今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年4月5日(水) 「クロス円大幅下落後反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はジリジリと値を下げ、NYの朝方には110円27銭まで下落。そこからは株価や金利が上昇したことを受け反発。110円81銭近辺までドルが買われて引ける。
  • ユーロドルは小動き。米中首脳会談を控えて様子見ムードが広がり、1.06台半ばで推移。
  • 株式市場は揃って反発。原油価格の上昇が支えとなり、ダウは39ドル上昇。エネルギー株が買われる。
  • 債券相場は3日ぶりに反発。10年債利回りが年初来の低水準にいたことから買いが優勢に。長期金利は2.36%台へと上昇。
  • 金は続伸。原油価格は在庫が減少しているとの見方が強まり続伸。約1カ月ぶりに51ドル台に乗せる。
******************
 2月貿易収支 → −436億ドル
******************
ドル/円 110.28 〜 110.81
ユーロ/ドル 1.0636 〜 1.0676
ユーロ/円 117.42 〜 118.22
NYダウ +39.03 → 20,689.24ドル
GOLD +4.40 → 1,258.40ドル
WTI +0.79 → 51.03ドル
米10年国債 +0.041 → 2.361%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏3月総合PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(改定値)
  • 英 英3月サービス業PMI
  • 米 3月ADP雇用者数
  • 米 3月ISM非製造業景況指数
  • 米 FOMC議事録(3月14、15日分)

引き続き上値の重いドル円は欧州市場からNY市場の朝方の時間帯に110円27銭までドル安が進みましたが、そこをボトムに反発し、今回も今のところ110円割れは回避しています。株価の低迷と、長期金利の低下傾向が背景となっており、そこに明日から始まる米中首脳会談の行方や、ロシアでのテロ、あるいはフランスの大統領選と、投資家はリスクをとることに慎重になり、身構えている状況です。

昨日はそれでも株価も小幅ですが反発しています。2月の米貿易収支が436億ドルの赤字に縮小し、市場予想を50億ドル近く下回っていました。米中首脳会談を控えて、貿易赤字の拡大は、より会談を不透明にする材料と見られていただけに、やや安心感も出ているようです。

昨日はクロス円の下落がドル円を押し下げた一面もあったようです。ユーロ円は約4カ月ぶりのユーロ安水準まで売られ、豪ドル円も83円台前半まで売られました。いずれもテクニカル上の重要なサポートを割り込んだことで、ストップロスの売りや、一段の下落を見込んだ新規の売りが膨らんだものと見られます。クロス円の売りは、ドル円でのドル売り円買いという形で影響します。

トランプ大統領は昨日ワシントンで会社経営者と会談し、中国との貿易について「われわれはもっとうまくやる必要がある」と述べたようです。もともと中国との交渉については「簡単ではない」と語っており、トランプ氏にとっても、今後政策を実施していく上での一つのハードルと言ってもいいと思います。北朝鮮問題がメインになるとは思いますが、中国に対する「為替操作国」問題がどのように扱われるのかに注目しています。

本日はやや下値不安は後退していますが、だからと言って、それほど上値も期待できる状況ではありません。株価の戻りがあると思われますが、ドルが買われても111円台前半がいいところではないでしょうか。もし、それ以上にドルが上昇するとすれば、ADP雇用者数の上振れなどを材料に、海外市場で見られるかもしれません。111円05−10銭あたりが雲の入り口で、抵抗帯として意識されますが、一方で、111円30銭あたりをしっかりと抜ければ、短期的な「雲抜け」が完成し、上昇の余地はあります。本日は110円20銭〜111円40銭程度を予想します。

私が長年開催しているセミナーを通して発見した、初心者が陥りやすい間違えや、理解しにくいことなどを分かりやすくまとめた、一冊の本が出版されました。
より多くの投資家の方々にFXで成功してもらいたい!そんな思いを込めて書かせていただきました。セミナーに参加された方も、そうでない方もぜひ一度読んでみてください。

●タイトル:チャートがしっかり読めるようになるFX入門 ●出版社: 翔泳社
●著者:佐藤正和 ●160ページフルカラー ●定価:1,300円+税

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/1 ブレーナード・FRB理事 「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」ハーバード大学でのイベントで。 --------
3/2 パウエル・FRB理事 「3月に利上げする論拠がそろってきた。FOMC会合で定協議の対象になるだろう」CNBCとのインタビューで。 ドル円114円台半ばへ。長期金利2.48%台へ上昇。
3/4 イエレン・FRB議長 「FOMCは今月会合で雇用とインフレが当局の期待に沿って引き続き進展しているかどうかについて検証する。そうした場合には、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整が適切になる可能性が高い」「しかしながら、予期せぬ展開が経済見通しに悪影響を及ぼさない限り、緩和縮小のプロセスは過去数年のようなゆっくりしたものにはならない可能性が高い」講演で。 ドル円114円75銭まで上昇。
3/9 ドラギ・ECB総裁 「相当程度の金融緩和が依然必要」政策金利据え置きを決めた後の記者会見で。 ユーロ円120円台から121円台後半へ急騰。
3/15 イエレン・FRB議長 「金融緩和の緩やかな解除という決定は経済の進展継続を反映している」「この日の決定はその見解に沿うもので、判断変更はしていない」「当局の経済予測は昨年12月に示したものとほぼ同じだ」利上げを決めた後の会見で。 ドル円114.70 → 113.17、ユーロドル1.0630 → 1.0740へ
3/16 ムニューチン・財務長官 「長期的に最大の利益として、ドルの強さは良いことであり、長期的なドルの強さは準備通貨への信頼の表れだと思う」ショイブレ独財務長官との共同記者会見で。 --------
3/23 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「金融当局の取り組み次第では、年内に3回かもしくはそれ以上の利上げが理にかなう」WSJ紙とのインタビューで。 --------
3/24 ダドリー・NY連銀総裁 「緩和を少し取り除くこと、つまり金利を少し上げることで、おそらく軟着陸を達成し、失業率とインフレに関して経済を現状に維持するであろう」講演で。 --------
3/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「インフレや失業率を現在のレベルに維持するにはもっと早いペースで利上げを実行すべきと考えている同僚もいるようだ。私はその必要はないと思う。もっと静観姿勢でいてよいと思っている。」講演で。 --------
3/28 フィッシャー・FRB副議長 「FOMC参加者の予想中央値で示された今年あと2回の利上げは概ね適切のようだ」、「それは私自身の予測でもある」CNBCとのインタビューで。 ドル円110円台前半から111円台に上昇
3/30 ウィリアムズ・SFシスコ連銀総裁 「経済データ次第では、もしかしたら今年4回の利上げか適切となるかもしれない」FOXテレビとのインタビューで。 ドル円上昇の一因に
3/30 ダドリー・NY連銀総裁 「中長期的に経済成長とインフレ率へのリスクは上振れしている公算があると見られる」講演で。 ドル円上昇の一因に
4/3 マクロン・前経済相 「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」ルモンド紙とのインタビューで、ルペン氏の勝利の可能性も排除できないとの認識を示す。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和