだお金を自国に送金する行動が拡大していることから、同国中銀の口座に資金が集まっているようです。FBIはこの事件で、北朝鮮のハッカーの痕跡があるとしています。バングラデッシュも先進国への労働力を供給する国の一つとは知りませんでした。良い週末を・・・・・。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和