今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月29日(水) 「ドル円111円台を回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は110円台前半で取引が始まり、引き続き上値の重い展開だったが、消費者マインドの大幅な上振れや長期金利の上昇をきっかけに反発。一時は111円18銭までドル高が進み、ほぼ高値圏で取引を終える。
  • 前日1.09台まで上昇したユーロドルは反落。米景気への楽観的な見方が広がり、ユーロを売ってドルを買う動きが強まった。ユーロドルは1.08割れまで下落。
  • 株式市場は大幅に反発。消費者マインドなど経済指標が良好で、米景気のさらなる拡大が見込めるとの見方が広がり、ダウは150ドル上昇し、2万700ドル台を回復。
  • 債券相場は反落。経済指標が良好だったことに加え、フィッシャーFRB副議長が、「今年はあと2回の利上げが概ね適切」と発言したことが売りにつながった。
  • 金は反落し、原油は48ドル台を回復。
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 1月ケース・シラ−住宅価格指数 → +5.73%
 3月消費者信頼感指数 → 125.6
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ドル/円 110.18 〜 111.20
ユーロ/ドル 1.0799 〜 1.0872
ユーロ/円 119.69 〜 120.20
NYダウ +150.52 → 20,701.50ドル
GOLD −0.10 → 1,255.60ドル
WTI +0.64 → 48.37ドル
米10年国債 +0.04 → 2.418%

本日の注目イベント

  • 英 英メイ首相、EU離脱手続き開始を通告
  • 米 2月中古住宅販売成約指数
  • 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演

ドル円はひとまず110円割れは回避できたようです。昨日の東京市場でも株価の上昇に伴って、110円83銭レベルまで買われたものの、NY市場では引き続き上値が重く、110円18銭までドル売りが進みました。ただその後はドルが急反発し、底値から約1円の上昇を見せました。

3月の消費者マインドは事前予想の「114」に対して、「125.6」と、実に16年ぶりの高水準でした。前月の「116」から上昇し、現況指数も「143.1」とこちらは2001年8月以降で最高値です。これ以外にも、リッチモンド連銀景況感指数も予想を上回り、改めて米景気の好調さが示された形です。

この結果を踏まえたわけではないのでしょうが、フィッシャーFRB副議長はこの日、CNBCのインタビューで、FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは「概ね適切のようだ」と述べ、「それは私自身の予測でもある」と語っています。副議長はまた、金融当局は議会とホワイトハウスによる財政政策の協議を、結果に関して予断を持たずに注視していると説明しました。(ブルームバーグ)同時に、保護主義については懸念を表明しています。

良好な経済指標に加え、フィッシャ−副議長のこの発言がドル買いのきっかけを与えたようで、ドル円は111円台に、ユーロドルは1.08割れまでドル高が進みました。1週間以上も下げ続けていたNYダウ株価指数も、昨日は150ドルを超える大幅な反発を見せ、WTI原油価格も48ドル台を回復するなど、為替を取り巻く環境もやや落ち着きを取り戻しています。

オバマケアを撤廃し、新たなヘルスケア法案の創設に失敗したトランプ氏でしたが、一方で、これで税制改革に本腰で取り組めるのではとの見方もあります。今朝の情報でも大統領は、30日に包括的税制改革のさまざまな実行方法について、コーン国家経済会議委員長ら当局者のグループと協議をすると、関係者からの話としてブルームバーグが伝えています。

ドル円は110円の大台割れは回避できましたが、このまま上昇に向かうかどうかはまだ不透明です。米景気の好調さは確認できたものの、トランプ大統領の経済政策の詳細が依然として見えていません。フィッシャー副議長が述べたように、米経済データがこのまま推移すれば、年内にさらに2回の利上げは十分可能だろうとは思いますが、さらに1回上乗せできるかどうかは、今後の経済政策次第というところもあります。今週中に112円台までドルが上昇すれば、再び110−115円のレンジに戻ったと判断できますが、現時点でまだ下値のリスクは残っていると見たほうがいいと思います。

本日は3月決算銘柄の「権利落ち」にあたります。理論的には配当分に相当する価格分だけ下げるはずですが、昨日のNYでは株価が大幅に上昇しています。円安とNY株の大幅上昇は日経平均株価にとっては好材料です。果たしてその影響はどの程度になるのか・・・・。予想レンジは110円60銭〜111円60銭程度にしたいと思います。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和