今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年3月30日(木) 「ユーロ円119円近辺まで下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京市場で111円31銭まで上昇したドル円は、依然として上値は重く、NY市場では110円76銭まで下落。英国がEUへ離脱通知を開始したことや、長期金利の低下が手がかりに。
  • ユーロドルは続落。ECBの緩和策終了に対して否定的な見方が広がり、ユーロドルは1.0740まで売られた。
  • NYダウは反落したものの、ナスダックとS&P500は続伸。年内利上げに関してFOMメンバーの発言があったものの、方向感は定まらず。
  • 債券相場は反発。ECBが政策メッセージの変更には慎重との報道に買いが優勢に。長期金利は2.37%台へと低下。
  • 金は続落し、原油は続伸。
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 2月中古住宅販売成約指数 → +5.5%
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ドル/円 110.76 〜 111.16
ユーロ/ドル 1.0740 〜 1.0773
ユーロ/円 119.01 〜 119.57
NYダウ −42.18 → 20,659.32ドル
GOLD −1.90 → 1,253.70ドル
WTI +1.14 → 49.51ドル
米10年国債 −0.041 → 2.376%

本日の注目イベント

  • 独 独3月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月景況感指数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
  • 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演

110円割れは回避され、昨日の東京タイムには111円31銭まで上昇したドル円でしたが、上値は依然として重く、特に海外市場に入ると売られ傾向は続いているようです。

英国がEUからの離脱手続きを開始したことも円を買う動きにつながった面もあり、分かっていたこととはいえ特にユーロは大きく売られました。また、トランプ大統領の環境問題に対する意識もドルの上値を重くしたようです。NY株式も高安まちまちで、こちらもトランプ政策をにらみながら一進一退です。そんな中、原油価格の上昇だけが唯一のサポートとなり、ドル円の下落も昨日は限定的でした。

昨日はFOMCの2人のメンバーが講演を行い、利上げに関する発言を行っています。ボストン連銀のローゼングレン総裁は、景気過熱の防止で2017年に4回の利上げが必要になり得ると発言し、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、「年内に3回を超える利上げの可能性は排除しない」と述べています。(ブルームバーグ)

特にボストン連銀のローゼングレン総裁は、これまでハト派の代表の一人と見られており、シカゴ連銀のエバンス総裁と並んで「ハト派の重鎮」と見られていただけに、その発言は注目されます。一方、サフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、イエレン議長にスタンスが近いと見られています。ブルームバーグによると、ウィリアムズ氏は、イエレン議長がサンフランシスコ連銀総裁だった時期に、調査責任者を務めていたそうです。上記二人の総裁発言は、いずれも年内利上げには積極的で、今後の経済データ次第では「もう3回の利上げ」もあり得ると理解できます。

ドル円は上値の重さは変わらない中、基本的には相場を大きく動かす材料がないことから、もみ合いが続いています。112円台にしっかりと乗せてくるようだと、110−115円のレンジに戻ったと判断できますが、足元の水準ではまだ110円割れのリスクを排除できません。本日も重要な材料はなく、期末に向けた実需がどの程度あるのかに左右されそうな相場展開が予想されます。「1時間足」では、一応雲の上で推移しており、昨日のNY市場での下げでも「雲の入り口」でしっかりサポートされています。また、MACDでも「ゼロの軸」を上回って、プラス圏で推移していることが、短期的なドル上昇に期待を残しています。本日は110円50銭〜111円50銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/1 浅川・財務官 「為替市場はマーケットで動いている。操作しているわけではない」トランプ大統領の円安誘導発言に対して。 --------
2/3 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオより勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/6 ドラギ・ECB総裁 「インフレ率が目標に向かって確実かつ持続的に収束していくためにはECBの金融政策による支援が依然として必要だ」欧州議会で。 ユーロ円121円台から119円台後半へ下落。
2/7 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ドイツが過小評価された通貨で米国や他の諸国を食い物にしているとの非難は偽りにも程がある」「最近のドルの上昇は米国が自ら招いたものだ」講演で。 --------
2/14 イエレン・FRB議長 「金利と雇用が当局の見通しが一致すれば、一段の利上げが適切になる」「緩和解除を長く待ちすぎるのは賢明ではない。待ちすぎればFOMCは最終的に急速なペースで利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、リセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」上院での議会証言で。 ドル円113円台から114円台に、NY株価大幅に上昇。
2/15 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「状況が現在の軌道を維持すると想定すれば、2017年における3回の利上げは適切だ」講演で。 --------
2/16 ダドリー・NY連銀総裁 「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」講演で。 --------
2/16 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「労働市場のさらなる改善に向け(利上げを)長期間待つことは、FOMCがとるべき好ましい姿勢ではない」「イエレン議長の記者会見が予定されていない会合でも利上げは可能」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/16 フィッシャー・FRB副議長 「具体的な数字をここで挙げるつもりはないが、この時期に想定していた状況と現状は一致している。つまりインフレ率が2%に近づき、労働市場は力強さを増し続けるという想定だ」「この二つが実現すれば、ほぼ想定していた通りの軌道に乗ることになるだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 メスター・クリーブランド連銀総裁 「米経済が現在の軌道を維持すれば金利が上昇することに満足するだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/22 ムニューチン・財務長官 「強いドルが長期的に良いことだ」と述べ、「人々が米経済に抱いている信頼や、米経済の他国と比べたパフォーマンスを反映している」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円112円台後半から113円台半ばへ上昇
2/22 パウエル・FRB議長 「緩やかな利上げは、かなり早期のタイミングも含めて適切になるというのが私の見方だ」講演で。 --------
2/27 カプラン・ダラス連銀総裁 「当局がごてに回るような状況にならないよう警戒したい」講演で早めの利上げを示唆。 --------
2/28 ウィリアムズSFシスコ連銀総裁 「3月に開かれるFOMCで利上げが真剣に協議されると予想している」講演で。 ドル円111円70銭〜112円90銭まで上昇
2/28 ダドリー・NY連銀総裁 「FOMC議事録の『かなり早期』は、比較的近い将来を意味する」CNNとのインタビューで。 --------
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和