今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月27日(月) 「ドル円110円台半ばを試す」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は再び110円台半ばを試す展開に。トランプ大統領がオバマケア撤廃に伴う代替法案を取り下げたことで、今後の政策実行力を不安視する見方が台頭。ドル円は110円63銭まで売られたが、前回同様111円台まで押し戻されて取引を終える。
  • ユーロドルは方向感がなく、1.08を挟んでもみ合う。値幅も30ポイント程度で、今後のECBの政策を見極めたいとする姿勢が強まった
  • 株式市場はヘルスケア法案を取り下げたことで、下げ幅を縮小。ダウは59ドル下げたが、ナスダックは11ポイント上昇。
  • 債券相場はヘルスケア法案が取り下げられたことで小幅に上昇。長期金利は2.41%台で越週。
  • 金と原油は小幅に反発。
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 2月耐久財受注 → +1.7%
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ドル/円 110.63 〜 111.38
ユーロ/ドル 1.0790 〜 1.0818
ユーロ/円 120.07 〜 120.22
NYダウ −59.86 → 20,596.72ドル
GOLD +1.30 → 1,248.50ドル
WTI +0.44 → 48.14ドル
米10年国債 −0.007 → 2.412%

本日の注目イベント

  • 独 独3月ifo景況感指数
  • 欧 ユーロ圏2月マネーサプライ
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演

米下院共和党は24日、医療保険制度改革法(オバマケア)を改廃する法案の採決を断念しました、可決に必要な票を確保できなかったことで、トランプ政権の今後の政策実行力を疑問視する声が高まり、ドル円は再び110円台半ばまで売られる展開になりました。

オバマケアの撤廃と、それに代わるヘルスケア案を決めることがトランプ氏にとっても最優先課題だっただけに、最後の段階で取り下げたことが、インフラ投資や減税問題も先送りになるのではとの懸念も生じており、これが市場のセンチメントを悪化させている状況です。就任2カ月にして最優先課題でつまずきを見せたことで、トランプ氏に対する期待は急速に低下しており、トランプ相場も曲がり角に差し掛かった印象です。

ただ、先週末のNY株式市場ではヘルスケア法案の採決を断念したことで株価の下落に歯止めがかかり、引けに掛けては値を戻しています。一部には「トランプ大統領と議会はこれから経済成長策の方に軸足を移すと見られ、その中核は税制改革だ」との意見もあるようです。(ブルームバーグ)NYダウは直近高値から500ドル以上も下落しており、トランプ効果も徐々に色あせてきています。振り返ってみれば、減税改革については「驚くべき内容」とぶちあげたのが2月9日でした。その後、「まもなく明らかになるだろう」とのツイートは1度ありましたが、いまだにその内容は発表されないまま、2カ月になろうとしています。ドル円の118円台半ばや、ダウの2万1100ドル台は、結局市場の先走りだったのでしょうか。

ドル円は先週、110円台半ばを3回試しまたが、結局抜け切れなくて押し戻されてきました。今朝も同じように、同レベルを試しています。下値が110円半ばと上値は111円半ばのレンジが続いていますが、市場のセンチメントは上で述べたように、トランプ相場への期待の低下から下値を試す流れに傾いています。チャートでは「週足」で、雲に入って来ました。「200週線」が110円台前半にあるため、仮に110円台半ばが抜けたら、このレベルあたりから下値がサポートになろうかと思います。昨年11月からのトランプラリーの半値戻しも、109円93銭と導き出されることもあり、110円前後は非常に重要な水準です。

本日の予想レンジは110円〜111円20銭程度にしたいと思います。日本株も軟調な展開が予想され、株安、ドル安が同時に進む可能性があるかもしれません。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時発言者内容市場への影響
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和